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Dear  作者: 雨神
躊躇いの伸ばし手
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26/62

4-2



 鍵は開けたまま、窓をゆっくりと閉めて……律は眉を潜める。


 人差し指をかり、と噛んで頭を動かした。


 そう、あの意地っ張りで可愛いげのない妹に訊いたところで「友だちが出来た」だなんて言葉は絶対に聞けないだろう。日々家族以外はどうでもいい、だなんて言っているような妹なのだから。


 そんな蓮に付き合ってくれる誰かがいるなら有り難いことだ。どこの天使だ?頭を下げにいかねば。


 と、すら思った。が、何かが違う。


 最近の蓮が特に上手になったのは“甘える”ことだ。


 甘やかしてくれる、面倒見の良い性格の持ち主は勿論、世の中にはたくさん存在する。


「…………」


 律は普段優が寛ぐソファーに腰を降ろした。優は今日、まだ起きてきていない。


 蓮の前では必死に隠しているようだが……優の具合はあまりよくない。


 これは病気の類いではなくーーーーーー


「…………」


 ぶん、と己が足を踏入かけた答えの入り口を否定して、律は頭を横に振った。


 違う。


 そんなことはない。まさか、だ。


 いや、それでも……と可能性のひとつが……強すぎる可能性が律の中でぐるぐると巡る。


 ……違う、といつもの通りに堂々と宣言したい。


 したいの、だけど。


「………くそ…!」


 優の具合が悪くなったのは、蓮が外出を日課とし始めた頃からだ。










 


 たたたっ、と走り蓮はそこへ辿り着いた。


 家からここまで足を止めずに走ってきたから、息が切れて方が高く上がる。


 それでも楽しみが蓮を動かし、ここまで連れてきた。


 籠をちらりと見て、思わず口許が緩む。





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