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印象的だった昔話と夢。


「こんにちは〜」


扉から顔を出すのは吉田鷹也先生。なんとも驚きだ。


「今日の授業の前のやつ。あれ何だったの?」


吉田先生は私に問いかける。怖くて目が合わせられない。


「あー、、バンド、組んでみたくて。先生が昔、バンド組んでたって色んな人から聞いて勝手に憧れてて、、すみません。」


ほとんど本当のことだ。嘘じゃないもんね!だからそんな怖い目で見ないで。いよいよ泣くぞ。


そんな覚悟を決めていたら先生は少し笑った。


「別に謝らなくて良いよ。でもバンドは組めない。ごめんね」


断られる覚悟で誘ったものの実際に断られると悲しい。


「いえ、大丈夫です。気にしないでください。」


私は微笑んだ。


「代わりと言いますか、、先生がバンドをしていた頃の話を聞きたいです。」


こっちならどうだ。黒歴史ではない限り話してくれるだろう。


「もちろん。いいよ。」


快く了承してくれた。


「やったー!」


「僕がバンドを組んでいたのは高校生の頃。軽音学部に入っていたんだ。その時はキーボードをしていたんだ。」


部活だったんだ。


「キーボードあるの珍しいですね。」


「うん。まぁ、そこまで人気の楽器ではなかったし漫画くらいモテるみたいなことはなかったよ。」


「モテ目的だったんですか?」


私はニヤッとした。恋愛話なんてちょうどこの年の時期、すごく興味があることだ。


「全くもって違うよ。ただ、音楽が好きだったから。放課後みんなで集まってオリジナル曲作ったりしたなぁ。楽しかったよ。」


「今、どこかでその曲聞けたりしますか?」


絶対聴きたい。


「聞けないよ。動画配信してないしね。」


「そんなぁ、、」


聴きたかった。


「あっごめんもうこんな時間。会議じゃん。長居しすぎたわ。部活の邪魔しちゃってごめん。また明日。」


「ありがとうございました。」


先生は去っていった。嵐のようだった。


でも先生の昔の話、聞けて嬉しかったなぁ〜バンド、やっぱり組んでみたい!!!それに、話してる時の先生は少し頬が緩んでいる気がした。


そして、そのまま私はベースの練習をした。今日はちょっといつもよりもかっこよく弾けた気がする。


家に帰り、夜。


眠る前にふと吉田先生の話を思い出した。話をしている時の先生はいつもよりもなんだか楽しそうだった。ちょっと怖いなって思っていたけれど、全然そんなことはない気がした。それでもまだ少しだけ怖いけれど。


明日も今日みたいに勇気を出せば、また話が聞けるかもしれない。明日も頑張ろうと意気込み、眠りについた。


ーーー


私は吉田先生に呼び出されてついていった。家の近くにある公民館の体育館だ。そこで私をピアノ椅子の上に座らせた。そして、私の手を取り目をみて言う。私は思わず息を呑む。


「僕、Eyes なんだ。」


Eyes!?


Eyes とは今話題のシンガーソングライター。顔出しはしていないからどんな人なのかはわからないけれど、声からして男の人だと言うことは分かっている。


けど声も身長もそんなに似ていない先生がなんで。


私の周りをよく見ると、宙に浮かぶピアノにギター。そして、ベースにコントラバス。宙に浮かぶ楽器たちのところまで、五線譜の道ができている。



あぁ、夢の中か。


どこか遠くから楽しそうな声が聞こえる。文化祭のときの人だかりみたいな。私と吉田先生はここで2人きりだった。


でも、夢か。


こうして気がついた頃には目が覚めていた。もう一度同じ夢を、夢の続きを見たいと思い目を閉じる。


母の声が私の横でした。


結局しっかり起きた。


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