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玄関を開けたら異世界でした  作者: 鈴木寛大
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第2章 8話 魔法使いの弟子

パップから伝説の斧ソーマをもらったアヤト

最後の食事を食べながらパップから魔法に関しての本も貸してもらった

さぁ今回のアヤトはどうなるのか!!!

 小屋を後にするときにパップは少しもさみしそうな顔を見せなかった。いつも通りにまたこの人は一人に戻るのか…。さみしいと思う気持ちはとうに捨てたのか…俺はそれについて考えても答えが出ないことはわかっていたが頭の中からはそれが離れてくれなかった。

「さぁ、行ってらっしゃい。また会える日を楽しみにしているよ」

「そういうことを言うと大体俺が死んでしまうんだけど…まぁいいです。また会いましょうDR.パップ。その時は楽しくご飯が食べられると嬉しいですね」

「皮肉かな?アヤト。大丈夫。今のアナタは絶対に誰にも負けない。それくらいにバケモノになっている。くれぐれも軍関係者以外にはそのバケモノの片りんを見せないほうがいい。嫌われてしまうぞ」

 嫌われる…たぶん過去の経験からなのだろう…

「わかりました。気を付けます。それじゃ!」

「うん!!またね!」

 そう別れの挨拶をかわし俺は小屋を後にした。ふと後ろを振り返るとそこに小屋は無く、ただ小高い丘に俺が一人で立っているという奇妙な感じになっていた。

「さて…」

 帰ろう。月は相当高い位置にある。本当にあの日から変わってないのか不安だった。

 兵舎に帰ろうと思い歩き始めると地面に足が埋まる。

「うわ!?なんだこりゃ?!」

 思わず声が出る。埋まった場所を見るとどうも、歩き始めようと地面を蹴るときに力が強すぎて足が土に埋まってしまったのだ。兵舎に帰るだけで一苦労なのが目に見えてわかった。

 兵舎に帰る頃には月は地平線に隠れ新しい朝日が顔を出していた。辺りがオレンジに染められ、元の世界では見られない綺麗な風景に目を奪われた。

 土の地面から王都の石畳の地面になると歩くのは楽になった。ただ何も気にせず歩いて石を何個か割ってしまった。

 兵舎につくとよく見る面々が寝息とイビキのオーケストラを奏でていた。ちょっとここでいたずらを思いついた。

 数十秒後みんな一斉にウワァ!という声で起きた。

 俺はみんなの夢を操作し悪魔を夢の中に呼び出してみたのだった。笑いが止まらない俺を見て寝ぼけ眼の兵士たちはまた眠りに着こうとする者、怖くて寝れない者ボーっとしている者と様々だった。魔法は確実に自分に身についているいい実験になった。

「あ!指揮官殿!おはようございます!もう元気みたいっすね!」

 レタゲドの一言であの日、俺がすべてを投げ出しそうになった日から変わっていないのがわかった。

「おう!レタゲドおはよう。もう元気だぞ!ついでに相当強くなったぞ!」

 早く俺の強さを見せたくなってしょうがない。なぜかワクワクしている俺を見て不思議そうなレタゲドが面白くてしょうがなかった。

「なんか楽しそうっすね!朝からいいことっす!」

「ようレタゲド! 今日の昼、サシで試合しないか? 武器アリで」

「マジっすか? 俺っち結構強いっすよ?」

「じゃあちょうどいい。今日の昼な」


 その日の昼にレタゲドと訓練場で一対一の試合を行うことになり、兵舎は魔法士、兵士入り乱れてのお祭りムードになった。今まで指揮はしていたが自ら戦ったことのなかった指揮官と撤退したとはいえかなりの戦果を挙げ兵士筆頭と言っても良いと思われるレタゲドとの対戦は撤退し葬式のように沈んでいた兵舎を活気づけるいいきっかけになった。

 その噂を聞き、スピカルも顔を出してきた。

「アヤト殿、正気かね?指揮官としてのアヤト殿の腕前は目を見張るものがある。もちろん発明にしてもそうだ。ただ、正直にいうと白兵戦での腕前は見たことが無い。わしはどうも心配でな…」

「スピカルさん、僕は今日から、負ける戦いはしないですよ。今日はもちろん。カイエン帝国とも」

 なぜかわからないが自信が溢れてくるようなそんな感覚だった。

「心強いですな。それではわしも客席で観戦させてもらおう」

 スピカルは穏やかな笑顔で去って行った。そろそろ時間だな。俺は巨大な斧、ソーマを肩に担ぎながら訓練場の闘技台に向かう。

「おぉ~~!」

 闘技台の周りには人だかりができていた。

「ム?あの斧…まさかソーマか!?」

 スピカルの声はひと際大きく聞こえた。やっぱりスピカルは知っていたのだ。

「おぉ~ずいぶん大きな斧っすね!使えるんですか?そんなに豪華で重そうな斧」

 闘技台に現れたレタゲドは不思議と笑顔だった。

「まぁ見てな。たぶん何もできないぞ」

「ずいぶんな自信っすね!まだ戦ったところを見たことないっす!ぜひ見せてください!」

「それでは始めようか!」

 審判を頼んだプシペィが口を開いた。

「ルールは、どちらかが降参するか、どちらかを戦闘不能にするかだ。相手を死に追いやることはこちらが魔法で止めさせてもらう。それでは……はじめっ!」

 プシペィの開始の合図で一気に間を詰めてきたレタゲドは長剣を振り上げ俺の頭を狙っていた。寸前で止めるつもりなのが見てわかった。

「おい!止める気だろ!本気で来い!」

 つい口から出てしまった言葉だった。レタゲドは動きを止めた。

「わかったっす。後悔しないでくれっすよ!」

 振り上げていた長剣で思いっきり切りかかってきたレタゲド。

 その剣をソーマで受ける。ガキンという金属音とともに火花が飛び散る。

「軽い!」

 そのまま斧でレタゲドの剣を跳ね除け斧で横に薙ぎ払う。

 レタゲドは読んでいたのか宙に舞い上がった。

「それは悪手だ、レタゲド」

 レタゲドに向かって言うと同時に斧の腹の部分をレタゲドの腹に打ち込んだ。

「ウグ」

 短くうめいたとレタゲドはその衝撃をどこに逃がすこともできず思い切り飛んでいった。そのまま俺もレタゲドを追い、走りこんでレタゲドの落ちると予想できる場所に立つ。

「早いっす…」

 観念したようにレタゲドは頭を下げた。

「もう降参っす。さすがに早すぎるっすよ」

「それまで!」

 プシペィの試合終了の合図。

「うおぉぉぉ~~~!」

 それまで静かに俺たちの戦いの行方を見守っていた観客の兵士、魔法士たちは驚きと興奮の雄たけびを上げた。

「まさか神話の中の斧ソーマを持ち出してくるとは…アヤト殿はどうも人間離れしておられる。それはどこからもってきたのですか?」

「はい。DR.パップという方から譲り受けました」

 正直にスピカルに話すとスピカルは目を丸くして驚いていた。

「伝説の魔法使い、この世界の始まりと終わりをつかさどる魔女。いろいろな呼び名があるあのDR.パップですか…。ソーマと言い、DR.パップと言い…アヤト殿、この一夜で何があったのかは想像ができないですが、強くなって戻ってきていただき感謝しますぞ」

 スピカルは驚きつつやはり笑顔で答えてくれた。

「伝説の斧なんて卑怯っすよ…でも魔女にもらった斧ってことは指揮官殿、魔法とかも教えてもらったっすか?」

「あぁ、一応な。最強で最高と自分で言っていた魔女から教わったからまぁある程度はできるんじゃないか?」

「ちょっと魔法を見せてください!」

 この話をずっと聞いていたプシペィが話に割って入ってきた。

「あの伝説の魔法使いから魔法を教わったなんてそんなのもし本当なら凄すぎるわよ!」

「そもそもプシペィ殿。あの伝説の魔法使いは本当に存在する方だったのですか?伝説の類、民話の類かとおもっておったが」

「スピカル様、その通りなんです。あの伝説の魔法使いっていうのは見たことがある人がいないのです。だからこの話がもし本当なら、もしアヤトが教わっているならこの世界で敵う者はいなくなってしまうほどの人物になってしまっているハズです」

「ん~何を見せればいいのか…あ!じゃあやってみますね!」

 また面白いいたずらが思いついた。腕を上げ指をパチンと鳴らす。その数秒後そこにいた全員が顔を真っ赤にした。プシペィ、レタゲド、スピカルも例外じゃなかった。

「いいものが見れたかな?」

 俺は得意気に言った。

「バカじゃないの!」

 プシペィはまだ顔が赤かったが、怒ってどこかへ行ってしまった。

「今のは…アヤト殿が?」

 スピカルも顔が赤かったが冷静な口調で聞いてきた。

「そうです。男の人には女性の女の人には男性の入浴しているのをイメージしたものをみんなの心に投射してみました」

「なんともいたずらっ子の発想ですな。ただ、この規模での魔法が使えるのはすごく心強いですな。ちなみにもう一度わしに見せてくれることは可能か?」

 スピカルの顔は今、軍最高位の元帥とは程遠いそこら辺にいるスケベなおっさんの顔になっていた。

「もうスピカルさん。今の顔、女の部下たちに見せたら幻滅されますよ?」

 少しだけ釘を打ちつつ、さっきのイメージに少しサービスをしてスピカルに見せてみるとスピカルは鼻血を出しながら幸せそうな顔で倒れてしまった。

「あ!スピカル元帥殿!どうしたっすか!!」

 レタゲドは心配そうな顔でスピカルを抱き起こした。

「あぁ、アヤト殿、今わしは幸せだ。まさかこんなので倒れてしまうとは…」

 その間ずっと腹を抱え涙を流しながら爆笑していた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

面白かったら嬉しいなぁ…

面白くしているつもりなのだけれど…

どうなんだろう( ˘•ω•˘ )

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