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玄関を開けたら異世界でした  作者: 鈴木寛大
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第1章 3話 旅立ち

ビターサン夫婦の家に泊めてもらうことになったアヤト!

いきなり異世界の魔法を目にして驚きを隠せない!

アヤトはどうなってしまうのか!

 翌朝、ご夫婦と一緒に朝食を食べてコカさんの仕事を手伝う準備をしていた。結局何の仕事か聞くのを忘れてしまったが大丈夫だろうか?

「コカさん、それでは今日からお仕事させてください」

「おぉそうじゃの。じゃあ手伝ってもらおうかの」

「ところでなんのお仕事をされてるんですか?」

「なに、畑仕事じゃよ。アヤト君もしたことあるじゃろて」

 正直一切したことが無い…この世界では普通に畑仕事をするものなのだろうか…先行きが不安だった。

 暑い…体力が…筋力が…こ、腰が…地獄のような仕事だった。ちょうど収穫時期の手伝いだったのと畑が相当広大だった。コカさんは魔法でひょいひょいと仕事を進めていくのに対し、俺はしたこともない仕事で、腰を曲げつつやっている。魔法なんか使ったことないしこれはキツい…

 仕事が遅く足手まといになっているような気がする。

「そろそろ休憩にしよか」

 コカサンのこの一言が本当にほっとした。

「疲れた~~~」

 汗だくでたぶん死にそうな顔してただろう。

「大丈夫かね? かなり疲れた顔しとるの。もしかしたら畑仕事したことないんか?」

「はい。初めてです。仕事遅くてすみません」

「いやいや、大丈夫じゃよ。むしろ手伝ってくれてありがとね。アヤト君が魔法使えないって言ってたからのぅ。体力使うかもしれないけど頑張ろうな。仕事は遅くても大丈夫じゃから」

「ありがとうございます。頑張ります」

 休憩の後、畑仕事を遅いながらも黙々とこなしていった。慣れてきたのか最後のほうは仕事のスピードも少しは早くなった気がした。そして夕方には家に帰っていた。家事も手伝おうと思ったが、想像以上の仕事内容で一切動けなくなってしまい夕食をいただいてお風呂ももらうことになった。風呂から上がり部屋に戻ると死んだように眠ってしまった。

 翌日、筋肉痛で思うように動かない体を引きずりながらなんとかコカさんの仕事を手伝った。さらに翌日、筋肉痛はやわらぎ仕事のペースも上がっていった。そんな居候生活をして3週間ほど経った。

「だいぶ仕事が早くなったのう。今日はもう上がろうか」

 まだ日が高いのにコカさんは言った。

「まだ日が高いですよ? いいんですか?」

「明日、行商人が来るんじゃ。行商人に作った野菜を売るんじゃ。行商人は王都に野菜を売りに行くんじゃの」

「王都…っていうのはあれですか?この王国の王様が住んでるみやこですか?」

「んだ。その通りじゃの。行ってみるか?」

「いや、ここの仕事もありますし…いきなり行くというわけにも…」

「ん~。婆さんに聞いてみるかの」

 コカさんは優しい笑顔で俺に応えてくれた。

「さて畑は今日は終わって明日の準備をしよう。さぁ、納屋に行こうかね」

「はい。わかりました!」 

 納屋に移り行商人に売る作物を餞別して袋詰めにする。難しいものではなかったが量が多かった。

「結構量がありますね」

「そうじゃろうのぅ。毎月売るんだけんども毎回量が多くてのぅ。さぁそれで最後だの」

 そういって作った玉ねぎを袋に詰めてその日の仕事は終わった。納屋から出てみると日が落ちかけていた。もう夕方だ。

「帰ったら婆さんに聞いてみようかの」

 あ、そうだった。行商人のこと聞かなければ。

ビターサン家に戻り3人で食卓を囲んでいた。

「あぁ、婆さんや、アヤト君を行商人に頼んで王都に送ってもらおうと思うんじゃがどうだべか?」

 いきなりコカさんがお婆さんに聞いた。

「アヤト君が行きたいんならいいんじゃないかの?」

 と笑顔だけど少し寂しそうな顔で答えてくれた。

「やっぱり少し寂しくなるのぅ」

 続けてコカさんもさみしそうに言った。

「いきなり来て居候させてもらってわがままばかり言って本当にすみません」

「いやいや、いいんじゃよ。手伝ってくれてありがとうな。子供たちが帰ってきたみたいで楽しかったよ」

 と笑顔でコカさんが言ってくれた。 

「本当にありがとうございます」

「明日出ていくなら夕食をもっと豪華にしたらよかったのぅ」

 チェリオさんも笑いながら言ってくれた。

「本当にいきなり来てここまでお世話になってしまって。ありがとうございます」

 それから他愛のない話をしながら食事をした。次の日、行商人を待ちながらコカさんと袋詰めした作物を納屋から出していたところにチェリオさんがやってきた。

「ほれほれ!これ!持っていき!」

 チェリオさんが小袋を手渡してくれた。

「これは?」

「ここで働いた分のお金だ! お給料だべ!」

「いけませんよチェリオさん! 私居候していた身ですよ」

「いいんじゃよ。わしが婆さんに言うといたんじゃ」

 とコカさんが言い始めた。そのまま続ける。

「婆さんとな、昨日の夜話してたんじゃが、アヤト君、この国の金を持ってないじゃろ? それで王都に行っても何もできないじゃろて。婆さんも良いって言ってくれておるしな」

「そんなことまで…。本当にありがとうございます!」

ビターサン夫婦が笑って俺にくれるものを断れるわけはなかった。こうしているうちに行商人がやってきた。コカさんが行商人と話していた。

 

「んじゃ頑張ってきいよ。話はついたからさ」

 作物を荷台に積み終わりコカさんが口を開いた。

「はい。ありがとうございます! ビターサンご夫妻、ほんの数日ですがよくしていただいて本当に本当にありがとうございます。行商人さんもよろしくお願いします」

 俺はすこし目頭が熱くなった。

「アヤト君、頑張ってきんさい。もしかしたら戦争になるかもしれないけど、ちゃんと生き残るんよ。王都についたら手紙待ってるからね」

 チェリオさんも涙ながらに別れの言葉をくれた。

「アヤト君や、わしはお前が本当の子供のように感じてたよ。だから頑張ってきなさい。王都に行ってもアヤト君なら何とかなる。 どんなことでもして生きていければ大丈夫だ。頑張るんじゃ」

 コカさんも涙が出るのを我慢しているような真っ赤な顔をしていた。

「はい。本当にありがとうございました!」

「さて、じゃあ行こうか。アヤト君とやら。わたしの横に乘りなさい」

「はい! よろしくお願いします。じゃあ行ってきます!」

「行ってらっしゃい!!」

 ビターサン夫婦に別れを伝え行商人の馬車に乗る。ゆらゆらと揺れながらどんどんと遠ざかっていくであろう数週間過ごした家を思いながら俺は涙を流してしまった。こんな暖かい人達と別れるのはやはり寂しい。行商人さんも空気を読んだのか何も言わずに馬車を進めてくれた。ふと後ろを振り返ってしまうとそこにはまだビターサン夫婦が家の外で馬車を見送っていた。

「行ってきま~~~~~す!!!」

思わず立ち上がり手を振りながら大声で叫んだ。

「ガンバレ~~・・・・」

と小さく聞こえた気がした。ご夫婦は手を振ってくれた。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

ここまでは準備してたので頑張って週1で頑張って書いて行こうと思います。

感想などがあればぜひ書いていただけると喜びます。

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