くだらない話。
ある昼休み。隼人が話しかけてきた。
「なーなー小鳥、小鳥ってホラー好き?」
「え、わかんない。見たことないし。」
隼人はふーんと曖昧な相槌を打ってくる。自分から話題振ったくせに。
「最近よくCMでやってる映画知ってる?怖いやつ。」
「あーあれ?知ってるよ。」
一応私がそっけない感じだが、これでも隼人のことが好きなんだ。好き避けみたいなかんじで少しツンツンしちゃうの。
「今度見に行かない?」
もしかして、2人で?という言葉を飲み込んだ。
彼は普通に「2人で」とか言ってくるからだ。
「うん。いいね。らいちゃんも誘う?」
らいちゃんとは赤羽来夏。私たちと同じ小学校出身でとても仲が良かった。というか今も良い。私は同じ吹奏楽部でらいちゃんにはとても優しくしてもらっている。らいちゃんは中性的な印象を持つため男子とも女子とも仲が良い。特に男子の中でも隼人あたりとはとても仲が良い。
「そうだね。」
相変わらずふわふわした返事をする隼人。どうした。今日は雲の上を渡って学校に来たのか。
私はらいちゃんに話しかける。
「らいちゃんホラー映画好き?」
私はちょっとあざとく聞いてみる。
「え、好きだよ。今度何か見に行きたいなーって思ってるんだよね。」
「ほんと!?今度隼人と3人で行かない?」
「いいね。行こう。」
なんと秒で了承を得た。ちなみにらいちゃんは私が隼人のことが好きなのを知らない。多分なんとなく察されているとは思うが。そして、私が吉田先生と仲良くなりたいのは知っている。これは私がらいちゃんに吉田先生のことを話しまくるからだ。
「やったー!!日にち決めないとね。」
「そうだね。うわまじ楽しみ。」
こんなことを言ってくれるらいちゃんが大好き。ちなみに隼人は私がらいちゃんに話しかけにいったときに他の友達の元へ行ってしまった。
「てか、聞いてよ。」
らいちゃんは私に話を振り続けてくれる。
「なーに?」
「今Eyesの5年くらい前の曲にハマっててさ。」
「え!もしかしてだけど“花と”!?」
「そうそれ!流石ことちゃん!」
「えへへ〜Eyes大好きだからね。」
らいちゃんも吹部に入っていることから差出せる通り音楽が大好きだ。しかも私と一緒で幅広く何でも聴く。なので色んな人とたくさんお話しするため友達が多い。そういうところが大尊敬だ。
「“花と”の最後に残ったベースの音がまじでEyesの音って感じがして好きなんだ。」
らいちゃんは“花と”の好きなところを教えてくれる。Eyesはもともとベーシストだったからどの楽曲もベースがかっこよくて話題なんだ。
「わっっかるぅ〜!私もいつかあれ弾きたいの!!」
「絶対かっこいいよ。いつか一緒にやろう!」
らいちゃんはドラマーなので2人でバンドが組めるのだ。約束もしたよ。口約束だけどね。
ちなみにこの話をしていた場所は教室の後ろの方。だから、色々な人が廊下を通るのが見える。もちろん逆も然りだ。そして今知ったが、廊下で吉田先生は私がらいちゃんと話していたのが目に入ったとき少し微笑んでいたらしい。




