宣戦布告
さむいです。
私的ではありますが、『ゆるキャン』のドラマ版が始まります。
個人的には、楽しみにしております。 漫画の方は8巻まで持っておりますので。
楽しみです。
誘拐未遂犯の使者が帰った後、アバロンでは戦の準備がされていた。
しかし、少し鬼気迫るものがあり、どうしたのかと隊員に聞くと、どうやら誘拐未遂の使者が連れて行こうとしたメイドさんの一人が、隊員の中での高嶺の花と目された女性だったらしく、それを体を張って守った警備兵の男性が、彼女の心を得る事が出来た。 との事。 その恨みつらみが使者の方に向き、鬼気迫る戦闘準備に繋がったらしい・・・。
「なんか当初と違ってはいるけど、戦意向上したという事にするか・・・。」
「領主様、王宮から軍部の方がお越しです。」
「すぐ行く。」
領主舘に戻ると、応接室に王宮で軍を統括する軍部の要人の獣人さんが来ていた。
「これはこれはようこそいらっしゃいました。 領主のマサカツと申します。 王宮よりとのことですが、いかがいたしました?」
「・・・。 まずは彼らの対応を押し付けた事を詫びをしたい。」
「気にしないで下さい。 彼女達を引き入れたんです。 避けられません。」
土下座をしようとしていた熊獣人の軍部要人さんに優しく語りかけた。
そして、決意の目をしていたことを確認した使者さんは、立ち上がり握手を求めてきた。
「ありがとう。 マサル。 いや、マサル・アバロン伯爵。 もし事後で困った事が発生するだろうからそこは我々が対応しよう。 決して悪いようにはしない。 誓おう。」
「分かりました。 その際はご助力、期待しております。」
「ああ、王宮に。 我が王に直接お伝えする。 今日はありがとう。 さらばだ。」
「はい。 誰か!使者殿をお見送りして。」
「かしこまりました。」
待機室にいた兎人族のメイドさんが現れて、使者さんを誘導していく。
使者殿も屋敷を出る馬車に乗り込む前にマサルの方を向き、一礼して乗り込んで去っていった。
「領主様。 件の使者がアバロン領に入りました。」
「そうか。 早かったな。 まあ、聞いてやろうか。」
「御意。」
影から現れた一人の獣人男性。
情報収集を担当する部署の者で、領地に入る前から見張らしていた一団が入ってきたと、報告してきたのだからこちらも準備をしないといけなかった。
流石に使者だから傍若無人な振る舞いはしていなかったが、一つだけ気になった事があった。
「なんで女性なんだ?」
そして、その一団が国境警備隊の報告があり、出迎えの部隊を差し向けた。
向かう際は、全員がいきり立っていたが、帰還時は困惑した顔をしていた。 それもわかる。 使者が女性であることに困惑しているのだ。 最初の使者がそういう使者だからということもあるが。
馬車は館の前で止まり、降りてきた女性は明らかに10代の女性だった。
「貴殿が、マサル殿か?」
「はい。 そうですが。 そちらは?」
「失礼した。 開戦の使者で来た遊牧戦士団・ビフ族族長の娘で、ララという。 よろしく頼む。」
「立ち話の何ですからこちらへ。 案内を。」
「はい。領主様。 こちらへ。」
ひとまず自己紹介をしたのちに彼女らを連れて応接室へお連れした。
使者も彼女と従者の女性2人のみで馬車の御者を抜けば、護衛兵もいない状態だった。
「すごいですね。」
「なにがだ?」
「護衛の兵を連れていないからですよ。」
「そうか?ああ、彼女らがいるから平気だ。 ふたりは強いぞ。」
「成程、従者が護衛を兼ねているんですね。 それも凄い。 ここは敵中ですよ?」
「殺すつもりならいくらでも出来ただろう?知っておるよ。 見張っているのを。」
パンパン
「バレているとよ。 出てきな。」
「バレていたとは驚きです。」
マサルは手を叩くと、初老の男性が執事服を着て現れた。
それも残念そうにしながら。
「彼の追尾を気づいていたとは、優秀なのですね。 そちらさんは。」
「そうでもないさ。 うちの部族は弱肉強食。 弱ければ殺される。 自分で守る術を手に入れねば、殺されかねん。 彼女らも混血というだけで、ひどい仕打ちを受けていたんだ。 彼女を守るために自分の侍女にしたのに、今では私が守られている。」
「「すべてはお嬢様の為に」」
「・・・。 慕われているようですね・・・。」
「彼女達しか頼れないからな。」
「いい加減、本題に入りましょう。 世間話をしに来たわけではないでしょう?」
「そうだな。 そうしよう」
「まずはお茶を。」
テーブルにある鈴を鳴らすと、待機室のメイドが現れ、人数分のお茶と軽食を置いてから一礼して待機室へ去った。
互いに茶を飲み、軽食を食べたのちにララは決意の顔をして顔を上げた。
「今回は開戦の使者でもあるが、実は私のもう一つの目的があるんだ・・・。」
「ほう?お伺いしましましょう。」
「この戦を避けられぬか?」
「そちらの出方次第です。 そちらの要望は?」
「こちらとしては、姫騎士殿が私の兄に輿入れしてくれれば、良いからそれで収めぬか?」
「それは無理です。 彼女は私の妻になりました。 妻を売りません。」
「では貴殿の側近の中の一人を出さないか?」
「喧嘩を売ってます? あなたも同じ状況で後ろの彼女のどちらかを渡せますか?」
「しかし、互いに無理だと言っていては進展しないし、無用な血が流れるだろう!妥協点はないのか?」
「貴殿らが無用な侵攻をしなければ、平気ですよ。 そちらは妥協しないのですか?」
その後も対話が続いたが、解決策が出なかった。
それどころか、族長娘主従はここに居たいと言い出した。
「帰りなさい!君ら敵になるでしょうが!」
「嫌じゃ!我はここにいる!」
「お前らもなんか言え!」
「「我らはお嬢様と共に」」
「そうだよな!分かっていたよ!畜生!」
こうしてこの主従も戦闘前なのに、敵方なのに、居座ることになった。 本当に良いのか?
とはいえ、宣戦布告書は携えていたので、開戦は決定した事は事実だ。
「何か締まらないけど、叩きのめしてやる!」
「分かった。 行く末を見届けよう!」
「お前は帰れよ!」
色々締まらなかった・・・。
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