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もろマネ 〜とうもろこしLOVEのお嬢様は金の亡者とタッグを組みました〜  作者: 瑞柿けろ
第一章後半 目指せ! とうもろこしのお姫様!
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33/40

第33話 これが練習だと!? お前パロディにもやって良いことと、悪いことがあるわ!!




◆




 そして、いよいよ始まるのが――


「始まるぞ雛子!! 演技の練習だ!!」

「いよいよこの時が来ましたわ!! ……なにやら、ここまで長かった気がいたしますわね……?」

「気のせいだろ?」


 あれだけ走りまくってたらね?、そりゃ長く感じるだろうな。

 ほら、あれだよ。充実した一日は長く感じるだろ? それだよ。


 そんなことよりだ。


「始めようぜ。俺が雛子を一流女優にする。報酬の十万に誓って!!」

「十万で一流!? 小鉄様のその商売大丈夫ですの!? リターンがデカ過ぎますわ!?」

「この十万でなに買おうかなーー! ……あ、借金返済に当てないと……」

「あぁ! 小鉄様が現実を見て凹んでおりますわ!!」


 うるせぇ!! 色々思い出させるな!!

 そんなことより、とっとこ始まるぞ!! 練習をよぉ!!


 気持ちを切り替えて練習を始める。

 ネタバレをしたくないと言われているからな、どんな演技練習をすれば良いか分からない。


 なら、


「今から雛子! お前に全てを叩き込む!! 行くぞ!! 俺についてこい!!」

「や、やってやりますわーー!!」


●


「こんなところにみんなを呼び出して、一体どうしたんだよ」(やさぐれた男役小鉄)

「そうよそうよ!! 私たちも忙しいのよ!?」(女役裏声小鉄)


 そこは古びた館。

 不満を露わにして、文句を言う男女は、警察の人に呼ばれて集められた。

 やさぐれた男、ヒステリックな女、館の主に仕えたメイド、タバコを燻すルポライター。

 

 複数の人が集まる中、探偵は静かに告げた。


「集まっていただいてありがとうございますわ。皆さまに集まってもらったのは他でもありませんわ」


 ――この中に犯人がおりますわ。


「な、なにを言っているでちゅの!?」(メイド小鉄)

「あ! あっしらの中に犯人がいるですと!?」(ルポライター小鉄)


 狼狽える者たちに、探偵は決め台詞を高らかに掲げた。


「謎は全て解けましたわ!! このわたくしが犯人を見つけてみせますわよ!! 名探偵のわたくしの“名”におかけいたしますわーー!!」


●


「ふむふむふむ」

「いかがでしたかしら!? 小鉄様!?」

「いや、悪くない! まるで見えるようだったよ!! 名探偵雛子が!!」

「本当ですの!? 嬉しいですわぁーー!!」


 凄いな雛子、お前は演技派女優だな。さすがに引き出しの多さに驚くわ。


「意識したのはやはり名探偵のお孫さんのお話ですわね!! わたくしアレが大好きなんですわ!!」

「あまり細かく言わないようにしような? どんなな些細なことでも怒られる時代だからな?」


 さ、さて! 次に行ってみようか!?


●


 激しい戦闘の余波で、歩くことすらままならない大地。そんな場所で二人の戦士が並び立つ。

 異様に肌色が悪過ぎる悪者小鉄が不敵に笑う。


「お前もフルボッコにしてやろうじゃないか。あの銭ゲバのようにな……フーリフリフリ」(悪者肌真っ白小鉄)


 某海賊作品のような変な笑い方……だが、戦士……否、彼女にはそんな些細なことはもう届かない。


「……あの銭ゲバ? ――ことか……ですわ……」


 特徴的な金髪立髪ロールの戦士……雛子は怒りに震えた。


「小鉄様のことかっ!! ですわぁぁぁ!!」


 大地は震え、空が割れる。

 今この瞬間、




 ――伝説のとうもろこしの戦士が目を覚ます。


●


「いかがでしたか小鉄様!? これはなかなかの出来ではありませんか!? わたくし、かなり手応えを覚えましたわ!!」

「え、あ、うん。良かったぞ? ビックリするほどな??」


 まるで一瞬だけ、殴り合い大好き作品になったのかと思ったわ。

 う、うん。それに震えたよな。


「雛子が書籍化とかアニメ化ってやつをさ、ゴミ箱に丸めて捨てた感じがしたよね。うん」

「どうかなさいました? 小鉄様?」


 あ、うん。こっちの話。


「それにしても、わたくし物語に興味が出てきましたわ!! 今まで“名探偵の孫”しか存じてございませんでしたので!!」

「え、本当に知らないのか!? 嘘だろマジか!? 知らねぇやついんの!?」


 てか、雛子お前!?

 生まれる時代が早ければ人気作家じゃねぇか!!?


●


 夜。


 周りの家が静まり返り、時間は二十二時になろうとしていた頃。

 一つの家の中で、女の子はペットに話しかけていた。


「今日は楽しかったですわ! 聞いてくださいまし! わたくし、今日は好きなお方とお話をすることができたんですわ!」

「それは良かったなのだ。雛子ちゃんが楽しそうでおれ――ぼ、ボクも嬉しいのだ」(ペット小鉄)


 あ、それと、その好きな人が女の子ならボクも混ぜてほしいっぴ!!(百合の間に挟まるペット小鉄)


「本当に今日は楽しかったですわ!」


 あ、無視されたわ。あ、いや、なのだ……。


「今日は素敵な日でしたわね! 明日はもっと良い日になりますわよね? 小鉄太郎様??」


 ここで決め台詞――


「癖ぇぇーー!!! あ、待って?? 小鉄太郎? 語呂悪くね?」


●


「いかがでしたか小鉄様!?」

「いやもう雛子の劇の才能は分かったぞ?」


 ……ただ、あのぅ……その……なんだ……。


「ッ!!?」

「どうかなさいましたか小鉄様? いきなり振り向いて」

「あ、いや、なんか嫌な感じがな?」


 え、大丈夫? この学園に著作権団体部とかない? なんでもありの学園ならありそうじゃん? ……大丈夫か。


「雛子? お前本当に知らないのか? このレベルだと似てるとかじゃねぇぞ?」

「他にも青いロボットとポンコツ男の子のお話もありますわ!」

「もうそこまで聞いただけでなにか分かるわ!? てか、その程度のヒントで答えられる作品って凄くね!? 日本を代表する作品よな!!」


 あれ!? お前それも見たことないのか!?

 逆に、名探偵の孫だけを見てた理由はなんだよ!? そっちの方が気になるわ!!?


 疑問を投げかけてみると、雛子は真顔で答える。


「このぐらい教養の一つですわ。本当は全て知っております」

「え」

「純粋に驚く小鉄様の反応が面白くて、意地悪しておりましたわ。お可愛いですわね小鉄様」

「お、お、おまっ! お前ぇぇ!!?」


 “パクる”と“パロディ”は紙一重なんだからなぁ!!? 雑にパクってんじゃねぇぞ!!?


 パロディはなぁ!! やり過ぎちゃ駄目だし!!


 不快に思わせることしちゃいけねぇんだよ!!!!


「小鉄様が熱いですわ!!?」

「ギャグを舐めんじゃねぇぞゴラァァ!!!」

「ヒィィィですわぁ!!?」




 練習はまだまだ続く。


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