24 盤外の攻防
ーー話しかけられて驚く凪咲。
凪咲「ふぇ?措置率の意味?」
廊下で呼び止められ、たくさんの生徒たちに囲まれる凪咲。
「あ、清水!ちょうどよかった」
「昨日の討論のやつなんだけどさ、予算の既定経費化を見直すって言ってたじゃん?」
「あれって具体的にどういう意味?」
「あとやっぱり、措置率って何?」
「ちょっと難しかったけど、すごそうだったし」
ーー生徒たちの反応から、手応えを感じる桜と陽子。
桜「……来たね」
陽子「理解したい層が動き始めてる。」
期待の目で凪咲を見る生徒たち。
「簡単にでいいから教えてほしい」
「それでどれくらい変わるの?」
ーー集まってきた生徒たちを落ち着かせて、凪咲はゆっくり話し出す。
凪咲「既定経費っていうのは、毎年必要と決まってるお金のことだよ!例えば、「学園会の外交担当が他校との定期交流会に行くための交通費」とか「図書委員会の新刊図書購入費」とか。」
凪咲「これだけじゃないけど、ずーっとこれまで慣例的に予算がつけられてきたものに対して、本当にそれ必要?ということを精査することを言ってるの!」
ーー凪咲が放つ言葉をゆっくりと理解し始める周りの生徒たち。
凪咲「あと措置率っていうのは、例えば10万円の予算があるのに、1年間で3万円しか使わなかったら措置率が30%ということになる。このとき、今年はたまたま支出が少なかったのか、そもそも10万円もつける必要がない取組なのか、調べなければわからないでしょ?」
凪咲「これを分析して、その取組にどれくらいお金をつけるのが適切なのか。それをしっかりと考えるよ!ってことだよ。」
一瞬、周りの生徒たちが「おお…」という顔になる。
「……めっちゃ分かりやす」
「え、それなら余ってるお金もっと回せるってこと?」
「部活とかに来る可能性あるってこと!?」
ざわっと興味の温度が上がる。
桜「完全に刺さってるねー」
陽子「うん、今の説明完璧」
生徒たちがさらに前のめりになって凪咲に問う。
「じゃあさ、今まで余ってた分って結構あるの?」
「それって新しいイベントとかにも使えるの?」
「なんかさ……普通に良くない?それ」
「ちゃんと考えてる感じする」
「現実的だし」
陽子は凪咲を見ながら小さく声をかける。
陽子「……今の、政策が支持に変わった瞬間だよ」
桜「うん。もう“すごい人”じゃなくて——自分たちに関係ある人になってる」
周りの生徒たちの質問はまだ止まらない。
「清水さ、もし当選したらさ——いつくらいから変わるの?」
完全に、前提が当選後になり始めている空気。




