試験?
檻のまま、連れられて外に出る。
そういえば、ペット用のお出かけかばんとかそういうのがあったが、あれって中の動物にとって居心地がいいか否かは飼い主の持ち方一つで決まると思う。
持ち方で、揺らされまくるか微動だにしないか、もしくはゆらされてもゆりかごのようにゆったりか。
クッション材とかあればよいのじゃが、まぁ、ここは檻の中でかつそういう上等なものはない。
で、運んでくれているのはあんまり優しそうにない、いかつい看守のにいちゃん・・・・
できたら姉ちゃんになりませんかね?
ともあれけっこうがんごろがんごろなってしまいそうになるので風の魔術でクッション的なものを作り、どうにかしのぐ。
むぅ、わしってけっこうがんばっておったけどこの仕打ちっていったい?
なんか腹立つけども。
「では、こちらです」
で、檻から出られたのはちょっとした広場。
四方を高い壁に囲われているけど、まぁ、上等な芝生もある。
で、今わしの目の前には
「サン!」
黒服ならぬ衛兵に両隣を陣取られているメルがおった。
おい、なんだこの扱いは。
これでは囚人の面会ではないか。
「ぐるるる」
儂なりに威嚇して、魔術を発動してやろうかとも思ったが
「ちょっとお待ちを」
すっと、その衛兵の後ろからなんか覇気のなさそうな白衣の男が出てきた。
あれ?こいつどっかで・・・・
「改めてはじめまして、かな。まぁ、魔物騒ぎでちょろっといたけども、私は宮廷魔術師長をしているタラスカです。一応、学園では生物顧問でも通っているけどね」
あー、なんか弾劾していたやつか。
で、それがなんのようなんじゃろ?
「えっと、メルティウス君、サン君はほんとうに君の使い魔であっているよね」
「はい、そうですけど」
「そうか、となるとこれはすごいことだねぇ」
と、ほほをなでながら言った。
「僕の場合は・・・・エルス!」
すっと何かを召喚した。
すぅっと出てきたのは、何やらはかなげな美女。
灰色の全体像ながらもうっすらと赤い唇がやけに生々しい。
「人化させているけど、もとはネズミの使い魔さ。で、これでも相当な力の持ち主なんだけど・・・・エルス、サン君はどう見る?」
そう言われてエルスは儂をじっと見つめた。
「・・・・はい、少々異質なものですが相当な魔力を秘めています。たぶん、私以上に」
「そうか・・・・それなら、ちょっと試させてもらおうかな」
そういって、懐から本を一冊取り出した。
何するんじゃろ?
「これから、ちょっと試験をしてもらいたいんだ。もしこれに受かれば、メル君の飛び級もありえるくらいだからね」
なに?飛び級?
「いや、彼は魔力は確かにかなり乏しいものがあるが、それ以上に空間把握や魔力の操作性能はなかなかに高いものがあるからね。ちょっと掘り出し物といったところだから、飛び級しても問題はないんだよ。肝心の魔力以外においては」
そういって、ぱらぱらとめくったページをぴたっと止め、そこに手をかざして、何かを取り出すような仕草をして、フォンと、いや、この場合、効果音はそれであっていたが、デンといったほうが見方によってはよい、どでかい岩を取り出した。
「あの、この岩は」
メルが不安そうに言う。
「この岩は、ミスリル岩でなんだけど、ある程度の魔力を吸収する岩なんだ。これに全力で魔法を使ってもらえないかな。どんな魔法でも構わないよ」
そう言われて、ふむと思う。
岩の大きさはそれこそ、巨大なもので10mくらいはあるか。
これが全てミスリルとなるとどれだけの価値があるんじゃろ?
ミスリル1gがどの程度かはしらないが、ゲームなりアニメなりではけっこう高価なものな位置づけのはず。
それがこんなふうにでんと立っているのは驚きである。
いいのか?やっちゃっても。
「ああ、ちなみにその岩は材質こそそのままだけど、10分もすれば消える幻影なんだ。要は質量のある幻かな。僕自身しか使えない固有魔法だけど」
ほほぅ、なかなかすごい魔法じゃな。
ま、ともあれ、やらせてもらおうかな。
んーでは、あまり周りに被害のなさそうなやつで単体でいけどうな、強力な奴は・・・・・
よし、これでいこ。どうせ消えちゃうやつならば。
「にゅ(アニヒレーション)」
この魔術は要は消滅系の魔術。
指定した範囲のものを消失させるやつでそれ以上の魔力があればレジストされるけど、うむ、うまく、消えていくな・・・・
よし、成功じゃ。
「・・・・・これほどとは」
目が点になって驚く周囲。
あれ?これってすごいの?
「これはちょっと想定以上かもしれませんね・・・・・メルティウス君。彼とは話せるって言っていましたよね」
「は、はい」
「なら、パスは通っているということですね。それなら、充分、というよりも即戦力になれますね」
ぶつぶつと何やらいっているが、何を?
「もしよければ、二人揃って早目にこちらに来るということもありかもしれませんね」
「こちらって?」
「私の部下ですよ。王立魔術師団の」
「え・・・えーーー?!」
メルがひときわ大声で叫び、仰天の感じなんじゃが・・・・
すまん、正直、儂にはよくわからんのが多いんじゃが。
ぶっちゃけ、それってすごいの?
えらいの?
エリートコースなの?
価値基準がつかみきれていないだけによくわからんにゃぁ。
そんな置いてけぼりなわしであった。
後日修正をしよ。サンの特別感をもう少し薄くし、かつ、いずれステータス表記を削ります。なんか、そのほうが分かりやすいような気がしてきました。大きさでいくか・・・・うーぬ・・・・・




