指揮者って、後ろ向きだから
今日は流石に寒い。
テレワークをしている方たちからすると、出なくてもいいかもしれませんが、違った意味で大変だと思いますが、頑張りましょう。 私はテレワークが出来ない業種なので、分かりませんが。
王宮よりの召喚命令を受けたマサル達は、ひとまず王宮を目指すことにした。
行くのは、マサルとジョアンナの二人。
それ以上行くと、運営に不安が残るために連れて行けなかった。
「今度は何を言われるかな?」
「それはわかりませんわ。 ですが、今回のグループを作った事は言われると思います。」
「そうだよね。 まあ、仕方がない。 頑張りますか・・・。」
「はい。 お供します。」
控室を出ると、謁見の間への廊下を歩く。
途中ですれ違う城の使用人たちは、マサル達を見ると道を開け、頭を下げていった。
その行動が続くと、近くのジョアンナに聞いた。
「・・・これも今回の派閥の件?」
「それはあると思いますよ。 最大派閥ではありませんが、無視をして良いほどの規模と影響力ではありませんしね。」
「そうか・・・。 これは会見は荒れるかな?」
「・・・。 頑張ってください。」
「そこは助けようよ・・・。」
そんな事を話しているうちに謁見の間に辿り着いた。
謁見の間の前には、衛兵と共に執事が待っていた。
「お待ちしておりました。 準備はよろしいでしょうか?」
「はい。 よろしくお願いします。」
「畏まりました。」
執事がマサルに会釈をした後で、衛兵の二人に目で合図をすると、二人の衛兵は扉を押し開く。
いつもの宣誓の後にマサルは入場する。
廊下の中ばほどで、跪く。 ジョアンナも右後ろで同様に跪き、頭を下げた。
「マサル・アバロン。 御召しにより参上いたしました。」
「ジョアンナ・アバロン。 夫と共に参りました。」
宣誓を行うと、玉座に座った獣王が発言をした。
「二人共、よく来た。 この度は貴殿が作った派閥についてだ。」
「はっ、ですが中核をなす方々は、我らが取引を続けてこられた方々です。 今回、派閥という事で集まりましたが、特に問題はないと思いますが?」
「うむ・・・。 確かに。 だが、おぬしが立ち上げておる派閥が思いのほか大きい。 しかも我が国の中でも比較的裕福な家が、多く名を連ねておる。 それは我が国の経済の多くを握る形になっておる。 それでは我が国は、貴公に握られた状態だ。 そうなると、我らは貴殿の気持ち次第で終わってしまうのだよ?そこは考えが及ばなかったか?」
ここまで王が話すと、周りにいた貴族達が口々に訴えた。
派閥は様々だが、マサルの派閥に所属していない貴族は、多くはギリギリか少し足りない領地の者が多いので、比較的に余裕のある取引がしているマサル陣営のグループは突き上げの対象になっていた。
当然、陣営内の利権を渡せとか融通しろと、声高に叫んだ上に補償金を収めろという者まで出た。
「・・・。 王は彼らの言う通りに我らの派閥に上納金を収めろと?」
「そこまでは決めておらんが、自主的に収めてくれるとありがたい。」
「そうですか・・・。 ですが、それは出来ません。 彼らや我らも日々の努力の成果です。 他の方々が努力していないとは言えませんが、だからと言って彼らの努力の成果を差し出せとは。 暴論です。」
「なんだと!貴様!誰に物を言っている?!」
「ふざけるな!上級貴族のいう事が聞けぬのか!」
「では、その権威で自身の領地を栄えさせれば、よろしいのでは?」
「貴様・・・!言わせておけば!」
「辞めよ。」
「しかし!」
「辞めよと、言っておる。」
「はっ!」
王からの止めの指令は、やはり貴族側も受け入れるほかなかった。
しかし、それでもマサルやジョアンナを睨む貴族が多く居た。
王も自身の派閥を含めて余裕がない事は分かっているから派閥の者からの訴えが無視が出来ない。 王としてもマサルの派閥が、自主的に上納金を収めてくれることが望ましいが、その要素がない。 彼らからすれば、収めても利点がない。 これではどうにもならない。 王もマサルに利点や理由が、説明が出来ないから余計に進まない。 普通に自分らが上手く経営できないからお前たちの上前を寄こせと、言われて払う訳もない。 それが分かっていたから自主的にと伝えた。
「貴殿らの爵位を一段上げる。 その上で貴殿の派閥貴族の爵位を永代継続位にする。 これはありえない事だぞ。 どうじゃ?」
「・・・。 対価はいかほどに?」
「純利益に半分ではどうじゃ?」
「話になりません。 3割が限界です。 それ以上ならいりません。 それに期限がなければ、承知しませんよ。」
「分かった。 3割だ。 期間は10年だ。 それで手を打て」
「畏まりました。」
こうして、実質的な経済的な依存(仕送り)を我が派閥が行う事になった。
我が派閥が、軍事・経済共を手中にした瞬間だった。
獣王国の経済を一つの派閥が、独占しているのと同じ状態となった。
「マサル殿!今回の事を承知されたのですか?!しかも爵位しか報酬がないですし!」
「そうです!10年という期限が付きましたが、搾取されることは目に見えています!」
「確かに・・・。 しかし、陛下は期限を決めてくださいと言った際に10年を提示した。 無期限やもっと長い時間を設定しても良かったのに・・・。 少し様子を見よう。 幸いな事に貴殿らの領地は面している。 手出しをしてきたらこちらも手をお貸しする。 様子を見ようと思う。」
「マサル殿がそういうなら・・・。」
「分かりました・・・。」
「理解を示してくれて感謝する。」
マサルの説得で初期から取引をしていた貴族の当主たちが承諾した事で、後から加わった貴族は承服しかなかった。 あとから加わった者もマサルの特産品ともいえるものの、生産拠点を設けることが出来たことと、共に同輩となった隣接する領地からの流通と人が、出来たことで豊かになった。 彼らもここで出て行くには悪すぎる。 マサルの軍事力が使える利点も捨てがたい。 その為に従うことにした。 裏切りは多くの代償を払わされることを知られているから。
「こちらが纏めて収めるので、私にお願いできませんか?」
「マサル様が代行されるのですか?」
「個々で出すより私の方が妨害をされずらい。 勿論、書面でどれだけ受け取ったかは記録に残す。 それならば、不平は出ないはずだ。」
「分かりました。 よろしくお願いします。」
「頑張らせて頂きます。」
こうして、今後の事を含めた上納金を収めることが決定した。
しかし、当然の事のように期間の延長を望む声が大勢を占めていた貴族達は、王宮に対しての陳情が多く寄せられた。 しかし、彼ら自身もお金よりもマサル陣営の生産技術が欲しいのが、現状であった。
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