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玄関を開けたら異世界でした  作者: 鈴木寛大
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第1章 8話 敗走

ついに戦場に到着したガラム王国軍。

兵士たちを指揮するアヤトは初めての戦争に心が付いて行かないでいた。

アヤトはどうなってしまうのか!!!

 草原の端にある林から続々と人影が現れてきた。数十分前に千里眼を使った魔法士からカイエン帝国が近くまで来ていると連絡があった。

「さぁお出ましっすね指揮官殿!」

 レタゲドは鼻息を荒くしていた。

「おいレタゲド力入れすぎるなよ。いつもの動きが出来なくなるぞ」

 俺が鼻で笑ってやるとレタゲドは笑顔を見せてくれた。

「指揮官殿、このレタゲド先陣切ります。よき頃合で合図、お願いします!」

「わかった。だがまだだ。まだ引き付ける。カイエン帝国の頭が見えてからだ。千里眼の魔法士からは後ろに陣取っているのがそうだと思われるという情報が入ってる。それが投石器の射程距離に入ったらレタゲドは先陣を切れ」

「わかりました指揮官殿!」

ぞろぞろと人影は数を増していき、目視でもしっかりと見えるところまで帝国軍は来ていた。

 徐々に人影は大きくなり次第に足音まで聞こえてきていた。

 ザッザッザと足並みを揃えて歩いているしっかりと統率の取れた兵士たちであることがわかる。軍事力にかなりの力を入れているのがわかる。屈強な兵士たちなのだろう遠目でも大きく膨れ上がった筋肉が見て取れる。

 足音が徐々に大きくなる。ザッザッザザザザさっきまで一定の速度で歩いていた敵軍が次第に加速していた。

 なに!こんな距離から走って来る気か!さすがに遠すぎる!タイミングがおかしい!

 ブーンという低い音が目の前で鳴ったこと思うとさっきまで遠くからこちらに向かい走っていた兵士たちがいきなり現れた。

「なんだと!!!」

 俺は驚きの声を上げるしかなった。

「くそ!向かい撃て!!!兵士行け!!!」

 大声で叫ぶ俺の声は悲痛な叫びに聞こえただろう。クソこんな何でもありな魔法使ってんじゃねぇ!!

 だが、こちらの兵士たちもただ黙ってやられるつもりはない。面食らってしまったものの後手に回ってしまったもののこちらとて訓練された兵士思い切り剣を振りかざし敵に向かっていく。

「うおおぉーーー!!!」

 雄たけびを上げ、相手の攻撃から剣で防御するレタゲドが見えた。

「レタゲド!生きろ!」

 俺はレタゲドにそう言い放ち自軍の魔法士を見る。ヤバイ。プシペィがあまりの状況に固まっている。

「クソ!レタゲド!俺は向こうに行く!絶対死ぬな!」

「わかりました指揮官殿!」 

 そう言ったレタゲドは防御していた剣で相手の攻撃をうまく往なし返す手で敵の腹部を両断してみせた。

「行ってきます! ご武運を!」

 そう言ってレタゲドは敵の軍勢の中に姿を消した。見送った後に俺はプシペィの元へ駆け出した。

 まだ固まってやがる!あのバカ!全然覚悟が決まってなかったんじゃないか!

「プシペィさん!」

反応が無い。

「プシペィ!!!しっかりしろプシペィ!」

大声で叫ぶ!ハッと我に返ったプシペィは状況を理解するのに必死のようだった。

「プシペィ!魔法士たちに指示を!うちの兵士たちは応戦している!兵士たちのフォローを頼む!」

 俺からの指示が聞こえたのかプシペィは魔法士たちに俺の言葉をそのまま伝えた。指示を受けた魔法士たちが一斉に光の矢を放つ。圧倒的劣勢から劣勢までは持ち直すことができただろう。だが、この戦い、このままだとマズイ。

 スピカルはどうしてる!?

「スピカルさん!どこですか!?」

「おぉ!アヤト殿!わしはここだ!」

と言いながらこっちに顔を向けていた。だが、体は敵の攻撃を受け流していた。そこにいたのは老兵などではなく、歴戦の戦士だった。スピカルもまた兵士だった。積極的に敵の軍勢に身を投じていた。

 よし。兵士たちはいきなり出てきた軍勢にもかかわらず思い切り日ごろの鍛錬の成果を発揮していた。

「投石器隊ようーーい!」

大声で投石器の兵士たちに指示を出した。

「放てぇ!!」

 俺の一声がひっかけでバシュンッという空気を切り裂くような音がした。大きな岩の影が戦場を縦断した。その直後、またあの低いブーンという音が響く。

敵兵の2陣目か!?

 ところが続いてくるはずの敵兵が来なかった。間に合ったか!

 敵の本陣と思われる場所に土煙が上がっていた。投石器の岩が直撃したのだった。

 よし次を打つ用意の指示を出さねば!!

「アヤト殿!ここは退こう!長丁場になれば我らの劣勢がよりひどくなるぞ!」

 やっぱりか…俺が甘かった…

「わかりました!おい!退くぞ!!退くのだ!撤退だ!!」

 くそ…何もできなかった…

 やっぱり異世界で無双するなんてアニメの世界だけか…どんな奴が指揮していたんだ…

 相手の本陣をにらむ。

 なんだと…あの恰好…おかしい。俺のこの服装がこの世界では異色だと思ってきたが、もう一人同じやつがいる…。

 なんてこった。どうしてこれを想像していなかった!!

 異世界転移者は俺一人じゃなかったのか!!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

なかなか進まないなぁ…なんて思ってしまうと思うんですが…

こういうところも大事だと思ってたりします。

面白いと思ってくれたら嬉しいです…

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