第41話「要塞の屋上に『超巨大な流れるプール』を錬成してみた。〜Aランク魔牛の特製練乳がけカキ氷で、真夏のスローライフを満喫する〜」
季節はいよいよ夏本番。
いくら高度数千メートルを飛ぶ空中要塞とはいえ、真上の太陽から照りつける日差しは強烈になってきた。
「あつぅい……。お兄ちゃん、シッポがもふもふだから、すっごく暑いよぉ……」
「シロちゃん、冷たいお水でも飲みますか? ふぅ……少し風が欲しいですね」
リビングの冷風魔道具の前に陣取り、シロとクレアがぐったりとしている。
いくら室内を冷やしても、夏ならではの「遊び」がないとスローライフとしては少し退屈だ。
「よし。せっかくの夏だ、今日は要塞の屋上を丸ごと『水遊び場』に改造しよう」
「水遊び……? 前に行った、海みたいなところですか?」
「ああ。でも今回は、わざわざ出かけなくても家の中で遊べるようにする」
俺は二人を連れて要塞の広大な屋上に出ると、大地(岩盤)に両手をついた。
イメージするのは、前世の記憶にあるレジャー施設の巨大プールだ。
「【土魔法・構造拡張】からの、【石英抽出】!」
ゴゴゴゴォォッ!
要塞の屋上が波打ち、外周に沿って巨大なドーナツ状の溝が形成される。さらに岩石から不純物を取り除き、プールの底と壁面を、太陽の光を反射してキラキラと輝く純白の石英のタイルでコーティングした。
「あとは水だな。水魔法の魔石と、推進力の風の魔石をポンプの要領で組み合わせて……よし」
ドーナツ状の巨大なプールに、澄み切った綺麗な水が勢いよく注ぎ込まれていく。
風の魔石が生み出す水流によって、水は一定の方向にぐるぐると回り始めた。異世界初『超巨大・流れるウォーターパーク』の完成である。
「わぁぁぁっ! お水が! お水が勝手にぐるぐる回ってるよーっ!」
シロが狐の耳をピンと立てて大興奮している。
「二人とも、キャンピングカーの中に着替えを用意してあるぞ」
「はいっ! 行きましょう、シロちゃん!」
数分後。
クレアは以前無人島で作った、清楚な水色のフリル水着姿で。
そしてシロは、俺が新しく錬成した「真っ白なワンピースタイプの水着(シッポ用の穴と、防水加工済み)」を着て、元気よく屋上に飛び出してきた。
「お兄ちゃん、見て見て! 可愛い?」
「ああ、すごく似合ってるぞ。ほら、浮き輪だ」
俺はクラーケンの素材で作った浮き輪をシロに被せ、一緒に流れるプールへと飛び込んだ。
「冷たくて気持ちいい〜っ! お水が勝手に運んでくれるから、泳げなくてもすっごく楽しいよぉ!」
「ふふっ、本当に不思議なプールですね。ああっ、レン様! お水をかけないでください〜っ!」
俺たち三人は、透き通る水の中で水を掛け合ったり、浮き輪でプカプカと流されたりして、時間を忘れて真夏のリゾートを満喫した。
ちなみに、ガンダルも特大の浮き輪に乗って「極楽じゃわい〜」とビール(似の麦酒)を飲みながら流れていったのは言うまでもない。
◆ ◆ ◆
数時間後。
すっかり遊び疲れた俺たちは、パラソルの下のデッキチェアで休憩をとっていた。
「いっぱい遊んだら、お腹すいちゃった」
「よし、それじゃあ夏限定の『冷たいおやつ』を作るか」
俺は冷蔵庫の動力源である『氷牙竜の魔石』から、不純物ゼロの純氷のブロックを作り出した。
それを、ガンダルに打たせたチタン製の「極薄カンナ」を使って、シャクシャクと器に削り出していく。空気をたっぷり含んだ氷は、まるで新雪のようにフワフワだ。
「氷……ですか? この前のアイスクリームとは違うんですか?」
「ああ。こいつの主役は『シロップ』だ」
俺は山盛りのフワフワ氷に、南国フルーツを絞った濃厚な果汁シロップをたっぷりとかける。
そして最後に、Aランク魔獣アウム・カウの極上ミルクに砂糖を加えてじっくりと煮詰めた、特製の『濃厚練乳』をこれでもかと回しかけた。
「自家製フルーツ練乳の『カキ氷』だ。溶けないうちに食え」
「いただきまーす! ……あむっ」
シロがスプーンで山盛りの氷をすくい、口に入れた瞬間。
ポンッ! とキツネ耳が跳ね上がり、シッポがブルンブルンと扇風機のように回り始めた。
「ひゃぁぁぁっ! 冷たいっ! なのにフワフワでお口の中ですぐにいなくなっちゃう! 甘いミルクとフルーツの味がすっごく美味しいーっ!」
「本当です……っ! 氷なのに全然頭が痛くなりませんし、この濃厚なミルクの甘さが、遊び疲れた体に染み渡りますぅ……っ!」
二人は目をキラキラさせながら、フワフワのカキ氷を夢中で頬張っている。
照りつける真夏の太陽の下、自分たちだけの専用ウォーターパークで冷たいカキ氷をかきこむ。
元の世界でも滅多に味わえないような至れり尽くせりの極上バカンスを、俺たちは異世界の空の上で心ゆくまで堪能するのだった。
お読みいただきありがとうございます!
「真夏日? じゃあ要塞の屋上を流れるプールにしよう」
というわけで、夏全開の水遊び回でした!
クレアとシロちゃんの可愛い水着姿に、Aランク魔牛のミルクをコトコト煮詰めた極上の特製練乳カキ氷。最高の夏休みですね(笑)。
【★読者の皆様へ特大のお願い★】
現在、本作は「小説家になろう」で開催中の大型コンテスト
『第2回BK小説大賞』および『第1回ブシロードワークス小説大賞』にエントリーしております!
「流れるプールうらやましい!」「特製練乳のカキ氷食べたい!」と少しでも楽しんでいただけましたら、
どうか、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけないでしょうか!
(あわせてブックマーク登録もしていただけると、コンテストを戦う最強の武器になります!)
皆様のポチッという応援が、執筆の最大のエネルギーです。
引き続き、よろしくお願いいたします!




