20 流れを制する応手Ⅲ
凪咲「その前に一つ言わせてください。今回の討論会は私に対する質問だけで、私からお二人に質問する機会が与えられませんでしたが、これは公平な討論会なのでしょうか。私はともかくとして、生徒の皆さんは、それで判断ができるのでしょうか?」
九条と一ノ瀬はいきなり矢面に立たされる。
凪咲「その点、選挙管理委員会の方いかがでしょう。」
会場が一瞬ざわつく。
「確かに…他の二人が何をやっていくのか、具体的に聞いてない…」
「清水さんが質問攻めにされてただけじゃない?」
台本に想定されていない状況に焦る選挙管理委員会。
池部「……ご指摘ありがとうございます。」
池部「本討論は時間配分の都合上、候補者間の相互質問は設けておりませんが——」
池部の言葉を聞き、生徒たちが声を上げる。
「え?初めから1年生候補を狙い撃ちにする討論会が計画されてたってこと?」
「それって、2年生候補のどちらかに投票を向けさせるためなの…」
咳払いをする池部
池部「えー、生徒の皆さんがより適切に判断できる機会を確保することは重要です。短時間ではありますが、相互質問の時間を設けます。」
会場がざわっと盛り上がる。
「おお…!」
「来た!」
池部「清水さん、どなたに質問しますか?」
壇上に生徒たちの視線が集まる。九条と一ノ瀬も静かに凪咲を見るーー
凪咲「お二人に質問します。答えたくない質問には、無理に答えていただかなくて結構です。」
息をのむ九条と一ノ瀬。
凪咲「1つ目の質問です。長年、生徒の間で渦巻いていた服装に関する校則の不満について、会長としてどのように向き合うつもりか。もし、改正に向けて動くということであれば、現学園会に所属していながらそれができなかった理由と改正に際してどのような点に注意すべきと考えるかを教えてください。」
凪咲「2つ目。学園予算の使われ方が効率的でないという指摘は多くの生徒から声が上がっています。これについてどのように対応するつもりかお答えください。」




