18 流れを制する応手
凪咲「分かりました。私としてはあくまで❜生徒あっての学園会❜という思想ですので、❜緩さ❜、❜続けられる❜という観点よりは、❜自己の成長❜、❜仲間と仕事をする喜び❜が学園生徒の満足度に直結するというやりがいに目を向けて仕事をしてもらいたいなと思っています。やる気があれば多少の不出来やミスはカバーし合える体制を整えているつもりです。」
会場に静かな納得の空気が広がる。
「……ああ」
「なるほど…」
一ノ瀬はわずかに目を細めるが柔らかく笑う。
一ノ瀬「……いい答えね。やりがいを軸にするってことか。確かに、それは人を動かす強い要素よ」
一拍おいて
一ノ瀬「でもね、やる気がある人はそれでいい。やる気が出ない人は?忙しい人、余裕がない人、自信がない人。そういう生徒も含めて“全体”よ」
一ノ瀬「あなたの組織は、そういう人たちを置いていかない?」
生徒の何人かがハッとした顔をする。桜と陽子は静かに話す
桜「……来たね。」
陽子「ここ答えられれば、かなり決まる。」
ーー全校の視線が凪咲に集中する。
凪咲「……正確にお答えしたいので、質問の趣旨について確認させてください。私はあくまで学園会の組織内部の話をしていたつもりで、生徒の関わり方はこれまで同様、自由で構わないと思っています。おっしゃっている❜やる気が出ない人❜というのは、どの立場の生徒のことをおっしゃっていますか?」
一ノ瀬、すぐに頷く。
一ノ瀬「私が言っているのは、学園会に関わる生徒全体。役員、委員、手伝いに入る生徒も含めてその中には当然、温度差がある。」
一ノ瀬「積極的に関わりたい人もいれば、頼まれたから仕方なくやっている人もいる。あなたの組織は、その“温度差”を前提にしている?」
静かに問いかける一ノ瀬。
一ノ瀬「それとも、やる気のある人を中心に回す?もし後者なら——関われない人、ついていけない人は、どうなるの?」
観客席が静まり返るーー
陽子「……来た、核心」
桜「ここ、分岐点だよ」
全員の視線が凪咲に集まる。




