第七章 転売屋は消える
第七章 転売屋は消える
ここで、おそらく最も多い反論に答えたい。
「その方式でも転売屋は参加するのではないか」
という意見である。
確かに参加はするだろう。
私はそれを否定しない。
しかし、それは大きな問題ではない。
なぜなら、転売屋は利益を失うからである。
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現在の転売はなぜ成立するのか。
理由は単純だ。
定価と市場価格の差があるからである。
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メーカー価格は5万円。
市場価格は8万円。
この時、3万円の利益が生まれる。
転売屋はその利益を取りに来る。
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しかし私の提案する順位方式では違う。
メーカー自身が市場価格で販売する。
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市場が8万円と判断するなら、
購入順位を得るために必要な価格も8万円近辺になる。
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すると何が起きるだろうか。
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転売屋も8万円で買う。
一般購入者も8万円で買う。
メーカーも8万円で売る。
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その時点で、
転売利益はほぼ消えている。
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利益がなければ、
大量購入する意味もなくなる。
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つまり、
転売屋を排除するのではない。
転売屋が儲からない市場を作るのである。
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私はその方が自然だと思う。
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現在の制度は少し不思議だ。
メーカーは転売を問題視する。
しかし市場価格そのものは否定できない。
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実際には、
発売日になればオークションサイトやフリマサイトで価格が形成される。
需要が供給を上回る限り、
市場は勝手に価格を決める。
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つまり、
市場価格そのものは消えていないのである。
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消えていないどころか、
メーカーの手を離れた場所で決まっている。
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私はむしろ逆だと思う。
どうせ市場価格が生まれるのなら、
メーカー自身が管理した方が合理的ではないだろうか。
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メーカーが順位を管理する。
メーカーが販売を管理する。
メーカーが価格を把握する。
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そして利益もメーカーが受け取る。
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現在は、
メーカーが商品を作る。
メーカーが供給責任を負う。
メーカーがサポートを行う。
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しかし市場価格によって生まれた利益は、
転売市場に流れている。
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私はその方が不自然に見える。
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もちろん、
それでも少数の転売は残るだろう。
海外需要もある。
初回ロットを欲しがるコレクターもいる。
特殊な事情はいくらでも存在する。
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しかし現在のような、
定価と市場価格の大きな差によって生まれる大規模転売は成立しにくくなる。
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私は転売屋を悪者にしたいわけではない。
転売屋を排除したいわけでもない。
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ただ思うのである。
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転売屋対策を考えるより、
転売利益そのものが生まれない仕組みを考えた方が早いのではないか、と。




