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第20章:灰の門 ― 地獄の官僚機構株式会社

いつも応援ありがとうございます!白石ソラです。

灰の門をくぐった先は、まさかの…魔界株式会社 魂・契約・永劫の懲罰部門(中央支社)!?

赤く脈打つ空、ガラスみたいな岩、そして天界と変わらない地獄の行列…29.00%でついに13階、玉座の扉の前へ!Xもやってます→ @Sora_no_TENKAI

灰の門は、門には見えなかった。


壊れたアーチのように見えた。古い雲の折り目の中に半分埋もれ、天界のどこでも見たことのない種類の細かい灰に覆われていた。煙の灰じゃない。忘却の灰だ。誰ももう触れないものの上にだけ積もる種類の。


「本当にここなのか?」俺はアーチを見て聞いた。俺の身長もないほど低く、少なくとも三ヶ所でひび割れていた。


「間違いない」ミカが、袖で灰を少し払い、その下にほとんど消えかかった刻印を現しながら断言した。「灰の門、使者のルート、無効化されたのは……まあ、年はもう読めないな」


ラドゥエリエルがアーチ全体を嗅ぎ、尻尾をわずかに逆立てた。


「まだ動いてる」彼女は確認した。「古いことが壊れてるって意味じゃない。ただ忘れられてるってだけ。忘れられてることは、この場所では、時として一番安全なことでもあるのよ」


アーチの中の空っぽの空間を見た。向こう側の灰色の雲しか見えないが、よく見ると、微かに揺らいで見えた。天界には決してなかった、真夏の日に暑気で地平線が歪むような、あの揺らぎ方で。


「俺が渡ったら」俺はミカに言った。「お前はどうなる?」


「俺は残る。もし聞かれたら、お前の不在を説明する誰かが必要だ。そして、お前が戻って来た時に、ここにいる誰かもな」


「戻って来た時」


「わざと『時』って言ったんだ」


俺は彼を抱きしめた。素早く、不器用に。二人とも上手にやれるほど練習していなかった抱擁だったが、それでも通じた。


「ラドゥエリエルに気をつけろ」彼は俺の耳元で囁いた。「あいつ、計算されたリスクが好きすぎる」


「聞こえてるわよ」彼女は、振り向かずに言った。


アーチをくぐった。


感覚は、長い間暑い場所にいた後に、とても冷たい水に飛び込むのに似ていた――ごく最近手に入れたばかりの固い体の隅々にまで走る衝撃、胸の締め付け、完全な暗闇の瞬間、そして、その向こう側の、熱。


心地よい熱じゃない。存在する熱だった。空気の中に重さを持って存在し、皮膚を――今や本物の俺の皮膚を――今まで感じたことのない形でチクチクと刺す熱。


全く見たことのない場所で目を開けた。


それが空と呼べるものなら、空は深い赤で、ゆっくりと脈打つオレンジ色の光の筋に切り裂かれていた。まるで大空自体が心臓の鼓動を持っているかのように。地面は雲じゃなかった――暗い岩で、所々ガラスのようで、そこには赤い輝きが下から漏れ出す亀裂が走っていた。決してきちんと塞がらなかった傷口からの血のように。


そして、目の前に、あの赤い空を背景に巨大にそびえ立っていたのは、建物だった。


建物。本当に最も官僚的で恐ろしい意味での建物――暗いファサード、完璧な列に並んだ窓、くすんだ金属の扉の正面入り口、そして、その上に、黒曜石に彫られ、内側から炎を灯されたように見える文字で、看板が掲げられていた。


魔界株式会社 ― 魂・契約・永劫の懲罰部門(中央支社)


「これって……会社なのか?」俺は、思っていたより弱い声で尋ねた。


ラドゥエリエルが門からすぐ後ろに実体化し、明らかに不快そうに空気を嗅いだ。


「魔界は組織化されたのよ」彼女は言った。「二百年くらい前だって言われてる。永遠の苦しみは、純粋な混沌よりも企業構造の方が儲かるって気づいたの。より効率的に。より……彼らの言葉を借りれば、持続可能にね」


肩の上のピイが片目を開け、建物を見て、また閉じた。明らかに、それは自分の問題じゃないと決めたのだ。


入り口まで歩くと、金属の扉が、蝶番がきしむ音を立てて勝手に開き、赤い低い光で照らされた巨大なロビーを現した。中には――これは予想していなかったが――列があった。


本物の列だった。天界の登録局の列と大して変わらない。ただ、完全に様々な形の悪魔で構成されていることだけが違った。人型で角のある者もいれば、輝く目を持った純粋な影に近い者もいる。全員が何らかの書類を持ち、俺が滞納した税金の処理を待つ天使たちに見たのと同じ、永遠の疲労の表情を浮かべていた。


ロビーの奥には受付カウンターがあり、悪魔の秘書――灰色がかった肌、小さく湾曲した二本の角、鉄の鎖に下げた眼鏡――が、目を上げることなく書類にハンコを押していた。まさに天界の職員がやるのと同じやり方で。


「これって……」俺は言いかけた。


「同じだわ」ラドゥエリエルが、恐怖と魅惑の入り混じった声で続けた。「分かってたはずよ。システムはシステムなのよ。深淵のどっち側で動いていようとね」


カウンターに近づくと、秘書はようやく目を上げ、恐ろしくプロフェッショナルな速さで俺たちを評価した。


「予約はないわね」彼女は問いかけではなく言った。


「ない」俺は認めた。


「魂はどの部署? 懲罰、契約、それとも苦情?」


「どれでもない。ただ……と話す必要があるんだ」躊躇した。名前は知らず、噂しか知らないことに気づいて。「新しいロードと。最近来た」


秘書はハンコを押すのをやめた。


より注意深く俺を見た。下げた眼鏡越しに目を細めて。


「あなた、天使ね」


「そうだ」


「天使は三重の許可、大使館の印、それに両側から少なくとも二人の証人がなければ、ここには入れないわ」


「そのどれも持ってない」


「じゃあ、警備を呼ばなきゃいけないわね」


パニックが急速に込み上げ、隣でラドゥエリエルが一歩前に出た。九本の尻尾が、今まで見たことのないような堂々とした扇のように開いた。


「私は天界システムの公式インターフェースよ」彼女は、俺の知らない重みを声に込めて言った。「そして私の責任において、この訪問を許可するわ」


秘書は彼女を見て、明らかにその情報をどう扱っていいか分からない様子だった。


「それはプロトコルに存在しないわ」


「じゃあ新しいプロトコルを作りなさい。そういうの、好きなんでしょ? 企業構造、効率、全て文書化。文書化してちょうだい。『例外的な訪問、天使側システムエンティティにより許可、リスクは申請者が負担』って」


長い沈黙があった。遠くの他のカウンターでハンコが押される音だけが響く中、秘書は選択肢を天秤にかけているようだった――厳格なプロトコルに従うか、あるいは明らかにさらなる仕事を生むタイプの混乱を引き起こそうとしている九尾の狐に対処するか。


「上長に確認してくるわ」彼女はようやく言って、横のドアから姿を消した。


俺はあの赤く効率的なロビーの真ん中に立ち、ほんの少し前に手に入れたばかりの胸の中で、あるはずのない心臓が速く打ちすぎるのを感じていた。


「これ、上手くいくのか?」俺はラドゥエリエルに囁いた。


「分からないわ」彼女は、知り合ってから初めて、本当に不確かそうに認めた。「でも、深淵のどっち側であれ、官僚機構には必ず抜け穴がある。もっと偉い誰かが、あなたがその抜け穴に見合うだけの価値がない厄介事だと判断する前に、その抜け穴を見つけるかどうかってことよ」


俺たちは待った。列の中の悪魔たちは永遠の疲れを続け、何人かは俺たちを隠された好奇心で見て、一人二人はひそひそ話したが、大部分は単に自分たちの官僚化された地獄の存在を先に進めていた。なぜなら、どうやら好奇心も、そこでは誰も払う余裕のない贅沢品だったからだ。


秘書は十分後に戻ってきた。解読できない表情で。


「あなたたち、運がいいわね」彼女は言った。「ロードがあなたたちと会うことに同意したわ。直々に。曰く、引用するわね。『上げさせろ、どうせ他にやることもないし』って」


その文の何かが――投げやりな口調、あまりにもその厳格な場所から浮いた言葉選び――俺の胸を、まだ大声で名付ける勇気のなかった確信で締め付けた。


「玉座の間、十三階」秘書は続けた。俺たち一人一人に赤い光の入館証を渡しながら。「エレベーターは奥の左。で――」彼女はためらい、俺の片翼を、プロフェッショナリズムを装おうと明らかに努めながらも好奇心で見た「――幸運を」


俺たちはエレベーターに向かった。ピイは今や肩の上で完全に目を覚まし、自分のやり方で、何か大きなことが起ころうとしているのを感じ取っていた。扉は重い金属音を立てて閉まり、エレベーターはゆっくりと上昇し始めた。天界でさえ見たことのないほど高く伸びているように見える建物を貫いて。


エレベーターの扉の小さな窓から、階が過ぎていくのが見えた――それぞれが独自の低い赤い光、独自の列、独自の特定の種類の組織化された官僚的な苦しみを持って――ついに、エレベーターが減速し、止まり、金属のベルの音が到着を告げるまで。


十三階。


扉が開いた。


そしてそこに、俺が今まで見たどの扉よりも倍は高い扉で終わる短い廊下の突き当たり、赤ではなく青い炎の松明に挟まれて、俺は感じた。


同じ耳の後ろのくすぐったさ。同じ胸を引っ張る糸。溶岩の鏡の時からずっと感じてきた、同じ温かく恐ろしい確信が、今ではそれを通して呼吸するのがほとんど不可能なほど強くなっていた。俺が呼吸する必要のない存在であるにもかかわらず。


彼はそこにいた。あの扉の向こうに。


ピイが肩を握りしめ、ラドゥエリエルが隣で九本の尻尾を完全に逆立てた中、俺はその扉に向かって最初の一歩を踏み出した。そして心臓――本物の、固い、鼓動する心臓――が、もはや恐怖ではないリズムを打ち鳴らしていた。


久しぶりに、初めて、希望だった。


第20章 終了 - 存在度29.00% - 玉座の扉

お読みいただきありがとうございました!

天界のシステム、そしてタリエルに宿る「バグ」の謎が少しずつ見え隠れしてきました。

彼は果たして、この理不尽な世界の天井をどこまで突き破れるのか……。


「続きが気になる!」「タリエル頑張れ!」と思ってくださった方は、ぜひ【ブックマーク追加】や評価(ポイント)での応援をよろしくお願いいたします。

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