ファンタジー ダンジョンはゴミ捨て場
東京に突如として金属で出来た建物が現れた。調査すると、中には様々な未知の物が多く存在していた。ただし、ものだけでなく、金属生命体ともいえる物体も存在した。
「本当に彼女一人で大丈夫なんですか・・・?」
「ああ、あなた新人ね。じゃあ、彼女の戦績を知ってる?」
「はい、総当たり戦での勝率は最低でしたよね?」
ダンジョンを探索するには、探索者同士の総当たりで最低限の勝ち星をあげたものしか入れない。
「そうね。20戦4勝。最低4勝すればダンジョンに入る権利は与えられる」
「という事は、彼女はやはり探索者の中では弱いってことですよね? 普通は4人くらいパーティを組むのに、たった一人で潜るなんて無謀です」
「話は最後まで聞きなさい。彼女の場合、勝ち取った4勝は探索者の上位4名からよ」
「え・・・」
「そして、残りの16敗はすべて不戦敗。彼女曰く、弱い者いじめは好きじゃない、だそうよ」
「嘘・・・。探索者トップの戦績って確か19勝1敗ですよね・・・?」
「その彼に1敗を与えたのが彼女よ。つまるところ、彼女が実質の探索者トップの実力者という事よ。納得した?」
「はい・・・」
こうして話している間にも、彼女の探索は続いていた。彼女は、動かないものや珍しいものには目もくれず、ひたすら機械兵器の破壊を行っていた。
機械兵器は、現代の技術では作成不可能な未知の技術で作られており、すべての兵器は人間を発見すると攻撃してくる。そのため、ダンジョンへ入るためには実力が無いとだめなのだ。
そんな彼女の前に、猫くらいの大きさの浮遊機械兵が現れた。
「あれは、初めて見るタイプね」
オペレーターの仕事は、探索者が映す映像からデータを得る事。本来は取得物等の指示もするのだが、彼女が聞かないと分かっているので好きにさせている。それに、機械兵器の排除の方が優先度が高い。機械兵器が1つでもダンジョンの外に出ると、大きな被害が出る。
「攻撃方法が、見た目からは分かりませんね。レーザーの様なものも見当たりませんし」
「中央にあるカメラで敵を発見するようね。浮いているのは、反重力みたいな技術が使われているのかしら」
「それが分かれば、人類の科学技術は大幅に進みますね」
「・・・まあ、どうせ壊されるんだろうけど」
機械兵器の表面に穴が開き、そこから針のようなものが細く伸びてきた。人体を刺し貫くように伸ばされたそれを、彼女は軽くかわす。
「攻撃方法はあれね。どうやら隠密に特化した機械みたいね」
「静かに、痕跡なく人を殺す兵器って事でしょうか」
「たぶんね」
足跡のようなものは残らず、殺す際に音も出ない。そして、複数の針にさされれば失血死は免れない。そんな凶悪な兵器を、彼女はかかと落とし一発で落とし、砕いた。彼女の足は、ダンジョンで見つかった金属で作られた硬質な義足だ。
「まず一匹」
彼女はそう言うと、機械兵器を粉みじんに踏みつぶした。




