第24話 水着茶!? ちょっと待て。関西弁お兄さんは頭がおかしい
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「ほい、粗茶ですが」
「お、これはどうも……」
「いただきますわ……」
謎の変態……競泳水着男と遭遇してしまった俺たちは、なんだかんだ、その変態の部屋に連れてこられた。
相変わらず目のやり場に困る……その股大丈夫か? スレスレだぞおい。
変な動きをしたら、アナログスティックがモロ見えになりそうな程にギリギリなレベルなんだが……。
とりあえず、だ。
「雛子の目に毒だからさ先輩、せめて下を履いてくれ。割とマジで」
「え、そんなに? 分かった。とりあえず胡座から正座にしたる」
「違ぇよ、下を履け下を」
日本語の理解できないやつなのかコイツ?
「そんなんより、せっかく出したお茶が冷めるやろ、出されたもんはまずはちゃんと飲みなさい!」
「あ、はい」
なんなんだこの謎のお母さん感は……絶対におかしいのはコイツなのに……。
でも、確かに出された物に口をつけないのは失礼かもしれない。それに、俺の勿体無い精神が無駄を許さない。
「じゃあ、雛子……とりあえずお茶でも飲むか……」
「はいですわ……」
競泳水着で正座をしている変態の入れたお茶を飲む。なんてシュールな光景だ。
……あれ、これ待って?
「うぇーーーー!!? なんだこれまっっっず!!! おぇっ!!」
「こ、小鉄様大丈夫ですの!?」
「お前は飲んでないんかい!!! あぁーーーー!!? なんだこの不味いお茶!!?」
この喉に絡みつく繊維質の独特なものはなんだ!? 不味い! 吐き出したのに口に残る不味さだ!
「特製の乾燥水着茶は肌に合わんかった? 美味いのになーー」
「繊維質どころか、ガチモンの繊維じゃねぇか!!!」
「わ……わたくしお腹いっぱいですので、やめておきますわ……」
「なに逃げてんだ雛子ぉーーーー!!!」
「この味が分かんないかーー」
悶え苦しむ俺、嫌そうな顔でコップを遠ざける雛子、気にせず水着煮出し茶を飲む変態。
なんだ水着煮出し茶って、文字で起こすとここまで汚くなるとか、いや情報量多いなこれ。
「おぇ……危ねぇ! 胃液が込み上げてきやがった!!?」
「小鉄様お気を確かに!? わたくしの自家製ドリンクをどうぞ!!」
「……ちなみにこれは?」
「乾燥とうもろこし茶ですわ」
「お前らはまともなもん作れねぇのか!!?」
水着だったり、とうもろこしだったり、なんでもかんでもお茶にしやがって……ったく。
ちなみに、とうもろこし茶は美味しかった。
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「改めて自分は“満鳴 剛”と申します! 2年生やから君らより先輩やね」
「みつなる先輩ですわね。わたくしは黄金院雛子と申しますわ」
「……銭原小鉄っす」
「君のことはよう知っとるわ。今学園で有名人よ君」
「変態先輩に知られてるなんて光栄だな」
「だーーれが変態や!」
どっからどう見ても変態だろ!? 鏡を見ろマジで!
というか、俺が有名人? え、なんでだよ。
「慈愛に満ちた奉仕活動をしてんやろ?」
「欲に満ちた商売を、な?」
「寮のガス漏れをいち早く察知して、生徒がいない間になんとかしようとしたんやろ? 駄目だったけど」
「小鉄様の強欲が行くところまで行った結果の爆発ですのに……凄い誤報ですわね……」
これもメイド先輩と柊の力だろうな。
情報操作がされ過ぎて、なんのことだか一瞬分かんなかったけど……。
「他にも多忙な教師のために率先してめんどいこと引き受けてるんやろ? 凄いなーー優等生さんは」
「いーーや! 捏造が過ぎるぞおい! 柊どんな記事書いてんだ!?」
「後離教諭から強制的にやらされているだけですのに……夏希さんの新聞の力は凄まじいですわね……」
「ん? どしたん? 二人でそんなコソコソ話て?」
俺たちの反応を見て、満鳴先輩が首を傾げている。普通に会話をしているけれど、先輩の姿を考えたらあまり直視したくないな。
話したいことはたくさんあるが、まずは俺の間違った認識を解いてやるとするか。
……
…………
………………
「どこが聖人の小鉄!? 話を盛るにしても限度があるやろ!!?」
「俺がやったことじゃねぇよ。噂が一人歩きどころか、他の奴の手も加わって、二人三脚で学園内の噂話になってんだよ……」
「あら、上手いですわね小鉄様」
「上手くねぇよ」
俺としては金稼ぎをしたいのに、周りの謎の尊敬の眼差しがしんどいんだよ。荒稼ぎしてやりたいのに。
「いやーーそんな面白いことだったとは、さすがニスタン気付かんかったわ」
さすがニスタン? もしかして“さすがに”を少しでも面白くしようとした感じか?
端々にユーモアがあるというか、関西弁のお兄さんってだけで謎の話しやすさがあるからか、ついつい話し込んでしまうな。
若干親父ギャグ臭はするが。
まぁ、なかなか痛々しいが、ここは敢えて突っ込まないのがボケ殺しってやつだろう。
「いうて、冷静に考えてみれば確か。そんなまともな奴が“魔境”に来るわけないやん」
出た。またそのワードだ。
気になったことを聞こうとした時、雛子が俺より先に口を開いた。
「みつなる先輩? その“魔境”と言うのがなんのことかお聞きしても?」
「え、なん? 知らんのけ?」
いや、全く知らない。
なんなら今日その単語を聞いたまであるしな、地味に気になっていたから、いい加減教えて欲しい。
“魔境”と呼ばれる。この寮のことを知りたい。
一体どんな理由があるのか、なにか特別な意味があるのかも――
「学園に“マジでとんでもなく有害な、教師を困らせるアホを集めておく場所”これを略して――“魔境”ね」
「あ、なかなか残念な理由でしたわ!?」
「ちょっと待て!? 俺はこんな格好をしてる奴と同列に思われたってことか!!?」
「この寮に来たってことは……つまりはそういうことやろ?(笑)」
「なんだぁ? てめぇ?」
どういう意味だ? 言ってみろよ変態。
先輩とか関係なくボコボコにしてやろうか? 今の俺ならゴリ先でも殴れるぞ?
……殴り返されそうだけど。
「他にも魔境のメンバーがおるから、いずれ会えるやろ」
「会いたくねぇーー」
「んじゃ、自分は写真撮影しに行くから、話はまた後でということで」
あ、そうなのか。それなら話はまた――じゃねぇよ!?
無駄話をし過ぎて忘れていた。犯人について聞かないといけなかったんだ。
「あのぅ、みつなる先輩? わたくしたちは水泳部の方から依頼を受けておりまして、お話を聞いても良いでしょうか?」
「ん? 依頼? まぁーーそうやな、自分が分かることなら。どしたん? 話聞こか?」
うわ、胡散臭いセリフナンバーワンだぞ。
でも水泳部の話を出したのに、動揺してないなら犯人じゃないのか?
「水泳部が盗撮被害を受けておりまして……」
「盗撮!? おぉ……思ったよりガチな話やん……」
思ったより常人な反応してない? これもしかして“白”なのか? 見た目とは裏腹に??
「……みつなる先輩はそんな格好で、カメラを持ってどちらに行くんですの?」
「ん? 水泳部の写真撮影に――」
俺と雛子は勢いよく変態に飛びついた。
「「確保ーーーー!!!」」
「ぎゃぁぁ!? なんなん!? は、離せぇーーーー!!!!」
言動はまともそうなのに、見た目が完全アウトな男を確保した。
「これで報酬もゲットだぜーー!」
「あ、そっちですの?」




