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第37話「ドワーフ特製の『ミスリル製三輪車』がオーバースペックすぎた件。〜おやつに極上のアイスクリームを作ったら、狐っ娘のシッポが千切れそうなほど揺れていた〜」

「お兄ちゃん、お姉ちゃん! 見て見てーっ!!」


要塞の庭(先日増築した牧場エリア)に、シロの元気な声が響き渡った。

俺とクレアがテラスから見下ろすと、シロが銀色に輝く小さな乗り物にまたがり、芝生の上を猛スピードで駆け回っていた。


「きゅぃぃぃぃぃんっ!」という、明らかに三輪車から鳴ってはいけないモーター音を響かせながら。


「おい、ガンダル。あれはどう見ても普通の三輪車じゃないだろ」

俺は隣で鼻高々に腕を組んでいるドワーフの老鍛冶師にジト目を向けた。


「ふはははっ! レン様がキャンピングカーに積んでいた『モーター駆動』の構造を、ワシなりに再現してみましてな! ミスリル製の超軽量ボディに、風と雷の魔石を組み込んだ『魔力アシスト機能付き・極大三輪車』ですじゃ!」

「三輪車にアシスト機能つけるな。スピードが出すぎて危ないだろ」

「ご安心を! レン様が開発した電磁サスペンションと、衝突防止の結界魔法も完備しておりますぞ! ほれ、シロちゃん! もっとペダルを回すのじゃーっ!」


「わーいっ! すっごく速いよーっ!」


シロが楽しそうにペダルを漕ぐと、三輪車はドリフトしながら牧場エリアを爆走していく。

Aランク魔獣である神牛アウム・カウが、猛スピードで走り抜けるミスリル三輪車を見て「モォ……?」とビビり散らして隅っこに避難していた。


「まあ、本人が楽しそうだからいいか……」

「ふふっ。シロちゃん、本当に嬉しそうですね。あんなに元気に遊んでいたら、すぐにお腹が空いちゃいそうです」


クレアの言葉を聞いて、俺はポンと手を打った。

「そうだな。じゃあ、遊んだ後のおやつを作るか」


俺はキッチンに向かい、昨日絞ったばかりの『神牛のミルク』と、錬成しておいた砂糖、そして卵黄を用意した。

さらに、冷蔵庫の動力源として使っている『氷牙竜の魔石』を取り出す。


「おやつ、ですか? もしかしてまた、チーズの乗ったパンケーキでしょうか?」

「いや、今日はもっと冷たくて甘いやつだ」


俺はボウルにミルクと砂糖、卵黄を入れ、泡立て器でしっかりと混ぜ合わせる。

そして、一回り大きな別のボウルに氷の魔石で大量の氷を作り出し、そこに塩をたっぷりと振りかけた。


「土魔法の本質は、物質のことわりの理解だ」


氷に塩を混ぜると、氷が溶ける時に周囲の熱を奪う現象(凝固点降下)が起き、温度がマイナス20度近くまで急激に下がる。

俺はそのキンキンに冷えた氷のボウルの上に、先ほどのミルク液の入ったボウルを重ね、さらにシャカシャカと空気を含ませながら混ぜ続けた。


数分後。

液状だったミルクは、氷点下の冷気と混ざり合い、フワフワで滑らかな白い固まりへと変化した。


「よし、異世界初『バニラ(似の香辛料入り)アイスクリーム』の完成だ」


「れ、レン様……! ミルクが真っ白な雪みたいに固まりました!」

クレアが目を輝かせているところへ、遊び疲れて汗をかいたシロがテラスに戻ってきた。


「はふぅ……お兄ちゃん、お姉ちゃん、ただいまぁ。すっごく楽しかったよ!」

「おかえり、シロ。ほら、冷たいおやつができたぞ」


俺は木製の器に丸くすくったアイスクリームを盛り付け、三人の前に並べた。


「わぁ……真っ白! これ、雪?」

シロが不思議そうにスプーンですくい、小さな口へと運ぶ。


その瞬間。

ポンッ! とシロの狐耳が跳ね上がり、背中のモフモフのシッポが「ブルンブルンブルンッ!!」と千切れそうなほどの勢いで揺れ始めた。


「つ、冷たい! なのにすっごく甘くて、お口の中でとろけちゃうの! お兄ちゃん、これすっごく美味しいーっ!!」

「はわぁぁ……っ! ミルクの濃厚なコクがあるのに、冷たくてスッキリしていますぅ……っ!」

「なんじゃこりゃあぁぁっ! 汗をかいた体に、この甘さと冷たさが五臓六腑に染み渡るわい!!」


シロだけでなく、クレアもガンダルも、目を丸くしてアイスクリームを頬張っている。

Aランク魔獣の極上ミルクで作ったアイスクリームだ。市販の高級アイスすら凌駕する圧倒的な旨味と滑らかさに仕上がっている。


「ゆっくり食えよ。頭がキーンとするからな」

「はーい! んふふぅ、私、お兄ちゃんのお家にこられて、本当に本当に幸せ!」


満面の笑みでアイスを食べる妹(狐っ娘)と、優しく微笑む婚約者(元公爵令嬢)、そしてアイスにがっつくドワーフの爺さん。

チート級の魔法で作り出した最強の拠点は、美味しいご飯と家族の笑顔に包まれ、今日も平和なスローライフの時を刻んでいくのだった。



お読みいただきありがとうございます!


「三輪車に魔力アシスト機能(笑)」

ガンダル爺さんの愛が重すぎて、シロちゃんの三輪車が爆速仕様になってしまいました。

そして、おやつは手作りのアイスクリーム! 凝固点降下という理系の知識を使った、夏にぴったりの極上スイーツです。


【★読者の皆様へ特大のお願い★】

現在、本作は「小説家になろう」で開催中の大型コンテスト

『第2回BK小説大賞』および『第1回ブシロードワークス小説大賞』にエントリーしております!


「シロちゃん可愛すぎる!」「アイス食べたい!」と少しでも楽しんでいただけましたら、


どうか、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけないでしょうか!

(あわせてブックマーク登録もしていただけると、コンテストを戦う最強の武器になります!)


皆様のポチッという応援が、執筆の最大のエネルギーです。

引き続き、よろしくお願いいたします!


▼次回予告

空中要塞の生活は完璧。でも、「あれ? シロちゃんのおもちゃや絵本が足りなくない?」

ということで、可愛い妹のために、久しぶりに地上の街へ「お買いショッピング」へお出かけ!

キャンピングカーに乗って、迷宮都市の商業区へ繰り出します!

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