第五章 抽選は公平ではない
第五章 抽選は公平ではない
ここまで読んで、
「だから抽選販売をしているのではないか」
と思った人もいるだろう。
現在、多くのゲーム機は抽選販売で売られている。
そして抽選は公平だと言われる。
しかし私は、その前提に疑問を持っている。
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供給100万台。
需要500万人。
この状況を考えてみる。
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この時点で400万人は買えない。
これはどんな販売方法を採用しても変わらない。
抽選でも。
先着順でも。
オークションでも。
結果は同じである。
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全員には行き渡らない。
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つまり問題は、
「誰が買えるか」
である。
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抽選は公平だと言われる。
しかし実際には、
欲しい人も、
転売目的の人も、
とりあえず応募した人も、
同じ一票を持つ。
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そこに欲しさの差は存在しない。
購入意欲の差も存在しない。
必要性の差も存在しない。
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あるのは運だけである。
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私はそれを公平だとは思わない。
平等ではある。
しかし公平ではない。
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本当に欲しい人が落選する。
発売日に遊びたい人が落選する。
一方で、
転売目的の人が当選することもある。
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そして現実に、
それは何度も起きている。
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抽選は欲しい人に商品を届ける仕組みではない。
当選した人に商品を届ける仕組みである。
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私は価格による選別だけを特別に悪いものだとは思わない。
なぜなら価格には意思が反映されるからだ。
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五万円なら欲しい人。
八万円でも欲しい人。
十万円でも欲しい人。
そこには明確な差が存在する。
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市場はその差を価格として表現する。
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一方で抽選は、
その差を全て無視する。
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もちろん価格にも欠点はある。
資金力のある人が有利になる。
その批判は理解できる。
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しかし抽選にも欠点はある。
運だけで決まる。
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どちらにも欠点があるのなら、
私は市場原理に従う方を選ぶ。
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少なくとも、
価格による選別だけを特別に不公平だと考える理由は見当たらない。
むしろ、
限られた商品を配分する方法としては、
最も単純で、
最も分かりやすく、
そして最も市場に正直な方法ではないだろうか。
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だから私は、
抽選ではなく価格を使うべきだと思っている。
そして、その具体的な方法が次章で述べるオークション方式である。




