第十三話 女子拳闘の話を掘り下げたら、美少女軍団の名前が出てきて、なんか心を読まれた気がしました
「……あ、ちなみにですね」
ペペが急に声を潜めた。
「私が女子拳闘で使ってたお金、あれ、完全に余剰資金ですから。奴隷解放用のお金は、ちゃんと別にコツコツと貯金していましたから。その点は誤解なきようお願いします」
そうキッパリと言い切ったペペは、ちょっとかっこよかった。
ギャンブルにドハマりしてるくせに、人生設計は抜かりなしってわけか。思ったより、しっかりしてる大人だったらしい。
「もっとも……女子拳闘で大勝ちしていれば、もっと早くに奴隷から解放されて、自由市民になっていたかもしれませんが」
ちょっと名残惜しそうに呟くペペの目は、ギャンブルで人生逆転を狙って散った者の眼差しだった。
「ところでさ、ペペはビアンカ拳闘団って知ってる?」
「ビアンカ拳闘団ですとッ?!」
ギン!と音がしそうなほど、ペペの目がギラリと輝いた。
「コウタくん、ビアンカ拳闘団をご存じなんですか?!」
「ま、まあ、最近ちょっと知り合ったというか、見かけたというか」
「なるほど、なるほどなるほどなるほど……ふむ、理解しました。コウタくんが突如として女子拳闘に興味を持ち始めた理由、ようやく納得がいきましたよ」
「えっ、なにが?」
「その最近知り合ったビアンカ拳闘団の女の子、すごく可愛いんでしょう?」
「うっ……!」
ズバァン!と心を射抜かれた気分だった。なにこの洞察力。名探偵かよ。
「ビアンカ拳闘団はですね、美少女揃いで有名なんですよ。はい、界隈では常識です。コウタくんがその子と知り合ったのは、街に買い出しにでも行ったときにでしょうか? そして、あまりに可愛い女の子だったから、気になって気になって、試合も見てみたくなった……と」
「ま、まぁ……そんなところかな……」
正直に話しても良かった。
けど、やっぱりなんか恥ずかしくて、俺は目を逸らしながら、曖昧にごまかしてしまった。
「ふふふ、いいですねえ、わかります。わかりますよぉ~」
そんな俺の様子を見て、ペペは含み笑いを浮かべながらにうなずいていた。
今日のペペ、なんか怖いんですけど。




