第12話 通じる因縁
「っ――。どこまでも因縁は繋がってしまう。そういう運命なのかねぇ~?」
私は泣きじゃくるシャノンと共に森の中を通って狙撃地点へと赴いていた。
全ては今回の狙撃の黒幕を探るため――だったわけだが、私の一言でシャノンの目が変わった。
「あなたは……誰がお父様を殺したのか、察しが付いているんですね?」
「うーん、まぁ……確証はないけど、現場を見るとどうも既視感があってさ」
その先には一丁の狙撃銃がこれ見よがしに置かれていた。
「そいつは……一体誰なんです?」
「私にもわかんないんだよねぇ……これが」
「――冗談は大概にして!!」
シャノンはそう叫ぶと銃を私へ向ける。
「ちょい、ちょい! そんなもんどこで拾ったの!?」
「あの現場で拾いました。それよりも誰なんですか! 知ってるんでしょう!?」
「……ったく、やれやれ。こっちとしても強引なのも大概にして欲しんだけど……まぁ、いいや。教えてあげる。私の知っている『そいつ』はシャドウって呼ばれてる。裏社会に根付く正体不明のスナイパー」
「あなたほどの実力者が知らないなんてどういうことです?」
「あは~ん、褒められたことは嬉しいけど、本当に名前の通り、影みたいな奴でさ? ――そして、私のターゲットでもある」
「ターゲット?」
「そ、復讐相手ってこと。詰まるところ私たちの目的は同じって訳」
シャノンに向けて語るミーシャの表情はいつにも増して険しさを増す。
それでいて、そのことを悟られまいと必死に笑顔でもみ消そうとする。
「はい、シャノンに質問でぇす! ユーは輪廻転生を信じますかぁ? ふふんっ」
「な、何を急に……馬鹿みたいなことを言わないでください! それよりもシャドウの――」
「馬鹿じゃないよ? 私は至って真剣だよ?」
それでも彼女から出るオーラはどこか冷たく、冗談を言っているようには見えない。
「そんなのありえる訳ないじゃないですか」
「まぁ、そうだよねぇ~? 私もその考えの持ち主だったんだけどさ〜うん……」
「一体、何を言いたいんですか? そんなに含みを持たせて」
「――私が一度、死んでいるっていたらシャノンは信じる?」
死んでいる。その言葉にシャノンの背筋が凍り付く。
だって、輪廻転生が起こることなんて絶対にないからだ。
「ば、馬鹿なことを言わないでください。今回の事と何も関係が無いじゃないですか! 煙に巻こうったってそうは――」
「関係大有りなんだなぁ……それが。――んまぁ、そこを話す前にシャノン。あなたの意志を聞きたい。どんなことがあっても私に付いてくる覚悟がある? 私の話を聞いたらもう後には退けないよ」
銃口を前にしてもミーシャは一切、揺らがずにその射線上に立ち続ける。
まるで、私の度胸を試すかのように。
「ええ。私はお父様の仇を取るともう決めましたから。それに私たち家族が何に巻き込まれているのか、それを知りたい。私に力が無い以上、あなたに縋るしかない例え、どんなに醜い結果が待っていたとしても」
「そっか、んまぁ、そこまで言われちゃ~ミーシャさんは何も言えんわ。さて、ココからのお話は長くなるし、移動しながらでいい? なにせ、私が詩織って呼ばれていた人生の話だからね」
そう言ってミーシャはバギーに跨り、シャノンは銃を下ろして不安ながらもその後ろを追ったのだった。




