表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関を開けたら異世界でした  作者: 鈴木寛大
25/34

第3章 3話 帝国王との謁見

カイエン帝国の都に着いたガラム王国と捕虜一行。

これから始まる交渉はどうなるのか!?

アヤトはどうなってしまうのか?!!?

 ガラム王国の使者という言葉が効いたのか、城門の前で待った以外に待つことはほとんどなくすんなりとカイエン帝国王に会うことになった。

「この度は遠いところワザワザ…」

 と言って帝王の言葉は途切れてしまった。それもそうだろう。見れば自国の軍を率いて敵国の使者が現れたのだ。当然の反応だろう。

「突然来てしまい申し訳ない。この通りそちらの国の軍を連れ参上した。この状況がどういうことかお分かりでしょう?」

スピカルが冷静な口調で意地の悪い質問を投げかけた。

「グ…つまり、わが軍は負けたというわけですな…」

「その通りでございます、カイエン帝国王様。単刀直入に申します。わたしたちはアナタたちの国と同盟を結びに来ました」

「なに?! 同盟?!?!」

「はい。同盟です。人が自由に国と国を行き来し、国の産物を売り、またこっちの国の産物を買ったり、いわゆる貿易ですね、そういったことをしてカイエン帝国、ガラム王国の人を活性化させたいと思っています」

「素晴らしいじゃないですか!!そなた名前は何というのですか?」

「あ、名乗りが遅くなり申し訳ありません。わたくしガラム王国兵士指揮官を務めております佐藤アヤトと申します。隣のこちらがスピカルと申します。スピカルはガラム王国軍元帥でございます。そしてこちらはプシペィと申しまして魔法指揮官をしております」

「佐藤…不思議な名前でございますな…ちょうどうちの指揮官も聞いたことのない名前だったような…」

 福岡のことだろう…同盟の話の後に戦争のことを話したかったのだが…仕方ない。

「そうですね。それでは、先日そちらの国が仕掛けた戦争についての賠償などの話について先に話しますか。その、指揮官という男は私が打ち取りました」

「なに!?賠償!?指揮官を打ち取った!?」

「はい。わたくしが打ち取りました。そしてそちらから仕掛けてきた戦争についてはこちらにも被害が出ていますので負けた国がその責任を取るという形でお願いしたいです」

 直接的過ぎたか…いや、頭を覗いてみるか…

(こちらが仕掛けた戦争ではあるが…うちの財政は戦争によって軍に予算をかなり割いているハズ…どうしたら…そんな賠償を払えるか!?)

 なるほど。やはりそうなるか。

「賠償については直接払う形も取ろうと思ったのですが、いきなり一括で払うのは難しいかと思います。なので分割案も用意しております。ただ、分割になるとこちらが待っている側になるので利子は発生します。なので少し払う額は多くなりますね。あともう一つ考えがあるのですが、貿易の時にそちらから売る物に対して税金をかけるという手も考えています」

「アヤト殿、そんなことをいつ考えておったのですか?金の流れのこともお分かりになるのですか?!」

 スピカルは俺が言うことに驚きながらも関心していた。これは別に俺が考えたわけじゃなくて元の世界でこんなことをニュースで言ってた気がする…付け焼刃の知識をどうにかばれないようにしないと…

「ハハハ…ここに来るまでにちょっと考えてました」

「全然考えてるようには見えなかったわよ?」

 プシペィは不思議そうに聞いてきた。

「アハハハハハ…」

 もう苦笑いをするしかない…さて、向こうはどう出る…

「なるほど…こちらが仕掛けたのは事実である。賠償については少し考える時間が欲しい。その…こちらの軍隊についてはどうするのだ?」

 カイエン帝国王が聞いてくる。

「色よい返事を期待しておりますよ。捕虜については私の魔法で今から拘束します。返事を聞いた後に開放させていただきます。もちろんどんな返事でも大丈夫ですよ」

 悪役だなぁ…俺。さて、魔法をかけるか。

「それではこの捕虜たちに今から魔法をかけます」

 捕虜たちだけの時間を止めるよう念じる。その瞬間に捕虜たちがピタッと止まった。

「おい! アヤトとやら! 何をした!! わが軍に何をしたのだ!?」

「今、この捕虜たちの時間を止めました。このまま動けないし、全て止まっている状態です。もちろん魔法を解けばまたこの者たちの時間は動き始めます。それでは色よい返事を期待しております」

「グ…クソ…わが軍になんてことを…おい!こいつらを捕らえろ!!衛兵たち!!」

 カイエン帝国王が声を荒げて周りに控えていた兵士たちに命じた。

「スピカルさん、殺さない程度にどうにかできますか?」

 俺は早口で聞く。

「うーん。量が少し多いな、左を任せてよいか?わしが右を」

「わかりました。ソーマを持ってきます」

 俺はソーマを風の魔法で呼び出す。

「プシペィ、その場を動くな!」

 ビュンという空気を切り裂く音がした瞬間に俺の手元に巨大な斧ソーマが現れた。

 時間はほとんどかからなかったが、衛兵たちはもう近くまで迫っていた 

 俺はソーマを地面に叩きつける。その衝撃で床が割け下の地面から土が勢いよく飛び出る。

 衛兵たちが吹っ飛んでいく。ほとんどが吹き飛び、残った衛兵たちは驚きで動けなくなる。

 スピカルの方を見ると衛兵たちが全員地面に転がっている。スピカルは倒した兵士の上に腰を掛け一息ついている。一瞬であの量の兵士を…レタゲドが霞むほどの強さだ…

「ふぅ…アヤト殿こっちはとっくに終わっておる。ここの兵士は弱い!弱すぎる!!」

 スピカルが興奮している。兵士の血が騒いでいるのだろう…

「スピカルさん落ち着いてください!カイエン帝国王の前ですよ」

「おぉ!そうであった。すまない」

「さて、帝国王殿。この非礼どうしましょうか?こちらはまだ魔法士を控えております。まだ戦いたいというのなら相手になりますよ!!」

 語気を強め帝国王をにらむ。

「うぅ…これまでか…そちらの条件を全て飲もう」

 全てをあきらめたように帝国王は力なく言った。

「ありがとうございます。それでは私たちは少し疲れました。部屋を用意してもらえませんか?」

 我ながら本当に悪役だ…

「あ、あぁ…最高のもてなしをしよう…おい!こちらの者たちに部屋を!」

 それから城の使用人たちにおびえられながらも3人とも部屋に通された。

「あぁ…完全に悪役になってしまいましたね俺たち」

 俺はつぶやくように言った。

「はっはっは。まぁいいではないか! わしは楽しかったぞ!」

 スピカルは明るく話し始めた。

「あの…お二方も…守っていただき申し訳ないです。ありがとうございました」

 プシペィは頭を下げた。

「気にしないで下さい! あのときはあれが最善でした。それにしてもスピカルさんのあの攻撃、まさに神速でした」

「いや、何、わしもプシペィが見ていた本に書いてあったことを少し実行しただけよ。わしの時間を少しだけ速めたと言ったところかの」

 スピカルは自慢げに言った。

「プシペィ!誰にも見せないって自分で言ったじゃないか!」

「スピカル様はいいでしょう!しかも助かってたじゃない」

「ん~まぁ…いいのか?」

「ふっはっはっは!まぁ細かいことは置いておいて、さてこれからどうする?」

「ん~思いっきり今悪役なんですよねオレ達。とりあえず同盟が平和的に結べないのであれば少し催眠術を使うしかないのかな?とは思ってます」

 と俺が言うと二人は暗い顔になった。あまり良い案とは言えないのは俺もわかっている。

「やはり良い案とは言えないと思うんですが、どうしたらいいか俺ちょっとわからないんですよね」

「アンタが言い出したことでしょう?ちゃんとしなさいよ!」

 プシペィが口を開く。

「ん~、やはり無計画でしたか…。アヤト殿は少し自分の能力にかまけているんじゃないかね?とはいえ、わたしもアヤト殿に任せっきりで何も考えていないだが…」

 スピカルの言うとおりだ…俺は何も考えていなかった…

「はい…すみません…」

「はぁ…あんたはどうしたいわけ?!同盟を組みたいならそうやって話せばいいじゃないの!」

「俺がしたいことは同盟を組みたい。それで人々が活気付いてほしい。それをどうにか上手くしたくて賠償という話をして上手くことを運べないかなぁと思って」

 俺はやりたいことをそのまま言った。ただ、上手く伝えられてるのかわからない。

「アンタ!賠償なんて言っちゃって上手くいってないじゃない!次はアタシが話すわ!あんたのやりたいことを最重要で話すから安心して」

「ありがとうプシペィ。スピカルさんも本当に申し訳ないです」

「いや、わしはいいんだ。さて、少し休息の時間を得たわけだ。どれくらいかはわからぬが。各自考えつつ休もうではないか」

「そうですね…」

「わかりました!」

俺は自分のできなさに元気なく返事をしてしまった。プシペィはいつものように元気な返事だった。

 しばらく3人は思い思いに部屋で過ごした。部屋から出るとまた小競り合いになってしまっては困るので部屋にいた。

 コンコンと部屋の扉が鳴ったのは日が落ちてしばらく経ってからだった。

「はい」

 スピカルが返事をすると扉が開き一人の兵士が立っていた。

「夜遅くにすみません。緊急に会議になりましてぜひお三方にも参加してほしいと王がおっしゃっておりまして、どうでしょうか?」

 兵士が早口で要件を話した。

「夜中に会議か…どういうことだろうか?」 

 スピカルが疑問を口にする。

「はい。わが帝国は会議は夜中にやるというのが習わしでして…」

「なるほど。どうする二人とも」

「あたし行きますよ!」

「もちろん俺も行きます」

「なるほど。では行くことにしよう。もし、お主の言うことが嘘だった場合はその場にいる者たちに血の雨が降ることになるがよろしいかね?」

 スピカルが兵士を脅していた。夜中に会議と言うのはやはり怪しい。

「わかりました。それではご案内します」

 兵士は額に汗を浮かべ、震えていた。


最後まで読んでいただきありがとうございます!!

話は面白い方向に進んでいると思うんだよなぁ…

もしよかったら評価なんぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ