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鍵は開けたまま、窓をゆっくりと閉めて……律は眉を潜める。
人差し指をかり、と噛んで頭を動かした。
そう、あの意地っ張りで可愛いげのない妹に訊いたところで「友だちが出来た」だなんて言葉は絶対に聞けないだろう。日々家族以外はどうでもいい、だなんて言っているような妹なのだから。
そんな蓮に付き合ってくれる誰かがいるなら有り難いことだ。どこの天使だ?頭を下げにいかねば。
と、すら思った。が、何かが違う。
最近の蓮が特に上手になったのは“甘える”ことだ。
甘やかしてくれる、面倒見の良い性格の持ち主は勿論、世の中にはたくさん存在する。
「…………」
律は普段優が寛ぐソファーに腰を降ろした。優は今日、まだ起きてきていない。
蓮の前では必死に隠しているようだが……優の具合はあまりよくない。
これは病気の類いではなくーーーーーー
「…………」
ぶん、と己が足を踏入かけた答えの入り口を否定して、律は頭を横に振った。
違う。
そんなことはない。まさか、だ。
いや、それでも……と可能性のひとつが……強すぎる可能性が律の中でぐるぐると巡る。
……違う、といつもの通りに堂々と宣言したい。
したいの、だけど。
「………くそ…!」
優の具合が悪くなったのは、蓮が外出を日課とし始めた頃からだ。
たたたっ、と走り蓮はそこへ辿り着いた。
家からここまで足を止めずに走ってきたから、息が切れて方が高く上がる。
それでも楽しみが蓮を動かし、ここまで連れてきた。
籠をちらりと見て、思わず口許が緩む。




