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撃鉄の響く戦場にて  作者: KY
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王宮の呼び出し要請

少し機嫌の悪い人をどう説得をするかをまた少し頑張ります

アバロンへ戻り、書類の群れにおぼれ、ひたすらにストレス発散で新兵訓練に参加し、新兵をぶっちぎりで勝ちまくった。 その為、訓練教官をしている連中に摘み出され、不貞腐れている所を副指令に見つかってしまい、叱られる日が数字続いたある昼下がり、「豪華な装飾を装飾された馬車が、街に入ってきた」との報告が門から入ってきた。


「この時期に来たという事は、今回の戦争の事だよね?」


「それ以外にありますか?」


「ですよね・・・。」


こうして、王宮からの使者殿をお迎えした。

当然、高飛車な人は来なかった。 流石にあれだけの事をした相手にそんなことをしてこないとは思ってはいたが。


「この度は我が国の窮地を助けて頂き、ありがとうございます。 つきましては国王陛下より直接授与したいとの申し出があり、申し訳ありませんが、王宮へお越し頂けないでしょうか?」


「そうしたいのは山々ですが、被害も大きく、復旧に時間がかかっており、赴くことはかないません。 申し訳ございません。」


「えっ?いや、王宮からの招聘を断るのはちょっと・・・。」


「ですが、こちらが出向くにも行く手段がないですし、馬車では時間が掛かりすぎますので。 お構いなく」


「えっ?へっ?」


「お帰りになるそうだからご案内して」


「はっ!」


そういって、従兵の一人に街の外まで案内をさせて、そのまま追い出した。

そして、そのまま復旧作業に従事する。 使い物にならない貴族を処分させるために利用される事にも怒っているが、調子の良いことに『来い』とか言われた事も腹立つ。

様々な感情もあり、拒否した。 その後は副指令の家族を筆頭に来訪することを承知してくれるように説得する文が沢山届いたらしい。 彼らは指令が怒っている旨を伝え、現状も機嫌が直っていない事を伝えたらしい。 その為に王宮の中でもアバロンというよりマサルの扱いが、表題になった。


獣王国・王宮内


「こちら側の招聘を断られたと・・・」


「申し訳ありません!」


使者として、赴いた男爵の男性は恐縮していた。

彼等からしたら断わられることがありえないから。

しかし、マサルは断った。 その後に使者を派遣する前に説得を依頼した向こうに渡った獣王貴族の庶子や3男以下や次女以下の娘や息子を出した家に出したが、共に指令であるマサルが、怒っているために行かないとの、頼りしか来なかった。 唯一の希望は、副指令の座に就いたジョアンナくらいで、それでもあまりいい返事が来なかった。 王家や国が、マサルを怒らせている事と、それを改善しない限り、また物資をまた止めかねないとも言ってきた。


「どうすればよいか・・・。」


「何を怒らせているかも分からなければ、どうにもなりません。 彼らの国への貢献度はすでに群を抜いている上に、すでに彼らの報償を払っていない事も市井に伝わりつつあります。」


「それはまずいの。 それが確証となって民に伝わったら国が亡びる。」


「御意。 ですが、マサル殿が怒っている事も複数の証言があり、そこをどうにかしなければ、どうにもなりません。」


「また、誰かを派遣するか?」

 

「多分、それは余計に危険です。 今の我が国はアバロンからの物資で、生き永らえている状態です。 これ以上、機嫌を損ねるのは危険です。」


「まずはジョアンナに文を書き、睦言でも良いので機嫌を良くなることを知らねばなりません。」


「わかった・・・。 手紙を出そう。」


こうして、一貴族の娘だったジョアンナは、王から手紙を受け取ることになった。


アバロン・トールハンマー副指令執務室


「はあ・・・。」


彼女は溜息をついている。

机には王家を示す封蝋がついている手紙がある。 開けてもいないのに彼女は内容が、分かっていた。 機嫌が悪いままの指令の事だ。 王宮からしたら一番の功労者来なければ、手柄が平等にしたという宣伝が出来ない。 彼ら不在で行ったことが、民に分かれば、一気に人心や求心力を失う。 マサルは行きたくないと、使者に伝えてしまったことで、余計に難しいものになり、こちらに来ている者たちは、家族から説得をするように言われているが、マサルが機嫌が悪い顔で歩いているために声を掛けられない。

自動的に近くにいる私に来る。


「私だって、無理よ。 マサルが機嫌が最高に悪いのに、どうしろと?」


「体を出すだけで機嫌が直るなら全然、差し出すけどそれでもむりそうね・・・。」


「でも、機嫌が悪い訳も聞かないと、どうにもならないか・・・。 行かないとだめね・・・。」


重い腰を上げて、マサルのいる指令執務室に向かうことにした。


「失礼します。 指令、いらっしゃいますか?」


「どうぞ」


執務室の扉を開けたのは、少年の従兵だった。

しかし、その顔は恐怖に少し引きつっていた。


「ありがとうね。 指令は?」


「あちらで執務中ですが、機嫌が悪くて・・・」


「そう、ありがとうね。 お茶をたのむわ。」


「かしこまりました。」


従兵の少年は、怒りで渋い顔をしている上官から少しでも離れていられることを喜んで、執務室を離れていった。


「私は機嫌の悪い方の気持ちを聞きに行きましょうか。」


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