第四章 定価と市場価格が分離している
第四章 定価と市場価格が分離している
私は転売問題の本質はここにあると思っている。
定価と市場価格が分離しているのである。
---
例えば、あるゲーム機のメーカー希望小売価格が5万円だったとする。
しかし発売直後、
フリマサイトや中古市場では8万円で取引されている。
この時、何が起きているのだろうか。
---
私は市場が答えを出しているのだと思う。
市場は、
「この商品には8万円の価値がある」
と言っている。
一方でメーカーは、
「5万円で売る」
と言っている。
---
つまり価格が二つ存在している。
メーカー価格と市場価格である。
そして両者は一致していない。
---
私はここに問題があると思っている。
---
需要が供給を上回れば価格は上がる。
これは市場の基本原理だ。
珍しい話ではない。
---
しかしゲーム機市場では、
市場が8万円と言っている商品を、
メーカーが5万円で売る。
すると3万円の価格差が生まれる。
---
そしてその差額が利益になる。
利益が生まれる以上、
それを取りに行く人が現れる。
当然のことである。
---
私はここで転売屋を責める気になれない。
転売屋が利益を作ったのではない。
利益が存在しているから集まってきただけだからだ。
---
よく、
「転売屋がいるから価格が上がる」
と言われる。
しかし私は逆だと思う。
価格差が存在するから転売屋が現れるのである。
---
もし市場価格とメーカー価格が同じならどうだろう。
利益は消える。
利益がなければ転売も成立しない。
---
つまり転売は原因ではない。
結果である。
---
私は転売屋に興味がない。
興味があるのは価格差である。
そして、その価格差を生み出している価格設定の方である。
---
市場価格が8万円なのに、
メーカーが5万円で売る。
その結果として転売が発生する。
私はそれを見て、
転売屋を責めるより先に、
「なぜ5万円なのか」
を考えるべきだと思う。
---
問題は転売屋ではない。
定価と市場価格の乖離である。
そして、その乖離こそが、
現在のゲーム機市場のあらゆる混乱の出発点なのではないだろうか。




