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【番外】サイガの憂鬱

サイガ目線です(∩´∀`)∩

誤字すいません!!都度読み返して修正いたしますm(_ _)m


サイガ目線

*-------------------------------------*

俺の主は、夏陽国かようこくの国王、軍事国家最大当主。名前は雷覇らいは

雷覇らいはは俺の幼馴染だ。小さい頃から親同士で仲が良く、よく一緒に遊んで育った。

俺から見た雷覇らいはは、とにかく真っ直ぐで曲がることを知らない。

適当に力を抜けばいいところも常に全力で取り組む。

一度はまってしまったものにはとことんこだわりを見せる。

まぁ…。とにかくめんどくさいやつだった。


雷覇らいはは将来、夏陽国かようこくの国王になることが決まっていた。

俺はその従者として雷覇らいはを支えるために、ありとあらゆるい知識を詰め込まれた。

雷覇らいはは10歳の頃に剣術に目覚め、その後は毎日飽きることなく鍛錬を重ねている。

学術よりも、武術の方が得意でよく授業をサボっては先生に怒られていた。

因みに俺も一緒に。本当なら俺が引き留めて諫めるべきだが

一度言い出すと聞かない性分の雷覇らいはを、とめることは俺にはできなかった。


小さい頃は俺と、雷覇らいは水覇すいは、それに兄貴のムツリの

4人でよくつるんでいた。

だんだん歳を重ねるについて、戦場へ行くことが増えた。

4人一緒に過ごす時間がすくなくなり、次第に俺と雷覇らいは

いることが多くなった。


雷覇らいは!お前また女の子にフラれたのか?」


「ああ。ちょっと連絡をしなかったら他に好きな男ができたと言われた」


剣を磨きながら淡々と話す雷覇らいは

もう今年で何人目だ?フラれるの…。


「もうちょっとマメに連絡しろよ~。女の子はマメな男が好きなんだぞ?」


「別に好きで付き合ったわけじゃない。向こうがどうしてもって言うから付き合ったんだ」


「いやいや。それでも、付き合ったんなら誠意をつくしてやれよ」


「そんな事…どうして俺がする必要がある?」


ギロリと雷覇らいはに睨まれた。

何で俺が怒られている感じになってんだ?

15歳を過ぎたあたりから雷覇らいはは、剣術や戦にのめり込む様になった。

そうして数々の戦場で武勲を上げ、3年後には銀獅子ぎんししの異名をとるようにまでになる。

実力もあって顔もいいのに…。もったないよな~。選り取り見取りじゃん。

女の子と遊ぶ楽しさ知らないなんて。損してるよね~。

まっ。俺には関係ないけど!!


俺も雷覇らいはといるうちに、鉾の戦い方を身に着け実力をつけて行った。

あいつについていくには相当の強さが必要だった。

戦では率先して先陣を切り、敵の懐に飛び込んでいく。

狙った獲物は決して逃さない。必ず敵の大将を取っていた。

戦場での雷覇らいははとても生き生きとしていた。

まるで少年のように目を輝かせて戦っていた。それが戦争が終わるとたんに

その光を失う。どんなに可愛くて綺麗な女の子に言い寄られても

全く関心を示さない。前になぜか聞いたことがあった。


雷覇らいは!この前の女の子と、今の女の子どっちが可愛いと思う?」


「別に…。どれも同じに見えて違いが分らない…」


ぶっきらぼうに返された。いやいや!全然違うだろ!!

明らかに可愛い系と綺麗系で顔つきや髪形も違う。それなのに雷覇らいはには同じに見える。

全く女の子に興味がないようだった。

それよりも、いかに強くなるか?どんな戦術があるのか?

そんな事ばかり考えていた。


「お前…。そんな事で人生楽しいのか?」


俺はふと、疑問に思って聞いたことがある。


「楽しいさ。ただ…。戦場以上に楽しいと思えるものがないんだ…」


遠くを見つめながらそう呟いた雷覇らいははどこか寂しそうに見えた。

真っ直ぐで、とにかく突っ走る…。曲がることを知らない。

誰とも分かち合おうとせず、ただひたすら国を守ることに心血を注ぐ毎日…。

一生こいつは一人で生きていくんだろうか?

その時の俺は時々、そんなことを考えていた。


そんな雷覇らいはがある日を境に豹変する。

秋唐国しゅうとうこくの第一王女、怜彬れいりん殿を好きなってからだ。

元々は炎覇えんは殿の妻であった彼女を献身的に支えていたが

ある日突然、結婚すると言い出した。青天の霹靂だった。


「はっ?!結婚?何言ってんだ雷覇らいは!」


「だから、怜彬れいりんと結婚する、これから会いに行く」


止める間もなく、秋唐国しゅうとうこくへ行く雷覇らいは

ちょうど水覇すいは殿が不在で、強く止めれる人が誰もいない状態だった。

絶対に狙ってやっている…。確信犯だった。

聞けば4年前から好きだったらしい…。ちょうど怜彬れいりん殿が

炎覇えんは殿と結婚していた時期だった。

まじか…。ずっと片思いをし、父親の喪が明けたタイミングで結婚を申し出るつもりが

タイミングが合わず、4年越しのプロポーズ。どんだけの執念だよ。

本当にキモイ…。この時心底思った。


そこからは毎日が目まぐるしく変わっていった。

気持ち悪いほど怜彬れいりん殿に執着する雷覇らいは

変わりすぎて逆に面白かった。今までの雷覇らいはとは別人だったからだ。


彼女の何がそこまであいつを引き付けるのか…。

俺には全く理解できなかった。どちらかと言えば俺は怜彬れいりん殿の

侍女のリンリンの方がタイプだった。

ひたむきに怜彬れいりん殿に尽くす彼女の姿はとても眩しく見えた。

雷覇らいはの事を教えて欲しいと言われた時は正直焦った。

思わず好きなのか?と聞いてしまった。すっげぇ恥ずかしかった…。

リンリンには意味が分からないと言った顔をされてしまった。



今までまともに女性と付き合ってこなかった雷覇らいは

案の定、お門違いなアピールをし怜彬れいりん殿を困らせる。

怜彬れいりん殿からは熱量が凄すぎて内容が伝わってこない。

ストレートに好きと言われた方が良いとまで言われる様だ。

これには大笑いした。雷覇らいはにそこまで言えるのは怜彬れいりん殿くらいだろう。

…。あと水覇すいは殿か…。


本当に怜彬れいりん殿は、凄い女性!としか言いようがない。

あの雷覇らいはの猛アピールを受けてもびくともしない。

照れてはいるだろうが、決して雷覇らいはに媚びることをしない。

強い女性だと思った。雷覇らいはがのめり込むのも無理はない。

どんなに雷覇らいはがどれだけ欲しても決して、芯の部分は流されはしていなかった。

あとは凄い天然だ。前に怜彬れいりん殿に言われてびっくりしたことがある。


「サイガ!一生のお願いがあるんだけど!」


可愛いポーズでお願いをしてくる。怜彬れいりん殿。

雷覇らいはに見られたら絶対に後からキレられるだろうな…。


「何ですか?お姫様」


「サイガの頭触ってもいいかしら?もうすっごくモフモフしてて触ってみたいの!!」


この時は正直驚いた。

何でも俺の髪の毛が犬の毛のようでモフモフしていそうだから、触らせてほしいそうだ。

本当に凄い人だと思った。誰に対しても分け隔てなく接し、いつも笑顔で明るい。

雷覇らいははよく天使だとか、女神だとか言っているけど

俺から見れば、天真爛漫な女の子にしか見えなかった。


だから…。惹かれるのか…。

雷覇らいはがあそこまで入れ込むのが少しわかった気がした。

怜彬れいりん殿は雷覇らいはにはない明るさを持っている。


雷覇らいはが抱えていた寂しさを拭っているのかもしれなかった。

まぁ…。両想いになるには程遠いが…。

怜彬れいりん殿もよく付き合ってやってるよな~。

俺が女なら絶対にやだね!あんな自分勝手で、周りも見ずに体当たりしてくるやつ…。

しかも焼きもちはやくは、独占欲は強いわ…。

怜彬れいりん殿は雷覇らいはのどこが一体いいんだろうか…?

全くもって理解できない。まぁ人の好みはそれぞれだが。


雷覇らいはが好き勝手に動きまわるから俺は後処理で大変だ。

ろくに休みもない。リンリンをデートに誘いたいけど誘えない。

全くもって憂鬱だ。この借りは絶対に返してもらう!

水覇すいは殿と同じように長期休暇とってやる!!


まっそれまでは、俺が傍で見守ってやるよ!

雷覇らいはがこの先、怜彬れいりん殿とどうなるか

果たして、本当に結婚できるのか…?本当に見ものだからな!!


まぁ、もしフラれたら大笑いして励ましてやろう!

そして朝まで酒を飲むのにとことん付き合ってやろう。

雷覇らいはとここまで仲がいいのは俺くらいだからな!


*-------------------------------------*

最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

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