ホラーサスペンス 同窓会
「こうして集まるのは初めてか?」
「ああ、高校卒業以来だよな」
同窓会が開かれることになった。集まる予定はたった7人。卒業からすでに20年以上経ち、県内に残っている人が少ない上に、すでに電話番号が変わっていて連絡がつかない人が多かった。
男4人、女3人。そして当時担任だった先生が2人と現在高校に勤めている先生が一人。担任の先生はすでに定年退職を迎えていたため、現役の先生が一人ついてくれた感じだ。私立なので定年後も県内で過ごしていたようだ。
教室を一つ借りてジュースなどを持ち込む。時刻は19時。平日であったため、生徒がほとんど帰る時間まで待った感じだ。夏であるため、まだ明るく部活で残っている生徒もいる。
「さあ、乾杯だ」
各々が手に持った紙コップに入ったジュースを持ち上げる。さすがに高校で飲酒するのはどうかということで、すべて清涼飲料水かジュースである。
「ーーーー」
「ーーーーーー」
「ーーーーーーー」
「---」
会話を楽しみながらおかしをつまむ。アルコールは入っていないが、雰囲気はいい。
「ちょっとトイレ行ってきます」
トイレの場所は20年以上経っていても忘れていないようで、特に場所も聞かずに女性が立った。まあ、どこの学校もその階に1つはトイレがあるだろうが。
「・・・遅くないか?」
「酔って倒れてるってこともないし、化粧直しとかじゃない?」
「まあ、暑いからそうかもしれんな」
すでに女性が立ってから15分ほど経っていたが、そういう事もあるだろうという話になった。しかし、それから30分ほど経った。
「さすがに遅いわね。ちょっと見てくるわ」
女性という事で、同じ女性である彼女が見に行くことになった。ここにいる7人は、学生時代に特に友達同士だったという事も無い。そのため、連絡先は特に知らない。同窓会の案内も住所あてにハガキを出している。
「きゃあぁぁ!!」
女性がトイレを確認しに行ってすぐに廊下に悲鳴が響き渡った。尋常じゃないその叫びに、みんなすぐに廊下へ出る。
「きゅ、救急車! 救急車を早く!」
「何があったんだ?」
「とにかく急いで連絡して!」
現役の先生が、自分のスマホで救急車を呼ぶ。そして、他の人達は状況を確認しに行く。転んで頭でも打ったのだろうか?
「血・・・、それに縄が・・・」
トイレ前の女性が、自分の見たものを説明しようとするが、うまく口が回らないようだ。実際に見た方が早いと思い、トイレの中を見る。女子トイレではあるが、今はそれどころではない。
そこには、ドアの上にある枠に縄をかけて、首をつっている女性の姿があった。それも、単純に首をつっているだけでなく、その首からはまだ血が流れて・・・いや、ドクドクと吹き出ていた。
「す、すぐに下ろすんだ!」
血が吹き出るという事は、まだ生きているかもしれないという事だ。だが、どう見ても致死量に近い血がすでに流れている気もするが、放置するわけにもいかない。
一人では下ろせないので、男性2人が体を持ち上げ、もう一人が首の縄を外す。
「・・・死んでる」
床に横たえた時には、女性は眼を見開いたまま死んでいた。
「―――っていう夢を見たから、今日の同窓会には行かないほうがいいわ」
「ただの夢だろ? それに、今日開催される同窓会は夜じゃないし、そもそもほら、こういう催しだ」
俺は妻にハガキを見せる。そこには、校内に隠した探し物を見つけるイベントだと書かれていた。開催日も普通に休日の昼間だし。まったく妻の夢と合うところが無い。
「でも・・・」
「とりあえず、行ってくるから。やばそうなら帰ってくるって」
俺はそう言って同窓会に出かけた。まさか、本当に妻の夢が的中するとも知らずに。




