↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
48/51

第47話「絶望の東方戦線。〜魔法が効かない魔族の軍勢に、成層圏から『神の杖(タングステン落下)』を落としてみた〜」

東方神国の国境線。

そこは今、絶望に支配されていた。


「ぐはぁっ……! ダメだ、我らの陰陽術(魔法)が全く通じぬ!」

「なんという硬い結界だ……! 侍の刀も弾かれるぞ!」


東方神国が誇る防衛隊は、押し寄せる異形の軍勢――『魔王軍・先遣隊』の前に総崩れとなっていた。

魔族たちの周囲には、薄闇色の『絶対魔力障壁』が張られている。炎を放っても、氷の刃を飛ばしても、障壁に触れた瞬間に霧散してしまうのだ。


「ギャハハハッ! 愚かな人間どもめ! 我ら高位魔族に、下等な魔力攻撃など一切通じぬわ!」

「さあ、このまま結界を押し破り、東方の神国を蹂躙してやろうぞ!」


数千に及ぶ魔族の軍勢が、勝利を確信して下卑た笑い声を上げる。

傷ついた侍たちが歯を食いしばり、死を覚悟した――その時だった。


『――目標座標、固定完了。これより上空一万メートルからの【自由落下】を開始する』


どこからともなく、冷徹で落ち着いた少年の声が戦場に響き渡った。


◆ ◆ ◆


時間を少しだけ遡る。

サクヤから「白米と醤油」を条件に魔族討伐の依頼を受けた俺は、空中要塞の高度を成層圏ギリギリ(上空約一万メートル)まで上昇させ、国境の真上に陣取っていた。


「お兄ちゃん、あそこに黒くて悪い奴らがいーっぱいいるよ!」

「ああ。だがサクヤの言う通り、厄介な魔力障壁を張っているな。普通の魔法じゃ弾かれるだろう」


俺は要塞のコントロールルームから眼下の軍勢を見下ろしながら、右手をスッと前に突き出した。


「【土魔法・元素抽出】――『タングステン』」


俺の手の先に、銀灰色に鈍く光る巨大な金属の柱が錬成された。

長さ約十メートル、直径一メートル。

地球上で最も融点が高く、極めて密度の高い(重い)金属である「タングステン」の巨大な杭だ。


「レ、レン様……? その重そうな鉄の柱で、どうするおつもりですか?」

クレアが不思議そうに首を傾げる。


「落とすだけだよ」

「……え?」


「前世の宇宙兵器の構想に『神の杖』というものがあってな。運動エネルギーは『質量×速度の二乗』に比例する。重いものを、ただメチャクチャ高いところから落とす。それだけで、魔法なんかよりよっぽどエグい破壊力が生まれるんだ」


要は、物理学だ。

魔力障壁は「魔力」を感知して防ぐ。ならば、魔力を一切帯びていない純粋な「質量と重力」ならどうなるか。


俺は狙いを定め、巨大なタングステンの杭を要塞の底面から切り離した。


「いってらっしゃい」


◆ ◆ ◆


再び、東方神国の国境線。

勝利を確信して進軍していた魔族たちが、ふと空を見上げた。


「ん……? なんだ、空から何かが降ってくるぞ?」

「ギャハハ! 人間の姑息な魔法か! 構わん、我らの障壁で弾き返して……」


ヒュオォォォォォォォォォォッ!!!


それは、空気を引き裂く不気味な風切り音と共にやってきた。

マッハを超える速度で落下してきたタングステンの杭は、大気との摩擦で赤熱し、まるで天から降り注ぐ流星のようだった。


そして、巨大な杭が魔族の『絶対魔力障壁』に直撃した瞬間。


ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!


障壁は何の抵抗もできずに紙屑のように粉砕され、大地に突き刺さった杭の莫大な運動エネルギーが、隕石衝突に匹敵する衝撃波となって弾け飛んだ。


「ぎゃああああああああっ!?」

「ば、ばかなっ……まほう、じゃない……これは、ただの……ぶつり……!?」


魔力による防御を一切無視した純粋な「物理エネルギー」と、衝突によって生じた超高熱。

数千いた魔族の先遣隊は、悲鳴を上げる間もなく、たった一本の金属の杭によって文字通り「蒸発」して消え去った。


「な、なんだ……!? いったい、何が起きたのだ……!?」


巻き込まれないよう安全圏に着弾させたため、東方神国の侍たちは無傷だったが、目の前にポッカリと空いた巨大なクレーターを見て全員が腰を抜かしていた。


「――お待たせ。どうやら、魔力障壁とやらは『質量攻撃』には対応していなかったみたいだな」


砂煙が晴れたクレーターの中心。

空からゆっくりと【風魔法】で舞い降りてきた俺は、呆然とする人間たちと、後方に控えていた魔族の残党に向かってニヤリと笑いかけた。


さあ、残りの魔族もサクッと片付けて、早く美味い白米を食べに行こうか。


お読みいただきありがとうございます!


「魔法が効かない? じゃあ物理(運動エネルギー)で殴るね」

理系チートの真骨頂、宇宙兵器『神の杖』の再現です! 魔力を一切使わずにただ「重いものを高いところから落とすだけ」なので、魔力障壁を貫通して魔族を一方的に粉砕してしまいました。


「スカッとした!」「物理学最強!」と思っていただけましたら、

ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、レンたちの無双を応援していただけると励みになります!

ブックマークも合わせてよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。