13話 『食堂の騒動』
食堂が一段と静かになった。離れた席ではまだ話し声が続いているが、この周囲だけは誰も声を発していない。
「制服の洗浄に、そのような金額が必要なはずありませんわ」
「誰が洗浄代だって言った?」
「では、何の金額ですの」
「制服を汚された迷惑料だよ」
鷹宮は当然のように答えた。女子生徒の頬が引きつる。
「そのような要求が通ると、本気で思っていらっしゃるの?」
「通すんだよ」
「支払うわけがありませんわ」
「じゃあ、どうすんだ」
「どうもしません。これ以上、お話しすることもありませんわ」
女子生徒はそう言い切ると、床に落ちた鞄へ手を伸ばした。そのまま立ち去るつもりらしい。
だが、鷹宮の取り巻きの一人が横へ動き、通路を塞いだ。女子生徒が顔を上げる。
「退いてくださいませ」
取り巻きは動かなかった。
「聞こえませんでしたの?」
「鷹宮さんとの話、まだ終わってないんで」
「わたくしは終わったと言っています」
「鷹宮さんは終わったって言ってないっすよ」
もう一人も反対側へ回った。二人に挟まれたわけではない。それでも、その場を離れるには、どちらかの横を無理に通らなければならなかった。女子生徒は鞄を拾った姿勢のまま動きを止め、やがてゆっくりと立ち上がった。
「さすがに、止めた方がよくないか」
花田が声を落とした。椅子へ浅く座り直し、両足を床につけている。
「……もう少し見ましょう」
二見も険しい顔で騒ぎを見ていた。
「でも、あいつら、道を塞いでるぞ」
「分かってるわよ。ただ、私たちは最初を見てない。今すぐ割って入れば、どちらがぶつかったかって話に戻されるわ」
オレたちには、その答えがない。鷹宮たちが嘘をついている可能性はある。女子生徒が自分に都合のいい話をしている可能性も、今の段階では否定できなかった。ただ、百万を要求し、立ち去ろうとする相手の道まで塞いでいる。単なる事故の話ではなくなり始めていた。
橘は携帯を伏せ、黙って女子生徒を見ている。いつもの笑顔は消えていた。
「わたくしが誰か、分かってそのような態度を取っているのですか?」
女子生徒が低い声で言った。取り巻きではなく、鷹宮へ向けた言葉だった。
「知らねえよ」
「白鷺ですわ」
女子生徒は背筋を伸ばした。
「白鷺家の人間にこのような真似をして、ただで済むと思わないことです」
初めて聞く姓だった。だが、周囲から小さなざわめきが起こる。どうやら、それなりに知られた家らしい。
鷹宮は何も答えなかった。白鷺の表情に、わずかに余裕が戻る。ようやく自分の言葉が効いたと思ったらしい。
「今なら、これ以上の問題にはいたしません。そこを退くよう、お二人にお伝えなさい」
「白鷺、ね」
鷹宮が確かめるように繰り返した。
「ええ」
「覚えたぜ」
白鷺の表情が止まった。鷹宮は笑っていた。家名を聞いて怯んだ様子はない。
「それが何だよ」
「……何ですって?」
「親が偉けりゃ、人の制服を汚しても謝らなくていいのか?」
「そのような話はしていませんわ!」
「してるだろ。金は払わねえ。謝りもしねえ。最後には家の名前を出して脅しか」
「脅しているのは、そちらではありませんか!」
「俺は弁償しろって言ってるだけだ」
「百万が弁償であるはずがないでしょう!」
白鷺の声が大きくなる。口調は崩れていない。だが、最初に鷹宮を睨みつけていたときの余裕は、もう残っていなかった。
鷹宮は白鷺のすぐ前まで歩み寄った。背丈の差はそれほど大きくない。それでも、白鷺は反射的に一歩下がる。踵が床に落ちた皿の破片へ触れ、乾いた音を立てた。
「金を払わねえなら、謝れよ」
「わたくしは悪くありません」
「お前からぶつかったって、二人が見てる」
「その二人は、あなたのお仲間でしょう」
「ほかに見てたやつはいない」
「だからといって――」
「だったら、お前が正しいって証明できんのか?」
白鷺の口が止まった。自分がぶつかられたことは分かっている。だが、それを証明できる者はいない。反対に、鷹宮には二人の証言がある。最初から白鷺を悪者にするつもりの相手へ何を言っても、話は変わらなかった。
「先生を呼びますわ」
白鷺は鷹宮から視線を外し、周囲を見回した。
「どなたか、先生を――」
「呼べよ」
鷹宮が遮った。白鷺が振り返る。
「先生でも、親でも、好きなやつを呼べばいい。こっちには見てたやつが二人いる」
「……後悔なさいますわよ」
「何を?」
「このような騒ぎを起こしたことをです」
「騒ぎを起こしたのは、お前だろ」
取り巻きの二人が笑う。白鷺は何か言い返そうとした。だが、唇が動いただけで声にはならなかった。
家名を出しても、教師の名を出しても、鷹宮の態度は変わらない。周囲を見ても、手を貸そうとする者はいなかった。
白鷺はしばらく鷹宮を睨んでいた。やがて、強く握っていた手をゆっくりと開く。
「……分かりました。謝ります」
取り巻きの二人が顔を見合わせた。鷹宮は何も言わない。続きを待つように白鷺を見下ろしている。
白鷺は唇を結び、一度だけ息を整えた。
「結果として、あなたの制服を汚してしまったことはお詫びします。申し訳ありませんでした」
深くはなかったが、白鷺は確かに頭を下げた。数秒して、顔を上げる。悔しさを押し殺してはいたが、これで終わると思っているようだった。
鷹宮は白鷺を見たまま、口元を歪めた。
「駄目だ。土下座しろ」
白鷺の表情が固まった。
「……何を、おっしゃっていますの?」
「謝るんだろ?」
「今、謝罪したではありませんか」
「あんなので謝ったつもりかよ」
鷹宮は足元を指さした。割れた皿と、こぼれた料理が散らばっている。
「そこに膝ついて、頭下げろ」
白鷺の顔から、さっと血の気が引いた。床にはスープが広がり、砕けた皿の破片がいくつも落ちている。あそこへ膝をつけば、制服が汚れるだけでは済まない。
「そ、そのようなことを……」
白鷺の唇が震えた。鷹宮はその顔を見て、ふっと笑う。
「何をそんなに怯えてんだよ」
白鷺が息を止める。
「冗談に決まってんだろ」
その言葉を聞いた瞬間、白鷺の肩から力が抜けた。強く握りしめていた指が、ゆっくりと開いていく。張りつめていた息を吐き、わずかに目を伏せた。
「……悪趣味ですわ」
声にはまだ震えが残っていたが、表情には安堵が浮かんでいた。
鷹宮は笑ったまま、指先を少し横へずらす。
「そっちでいいぜ」
白鷺が顔を上げた。鷹宮が示しているのは、割れた皿とこぼれた料理のすぐ隣だった。何も落ちていない、床の空いた場所。安堵していた白鷺の表情が、ゆっくりと固まっていく。
「……何を、おっしゃっていますの?」
「破片の上じゃ危ねえだろ」
鷹宮は何でもないことのように言った。
「そこなら膝ついても怪我しねえ」
白鷺の顔から、先ほど戻りかけていた血の気が再び失われた。冗談だったのは、土下座をさせることではない。割れた食器の上に膝をつかせることだけだった。
「ほら」
鷹宮が空いた床をもう一度指さす。
「そこで頭下げろ」
白鷺は動かなかった。口を開いても、すぐには声が出てこない。周囲へ視線を向けることもできず、鷹宮の指した床を見つめている。
「……そのようなことをする理由はありませんわ」
ようやく出た声は、かすかに震えていた。
「自分が悪いと思ってるから謝ったんだろ」
「違います。これ以上、騒ぎを大きくしないために――」
「じゃあ、さっきのは口だけだったんだな?」
「そ、そういう意味ではありません!」
「なら、できるだろ」
鷹宮の声は大きくなかった。それでも、周囲の生徒たちが息を潜めるには十分だった。
白鷺は床へ目を向けた。割れた食器の破片。その隣に、鷹宮が指した場所がある。すぐに顔を上げたが、先ほどまでの強さは残っていなかった。
「そのような要求に従うつもりはありません」
声がわずかに震えていた。
鷹宮が一歩近づく。白鷺も下がろうとしたが、すぐ後ろには取り巻きの一人が立っている。肩が触れる前に足を止めた。
「なら、選べ」
鷹宮が白鷺の顔を覗き込む。
「百万払うか、土下座するか」
「どちらも――」
「選べって言ってんだよ」
鷹宮の声が低くなる。取り巻きたちの笑みも消えていた。白鷺の逃げ道を塞いだまま、鷹宮の言葉を待っている。
白鷺は答えなかった。唇を固く結び、床へ視線を落としている。両手は制服の裾を握りしめ、指先が白くなっていた。
花田の椅子が鳴った。見ると、机へ手をついて立ち上がろうとしている。二見も今度は止めなかった。どちらからぶつかったかは、今も分からない。だが、謝罪した相手へ土下座を迫り、取り巻きに逃げ道を塞がせている。最初の事故とは、もう別の話だった。
オレも手にしていたパンを盆へ戻す。
そのとき、人垣の向こうから声がした。
「その辺にしておいた方がいいんじゃないかな」
大きな声ではなかった。それでも、静まり返った食堂にはよく響いた。
鷹宮が顔を上げる。取り巻きたちも、声のした方を振り返った。見物していた生徒たちが左右へ退いていく。
開いた人垣の間から、一人の男子生徒が歩いてきた。三年生の徽章。整えられた黒髪に、穏やかな笑み。その左腕には、学生会の腕章が巻かれていた。
鷹宮は先輩の顔を見るなり、わずかに目を細めた。
「学生会の先輩が、何の用だ?」
口調は変わらない。ただ、その視線は一度だけ、左腕の腕章へ向けられた。
「騒ぎが聞こえたから来たんだ」
先輩は人垣の中へ入ると、床に散らばった食器を見下ろした。それから白鷺、鷹宮、左右に立つ二人へ順に目を向ける。
「何をしているのかな」
「こいつがぶつかってきた」
鷹宮が白鷺を顎で示した。
「制服を汚されたから、弁償の話をしてただけだ」
「違いますわ!」
白鷺がすぐに声を上げる。
「この方が、突然わたくしの前へ――」
「待って」
先輩が片手を上げた。強い口調ではなかったが、白鷺は言葉を止める。
「どちらからぶつかったのか、僕は見ていない。そこは今ここで決められないよ」
先輩は取り巻きの二人へ顔を向けた。
「まず、そこを退いてくれるかな」
二人は動かなかった。返事もせず、そろって鷹宮を見る。鷹宮の指示を待っているらしい。
「聞こえなかった?」
先輩の口元には、変わらず穏やかな笑みが浮かんでいた。
「道を開けてほしいと言ったんだ」
取り巻きの一人が、わずかに足を動かす。だが、鷹宮が何も言わないのを見ると、その場に踏みとどまった。
「学生会が、一年同士の揉め事にまで口を出すのか?」
鷹宮が言った。
「生徒を三人で囲んで、百万か土下座かを選ばせている。そこまでいけば、ただの揉め事では済まないよ」
食堂の静けさが、さらに深くなった。取り巻きの一人が周囲へ目を向ける。どこまで聞かれていたのかを確かめているようだった。
「弁償を拒んだから、選ばせただけだ」
「それを弁償とは呼べないね」
「先輩は、そいつの肩を持つのか?」
「どちらからぶつかったのかは分からないと言っただろう」
「なら、口を出すなよ」
「事故の責任には口を出していないよ」
先輩は白鷺の前へ進んだ。鷹宮との間に、静かに割って入る。
「僕が見たのは、君たちが彼女の道を塞いでいるところだ」
鷹宮は何も言わなかった。先ほど白鷺へ向けていたものと同じ目で、先輩を見ている。だが、距離を詰めることはなかった。
「それでも続けるなら、場所を移そうか」
先輩が言った。
「君たち三人と白鷺さんから、学生会室で話を聞く」
「学生会室で?」
「一人ずつね」
取り巻きの二人の表情が動いた。
「今のやり取りを見ていた生徒にも残ってもらおう。百万を要求したことも、土下座を迫ったことも、きちんと確認した方がいい」
「正式に扱うつもりか?」
鷹宮の声がわずかに低くなった。
「君が続けるなら」
先輩は淡々と答えた。
「事故の状況と、百万という金額の根拠。それから、彼女の道を塞いだ理由も記録する。必要なら、先生方にも報告するよ」
鷹宮の口元から笑みが消えた。取り巻きたちも黙り込んでいる。先ほどまで白鷺の言葉にすぐ反論していた二人が、今は鷹宮の顔を窺っていた。
「君たちは、事故の瞬間を見ていたんだよね」
先輩が二人へ尋ねた。
「……はい」
一人が答える。
「そっちの女がぶつかってきました」
「分かった。その話も、別々に聞こう」
二人のうち、もう一人が小さく息を呑んだ。
鷹宮は先輩を見たまま動かなかった。食堂中の視線が集まっている。誰も話さず、次の言葉を待っていた。
「……そこまで大げさにすることかよ」
やがて、鷹宮が口を開いた。
「大げさかどうかは、話を聞いてから判断する」
「たかが制服を汚された程度で?」
「それだけなら、すぐに終わるよ」
先輩は一度、左右の取り巻きを見た。
「それだけならね」
短い沈黙が落ちた。先輩は急かさない。笑みを浮かべたまま、鷹宮の返事を待っている。
鷹宮が小さく舌打ちした。
「もういい」
取り巻きの二人が鷹宮を見る。
「鷹宮さん?」
「聞こえなかったのか。退け」
二人はすぐに左右へ動いた。塞がれていた通路が開く。白鷺の肩から、わずかに力が抜けた。
鷹宮は白鷺へ視線を向ける。何も言わない。そのまま先輩の横を通り過ぎようとして、すれ違う直前に足を止めた。
「学生会ってのは、ずいぶん暇なんだな」
「そうでもないよ」
先輩は笑みを崩さずに答えた。
「だから、余計な仕事は増やさないでもらえると助かる」
鷹宮は鼻を鳴らした。
「行くぞ」
その一言で、取り巻きの二人があとに続く。人垣が左右へ分かれた。三人はその間を通り、そのまま食堂を出ていった。
三人の姿が扉の向こうへ消えても、食堂の空気はすぐには戻らなかった。白鷺はその場に立ったまま、鷹宮たちが出ていった方を見ている。しばらくして小さく息を吐くと、制服の裾を握っていた手を離した。
「怪我はない?」
先輩に声をかけられ、白鷺が振り返る。
「え、ええ。問題ありませんわ」
先ほどまでより、声が柔らかくなっていた。
先輩は白鷺の足元を見る。床には割れた皿や椀の破片が散らばり、その間に料理がこぼれていた。
「まだ動かない方がいい。靴の近くにも破片があるから」
先輩が片手を向ける。床を撫でるように風が流れた。細かな破片が一つずつ動き、料理を避けながら通路の端へ集まっていく。
白鷺は足元を確かめてから、先輩へ向き直った。
「助けていただき、ありがとうございました」
両手を体の前で重ね、深く頭を下げる。鷹宮へ謝ったときとは、頭を下げる深さも、声の調子も違っていた。
「気にしなくていいよ」
「いいえ。先輩が来てくださらなければ、あの場を収めることはできませんでしたわ」
「学生会として、必要なことをしただけだよ」
白鷺が顔を上げる。
「あの、後日改めてお礼をさせていただけませんか?」
「お礼?」
「このまま何もしないというわけにはまいりませんもの」
「本当に必要ないよ」
先輩はそう答えると、白鷺の右手へ目を向けた。
「手を見せてもらえる?」
「手、ですか?」
「転んだとき、床についていただろう」
白鷺が右手を開く。手のひらの端が赤くなり、細い傷ができていた。本人も気づいていなかったらしく、わずかに目を見開く。
「この程度、大したことはありませんわ」
「食堂の床についたんだ。小さくても、傷は洗った方がいい」
先輩は白鷺の手から視線を上げた。
「保健室まで連れていくよ」
「先輩が、ですか?」
「転んだばかりだからね。ほかにも痛めているところがあるかもしれない」
白鷺は一瞬だけ目を見開いた。それから、先ほどまでよりも柔らかな表情で頭を下げる。
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきますわ」
二人が歩き出す。白鷺は先ほどまで塞がれていた通路を通り、先輩の隣へ並んだ。見物していた生徒たちも、それに合わせて左右へ退いていく。
「あの人、久世先輩だよな」
「学生会の久世玲司先輩?」
近くにいた生徒たちの声が聞こえた。
「鷹宮相手に、普通に割って入ったぞ」
「学生会なんだから、あれくらいするだろ」
「分かってても、できるか?」
久世先輩は声をかけてきた生徒へ軽く手を上げながら、白鷺と食堂を出ていった。
二人の姿が見えなくなると、止まっていた話し声が少しずつ戻り始めた。床に残った料理を片づけるため、食堂の職員もこちらへ向かってくる。
花田が椅子へ座り直した。
「鷹宮、学生会が出てきた途端に引いたな」
「正式に問題にされたくなかったんでしょ」
二見が答えた。
「学生会って、そんなに力があるのか?」
「あんた、入学したときの説明を聞いてなかったの?」
「学生会の話なんてあったか?」
「ありましたよ」
橘が言った。
「この学園の学生会は、行事の運営だけでなく、生徒間の問題や校則違反の調査も任されています」
「学生が学生を調べるのか?」
「先生だけでは、すべての生徒を見ていられないからでしょうね」
二見が通路の端へ集められた破片を見る。
「学生会が正式に報告すれば、教師も無視できないわ。内容によっては、訓練場の使用や大会への参加にも影響するらしいし」
「学生会だけで処罰を決められるわけではありませんけどね」
橘が付け加える。
「調査の内容は、先生方が判断するときの材料になります」
「なるほどな」
花田は腕を組んだ。
「だから鷹宮も、あそこで続けるのはまずいと思ったのか」
「取り巻きの二人から、別々に話を聞かれるのも困るでしょうしね」
二見の言葉に、花田が頷く。三人とも、白鷺からぶつかってきたと話していた。その場では同じことを言えても、事故の状況を細かく聞かれれば、話がずれる可能性はある。
「それにしても、魔法も上手かったな」
花田が床の端を指さす。
「細かい破片まで、全部集めてたぞ」
床には料理だけが残り、破片は一か所へ寄せられていた。白鷺の靴の近くに落ちていた小さな欠片も残っていない。風が流れたときも、白鷺の髪や制服はほとんど揺れていなかった。
オレは盆に戻していたパンを手に取る。
「今のを見たあとで、よく普通に食えるな」
「関係ないからな」
「そういう問題か?」
花田が言っている間に、パンを口へ運ぶ。食堂には、いつもの音が戻り始めていた。
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