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悪逆の魔法使い  作者: こんぶ
南国編
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第四十九話 一人目

「紙?」


ブラッドは紙を拾い上げ読む。


「この紙に魔力を込めればそこが次の階層へと繋がる」


ブラッドはまじまじとその紙を見る。


「んー、なるほどな。ならば連合の人達に渡すのが好都合か」


誰にも分からないところへ設置しても意味がないと考える。


「連合の人達を探すか」


『……あの〜ブラッド様〜』


「?どうした」


『それなら先程ちらりと見えましたよ!』


「何!?どこら辺だ?」


『えっとぉー、』


ブラッドはツァリの指示に従い飛行(フライ)によって彼らを発見する。


「あれか!」


『はい〜』


ツァリは褒めて褒めて〜と言わんばかりにブラッドへ言う。


「しかしあれは…まぁいいか。とにかく会ってみる」


ブラッドは地に降り立つ。


「こんにちわ」


「……!?人…なわけないか。人擬態した魔物ね!」


「いやいや違います、って」


ブラッドは敬語に妙な違和感を覚える。普段彼は敬語を滅多に使わない。が、こればかりはしょうがない。


「俺は、この階層まで自力でたどり着いた者です。それで先程、なんとか階層ボスを倒した次第」


「へぇ。じゃあ次層への紙、もってるんだ?」


「はい」


ブラッドは紙を見せる。


「……!マジモンかよ。ったく、いま療養中らしいけど、あの人を連れてこないとね」


「あの人?」


「この迷宮(ダンジョン)連合、その長に会わせてあげる」



満身創痍の男はよろけて何人かの取り巻きと共にブラッドの前へ現れた。

かなり強面で、長い黒髪が特徴的で、目は鋭い。


「お前が、紙の保持者か」


「そうだ」


ブラッドは敬語を使うのをやめた。

気持ち悪いと思ったからだ。


「俺はこの連合の…ッと、長をやってるディアベルという…ッ」


何度か痛がるディアベル。


「とにかく、アレを倒してくれて感謝する」


「あぁ。しかし、ロクな治癒魔法使いもいないのかここは?」


「はぁ?居るけど」


取り巻きの一人が答えた。


「彼女はかなりの腕の治癒魔法使いだ。しかし、それでも私の傷は深かったようだな」


「そんなもの簡単に治るだろ。治癒(ヒール)


ブラッドが指を振るう。

するとディアベルの傷は瞬く間に癒えた。


「なん!?っこんなこと有り得るのか?」


「ん?」


ブラッドは確か治癒(ヒール)がレベル5の魔法だったのを思い出す。


ならば、誰でもこの程度は出来るはずなのだが──


「……?」


何故だろう。


「とにかく紙は渡した。後、忍浅葱って知ってるか?」


「ん、あァ、今休んでいる所だが」


「少し話がしたい」


「……?」


ディアベルは周りの奴と目を合わせた。


「別に構わんが、どういう関係だ?」


「まぁ、知り合いだ」



「さてと、何を話すか」


『ええ!?決めてなかったんですか〜!』


「ん?まぁな。だがとりあえず悪意のある生物かどうか見分ける。人型だが、人間種(ヒューマン)かどうかも確定した訳じゃない」


『はぁ、たしかに私も会ってみないとわかりませんけど〜』


暫くして、ディアベルは一人の女を連れてきた。

それこそ忍浅葱本人である。


「少し二人で話がしたい」


「……?いいわよ、別に。愛の告白とかじゃなきゃね」


──。


「お前は、忍浅葱だな?」


「?そうだけど。貴方がよんだのよね?私を。私の知り合いって言ったけど、そうやって騙るのやめてくれる?迷惑だから」


「あぁ、まぁそうでも言わないと不審がられるしな。しかし、知り合いというのは間違っていないぞ」


「……?どういうこと?」


「女神による異界召喚、そして瀕死の女神は貴様らを死力を尽くして転移させた──そうだな?」


「……!?貴方、あそこに…?」


「いや、俺はあの場にはいなかった、が、しかし知ってはいる」


「……そう。じゃあきっと何か聞きたいことがあるのね?」


「あぁ。禁止極限術によって生まれたお前たちに悪意があるかどうか、有無を確認させてもらう」


「悪意?」


「そう。悪意だ。この上ない、悪意」


「…?まぁ、測れるものなら測ればいいじゃない」


「測るんじゃない、量るんだ」


「尚更意味不明」


「では行くぞ。審判の天秤(ジャッジバランス)


ブラッドの目の前に二つの秤のついた天秤が現れる。

片方には純白の羽が、もう片方には漆黒の羽が、それぞれ置いてある。


「では量るぞ」


ブラッドは魔力をこめ、対象を特定する。

悪意のあるもの、それは魔力から量ることが出来る。

本当の悪者は魔力から違うからだ。

と言うよりも、悪者はそういう魔力が付きやすい、と言えば良いのだろうか。


「……ふむ」


天秤は両方へ傾き、どちらかへと傾いた。


「白か」


「いいってこと?」


「そうなる。では二つ目の質問をいいか?」


「はい」


「やけに飲み込みが早いな」


「こういう状況には慣れてるからね。言語の分からない都市に飛ばされたけど、現になんとか生きてるし」


「……そうだな。案外なんとかなるのかもな。さて、二つ目の質問だが、お前の目的はなんだ?女神の悲願である魔王殺しか?それとも元の世界に帰ることか?仲間に会うことか?」


「んー、そうだね。私はもう、ここで生きられれば満足かな。女神とやらの願いを聞く気はさらさらないし、元の世界に頑張って帰ろうとも思わない」


「そうか。ならば良い。あぁ、そうだ」


ブラッドは黒い石を渡す。


「それは通信石。何か連絡があれば俺に寄越せ」


「わかったわ。それにしても──」


「…?」


「貴方って、強いのね」

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