第二十六章 棋宴 ーーーー 太監 徳全
太監の名前を 高順 から 徳全 に変更しました
今年の新年の祝賀は夕刻まで続いた。
なぜだか王と太子妃が囲碁の話になり それを聞いていた臣下たちも
いつの間にか加わって囲碁談義になっていったのだ。
長い冬の楽しみにと妃が太子に教えてもらっているのだが
なかなか上達できず どうしたらよいのかと笑いを交えながら話していた。
王も碁が好きである。
生前の前太子とはよく打っていらした。
王が色々と王太子妃に問い 答えたそれに駄目出ししたり助言をしたり。
頷いていた周りのものたちも次第に話題に加わっていった。
話だけではわからないであろうと とうとう碁盤まで王は持ってこさせた。
祝宴が碁の指南教室となった。
太子妃と王を取り囲んで石を置く。
さて となると太子妃が 太子さま と太子を探し引っ張ってきて
碁盤の王の向かいに座らせた。
向かい合った祖父と孫 お二人とも周りの者達も一瞬戸惑いはしたが
太子妃の何気ない ぱちりっ という布石に皆で
あっ それは・・・ となり また指南が始まった。
太子妃への指南だったはずが いつの間にか王と太子が打っていて
皆がそれを眺めて談義する・・・という感じになっていた。
太子妃は太子のお隣で前屈みぎみに碁盤を食い入るように見ていた。
ときたま太子に ここに置くとどうなりますか と聞いたりしている。
太子妃は面白い打ち方を思いつかれる。
対して王の方も周りにこの石の運びはどうか などと聞いたりしている。
対局するよりも俄然話が白熱し かなりの長い時間が過ぎていた。
王の妃たちは早々に飽きて引き上げていった。
後日 王は妃たちに祝宴の時には放っておいて としばらくの間は
拗ねられたそうだ。
王はたぶん初めてであろう太子との碁合わせでその腕前を認められたのか
後日改めての対局をと言っておられた。
太子妃に対しては
太子に勝つのには大変だぞ
余の秘蔵の本を貸すので読んで学んでみよ
と言われた。
そして 届けられたその本は
「棋手録」と書かれていた。
それを借りたのですか と太子は驚かれた。
それは王が自ら書き溜めたものであった。
はい 難しいです
でも面白いんです
にっこり笑う太子妃を見て
徳全に続いて祖父上まで
あなたの援軍になりましたか
と太子は苦笑いをされた。




