↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/198

70.必要なもの


お城を飛び出して1週間。ようやくマーリンの許可も出たため

雷覇《らいは》の所へ戻ることになった。

本当に2人には感謝だわ!!わたしの為に時間とってくれたんだから…。

マーリンに至っては、滞在期間を延長して残ってくれていた。

本当にありがとう!!マーリン!!


お城に着くとムツリが出迎えてくれた。


「お待ちしておりました。怜彬《れいりん》様。雷覇《らいは》様は応接室にいらっしゃいます」


「ただいま。ムツリ。長い間留守にしてしまってごめんなさい…」


「いいえ!怜彬《れいりん》様は何も悪くありません!全て雷覇《らいは》様が悪いのです」


ズバっとムツリが言い切る。これはそうとう怒られたんだろうな…。雷覇《らいは》。


「ありがとう。さっそく雷覇《らいは》のところへ行くわ!できれば2人で話をしたんだけど…」


「かしこまりました。お2人で話ができるように致します」


「助かるわ!」


応接室の前でわたしはマーリンと、黒綾《こくりょう》殿と別れた。

2人とも頑張ってと応援してくれた!

よし!!雷覇《らいは》とちゃんと会話しよう!

それが今日のわたしの目標だった。


わたしはドキドキしながらノックする。


「どうぞ」


扉の向こうで雷覇《らいは》の声がした。

久しぶりに聞く彼の声だった。


「…。雷覇《らいは》殿。ただいま戻りました」


「怜彬《れいりん》…」


雷覇《らいは》が車椅子でこちらに向かってくる。

あれ?なんか足の固定が凄くなってない?

わたしは思わず足に目が行ってしまった。


「怜彬《れいりん》。ほんとうにすまない!俺が悪かった!」


張り詰めた声で雷覇《らいは》が頭を下げながら謝罪する。


「雷覇《らいは》殿。本当にわたし怒ってるんですからね!!」


わたしは腕を組みながら強めに言った。

もう許しているけど、ここで甘い顔をしたらまた同じことになるもんね!


「怜彬《れいりん》が怒って当然の事をした。本当なら…。婚約破棄されても仕方ないと思っている」


苦しそうに顔を歪めながら雷覇《らいは》が話し出す。

うーん。さすがに婚約破棄までは思わなかったけど…。


「本当に反省してますか?わたしがあの時どう思ったかわかりますか?」


「…。俺なりに考えた…。いつも自分の事ばかりで怜彬《れいりん》の気持ちを汲んでなかった。すごく、恥ずかしい思いをさせたとおもう…」


おお!やっとわたしの気持ちを考える気になったのね。

よしよし。ちゃんと反省してそうね!!


「そうです。あの時は非公式とはいえ仕事の話をするために、皆に集まって貰ってました。それなのにあんな事をして…。本当に嫌でした…」


「すまない…」


「もう絶対あんなことしないって誓えますか?」


わたしは膝を曲げて、雷覇《らいは》の目線に合わせた。

ちゃんと彼の目を真正面から見たかった。


「しない。もう絶対に!」


雷覇《らいは》も真っ直ぐにわたしを見つめる。

凄く真剣なことはよく分かった。


「だったら、許します!条件付きですけど!」


わたしはニコッと笑って返事をした。

ここからが大事なところですよ~!!


「わかった!全て怜彬《れいりん》の言うとおりにする」


「じゃあさっそく伝えますね!」


そう言いながら私は応接室の椅子に座った。

雷覇《らいは》は横で少し距離を空けて座っている。

うん。うん。ちゃんとお利口にできてるわね!!


「雷覇《らいは》殿にお願いする条件は2つです。1つは婚約期間を3年に延長してください」


「わかった」


「…。意外とあっさりですね…」


「婚約破棄されるよりましだ。怜彬《れいりん》の婚約者でいられるなら嬉しい」


「わかりました。2つ目は、ちゃんとわたしと話をしてください…」


わたしは雷覇《らいは》の手を握って伝えた。


「怜彬《れいりん》…。本当にそんな事でいいのか…?」


雷覇《らいは》はいきなりお水を掛けられたみたいにびっくりした顔をしていた。

いったいわたしがどんな条件を言うと思ってたのかしら?


「今回の事で思ったの…。わたし達に足りないものは会話じゃないかって…」


雷覇《らいは》が手を握り返してくれる。


「俺も同じことを考えていた…。俺はいつも自分の事ばかりで怜彬《れいりん》の事を知ろうとしていなかったって…」


「雷覇《らいは》殿も?」


「ああ。怜彬《れいりん》に自分の気持ちを伝えることに必死になって、君がこの4年間どうすごしていたのか?どんな気持ちでいたのか…。全く考えていない事に気が付いたんだ」


「そうね…。雷覇《らいは》殿はいつもわたしが話す前にスキンシップが凄いから…」


「本当にすまない…。これからはちゃんと怜彬《れいりん》の話を聞くしスキンシップも控える。だから嫌いとか…言わないでくれ…」


ぐっと手を握って乞うようにわたしを見てくる…。

雷覇《らいは》なりにちゃんとわたしの事を考えてくれたことが嬉しかった。


「わかったわ…。あの時はカッとなってごめんなさい。ほっぺも痛いでしょう?」


わたしは雷覇《らいは》の頬に触れた。

まだ少し赤くなっていた。

思いっきり引っぱたいたもんな~。


「これくらいどうってことない。怜彬《れいりん》の気持ちに比べたら…」


「じゃあ…。これからはいっぱい話をしてね…わたしもちゃんと伝えるから」


「ああ。ちゃんと怜彬《れいりん》の話を聞くよ…戻ってきてくれてありがとう。怜彬《れいりん》…」


「ただいま!雷覇《らいは》殿!」


そう言ってわたしは雷覇《らいは》をぎゅっと抱きしめた。

いつもの雷覇《らいは》の香りがした…。

雷覇《らいは》もそっとわたしを抱きしめてくれる。

とっても懐かしい感じがした。1週間しか離れてなかったのに…。


「そういえば…。足の怪我どうしたの?酷くなってない?」


「ああ。また足の骨にヒビが入ってしまった…」


とっても申し訳なさそうに雷覇《らいは》が言った。


「ええ!!またヒビが入ったの!!もう~。せっかく治りかけてたのに」


「面目ない。あの時とっさに立ったのがまずかった…。医者にも怒られたよ」


「当り前よ!雷覇《らいは》殿は国王なのよ?いつまでも車椅子生活するわけにはいかないのに!!」


「う…。ごめんなさい…」


俯いてしょんぼりする雷覇《らいは》。

こういうわんこ雷覇《らいは》になるところはかわいいのに…。

なんで、いっつも本能的にうごくかな~。


「しばらくは安静にしてね!!絶対に無理しないでね!」


「はい。わかりました…」


「よしよし。わかってるならいいの」


そう言いながらわたしは雷覇《らいは》の頭をなでなでした。


「怜彬《れいりん》…」


「なあに?」


「雷覇《らいは》殿呼びはいつまでだ…?」


あ…。やっぱり気にしてたのね!


「うーん。あと1ヶ月かな?」


「そんなに!!ちょっと…長くないか…」


愕然とした顔で雷覇《らいは》に言われた。


「ダメよ!人前ではしないって約束やぶったの雷覇《らいは》殿なのよ?なんなら、ずっと雷覇《らいは》殿って呼んでもいいんだから!」


「わかりました。1ヶ月でいいです…すいません…」


「わかればいいの」


ふふふ。今回の事も無駄にはならないわね!

ちゃんと話もしてくれるって言っているし…。

雷覇《らいは》もスキンシップを控えてくれるし。

いい感じで収まってよかったわ!!


「じゃあ、怜彬《れいりん》。さっそく君の話を聞かせてくれ」


「ええ。いいわよ。何が聞きたいの?」


そのあとしばらく2人でたくさんの話をした。

雷覇《らいは》の子供の時の事、わたしがこの4年間何を感じていたのか。

はじめてちゃんと話をしたと思う…。

彼の事がたくさん知れて嬉しい。

これからも、沢山話をしようと思った。


最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

ブックマークしてくださった方ありがとうございます!!

ちょっとでもいいなと思ったら、

広告の下の☆☆にぽちりしていただけると嬉しいです(#^.^#)

感想・ご意見お待ちしております!(^^)!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。