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第17章 - 初めての翼 ― 中庭のスキャンダル

いつも応援ありがとうございます!白石ソラです。

羽根の試練、倉庫じゃ狭すぎて中央中庭へ…みんなが飛び交うど真ん中で!

ついに一枚の翼が開いた瞬間「一枚翼!?」「伝染るの?」って中庭が騒然…25.00%→27.50%へ、完全なスキャンダルです! Xもやってます→ @Sora_no_TENKAI

「ここでもう一度試すのはダメだ」朝になった途端、ラドゥリエルが言った。九つの尾は背後で綺麗に整えられていて、あの「決めた、議論の余地なし」のサインだと俺はもう学んでいた。


「なんで?」


「前回、存在度の爆発で天井を燃やしかけたから。この倉庫はもう古すぎて、もう一回驚かされたら持たない。それに」彼女は俺の肩を見た。ピイはまだ寝ていて、自分の眠り以外のどんな緊急事態にも免疫があるように――「翼は広がるための空間が必要なの。低い天井で試すのは、生まれた瞬間に曲がって生まれてこいって頼むようなものよ」


「じゃあどこで試すの?」


「中央中庭」


戻ってきたばかりのミカが、雲の焦げたトーストを持って、二日連続でむせた。


「中央中庭?本物の、あの中央中庭?みんなが通る?」


「その中央中庭よ」


「ラドゥリエル、それちょっと……目立ちすぎじゃない?」


「ちょうどいいくらい目立つのよ」彼女は躊躇なく答えた。「翼が生まれるなら、システム全体に一回で記録された方がいい。ここに隠れて、後から官僚に『無かったこと』にされるよりね」


彼女を見た。これが戦略なのか、ただ彼女が慎重さより混沌の方が面白いと思っているだけなのか、判断しようとして。


「見たいだけだろ」


「両方真実なこともあるのよ」彼女は俺がよく知る歯を見せる笑みで返した。「それが文字通り存在度がどう動くかってこと。言ったでしょ」


行った。


中央中庭までの道は覚えていたより長く感じた。あるいは、初めて本当に一歩一歩を感じていたから長く感じたのかもしれない。自分の体の重さ、足の下の雲の感触、体が固いからこそ押される空気の動き。


ミカは横を歩きながら、数歩ごとにちらっと見てきて、まだ信じられないという顔だった。


「歩き方変わったね」


「どう変わった?」


「なんか……覚悟決まった感じ。前はちょっと浮いてたんだよ。地面が受け入れてくれるか分からないみたいな、不確かな踏み方。今はもう受け入れてくれるって分かってるみたい」


気づいてなかったけど、言われてみればそうだった。歩き方も、他の全部と一緒に変わっていた。


中央中庭は第7区で見た何よりも大きかった。四方八方に開けた雲、天井なし、目の届く限り白い空が広がり、時々天使たちが編隊を組んで、群れで、一人で飛んでいく。みんな背中に二枚の翼を広げていて、あの完璧で対称的な白で光っていて、俺がすでにパターンだと学んだやつ。


一対で二枚。いつも二枚。


胸が変に締め付けられるのを感じながら上を見た。


「緊張してる」ラドゥリエルは質問ではなく観察した。


「ちょっと」


「いいことよ。緊張は自信過剰よりマシ。自信過剰は、ちゃんと転び方を覚える前に歩こうとして怪我するやつがやることだから」


メインストリートから離れた、少し空いている隅を見つけた。でも見ようと思えば誰からでも見える位置だった。ピイは俺の肩で空気の変化を感じて目を覚まし、数日ぶりにちゃんと起きて、注意深くなった。


「よし」ラドゥリエルが俺に向き直った。「羽根を取りなさい」


取った。昨日の夜からずっと温かかった。消えない残り火のような、低くて一定の熱。


「今度は?」


「昨日と同じことをするの。でも今度は痛みに抗わないで、痛みに導かせるの。あなたの体はもう道を知ってる。昨日は最後まで行く力が無かっただけ。今日はある」


目を閉じた。


痛みは今回はゆっくり始まった。昨日の夜のような突然の爆発じゃなく、肩甲骨の間からじわじわ上がってくる圧力。コップの縁まで水が満ちていくように。


「羽根を掴んで」ラドゥリエルが囁いた。「そして今度は、抵抗しないで。外に引っ張り出しなさい」


何を意味するのか正確には分からなかったけど、体は頭より先に理解したみたいだった。意識的に決める前に、羽根を左肩に持っていき、痛みが育っている正確な場所に、肌に押し当てた。


羽根は沈んだ。


切らなかった。刺さらなかった。沈んだ。濡れた土に種が沈むように、俺の中に消えていって、あの記憶の熱も一緒に連れて行って、痛みは別のものに変わった。激しさは変わらないけど、より整理された。叫びがやっと正しい言葉を見つけて文章になったような。


育っていくのを感じた。


最初は小さく、皮膚のすぐ下で産毛が生えてきて、それからもっと大きく、もっと強く、破れるのとは逆の音を立てながら外にほどけていく。何かが壊れる音じゃなく、やっと完成する音。


目を開けたのは、叫びが始まったのと同時だった。俺のじゃない。


近くを通りかかった天使の。飛んでいる途中で止まり、口をぽかんと開けて指さした。


「彼女……彼、……一枚翼!?」


その言葉は、背中で何が起きているか俺が処理できるより速く中庭を駆け抜けた。


最後まで開くのを感じた。大きく、白く、現実で、良い意味で重く、ラドゥリエルが約束した通りの重さ。体がやっと支えられる重さ。羽根が一枚一枚整っていく動きは、考えなくてもできた。体はずっとどう動かすか知っていて、チャンスを待っていただけみたいに。


一枚の翼。


片方だけ。


右側は空っぽだった。肩甲骨は対称なのに、片方だけが重さを担い、片方だけが下の雲に影を落としていた。


最初の天使の叫びの後に続いた沈黙の方が、叫びよりひどかった。


ゆっくり頭を回して、数十の顔がこっちを向いているのを見た。ショックを受けた顔。育ちの良さから露骨に嫌悪を示さないように教育された人間にしかできない、微妙な嫌悪の顔。ただ混乱して、見ているものを意味の通るカテゴリーに当てはめようとしている顔。


天使は一枚翼で生まれてこない。それは声に出して説明されたことがなくても、俺は知っていた。二が正しい数だ。二が対称で、秩序で、システムがその魂で正しく動いた視覚的な証明だ。


一はエラーだった。


一は、俺がこの場所について学んできたことの言葉で言えば、隠すことも、無視することも不可能な、目に見えるバグだった。


「タリエル」ミカの声が横で小さく。「呼吸して」


「呼吸しない」


「じゃあフリして。楽になるから」


若い天使のグループがひそひそ話していて、俺のことをひそひそしているのを隠そうともしていなかった。その中の一人、より大胆な、あるいはより残酷なやつが遠くから叫んだ。


「それって伝染るの?」


緊張をほぐす必要があって、安全に笑っていいのか分からないけど笑わずにはいられない時の、あの神経質な笑いが中庭に広がった。


昔の、縮こまって、消えて、誰にも気づかれないくらい透明に戻りたいという欲求を感じた。体はほとんどどうやるか思い出した。消えることが唯一の防御だった時の古い記憶。


でも消えなかった。


たぶん存在度25%がもうそんなに簡単にほどける方法を知らなかったから。たぶん初めて、そこに植わっているだけの重さがあるから、ただ浮かんでいかないという単純な物理で。


顎を上げた。ヒーローポーズじゃない――そんなポーズをしたらラドゥリエルは存在の終わりまで俺を笑う――ただ俺を見ている顔から目をそらさず、床を見ないでいられるくらいに。


「そうだよ」聞きたいやつには聞こえるくらいの声で言った。「一枚だけ。あんたらの言う通りだ」


中庭はさらに静かになった。誰も俺が認めるなんて、まして声に出して認めるなんて思っていなかったように。


「なんで一枚だけなのか分からない」止まるより続ける方がマシだったから続けた。「でも俺のだ。俺の重さを支えられる。そしてもう十分存在してきたから分かるんだが、これが」――自分自身、全身を指さした、人生で初めてはっきりと自分のものだった体を――「現実であるためにあんたらの形である必要はない」


誰も拍手しなかった。そういう物語じゃなかった。


でも顔の中のいくつか、若い方の、まだ完全に違うものを軽蔑することを学びきっていない顔は、嫌悪ではなく……好奇心に見えた。その中の一人、ハローが曲がった小さな天使の子が一歩前に出て、近くで見たいようにした。


階級が高そうな天使、歩き方に自信があるのですぐ分かるタイプが、速い足取りで近づいてきて厳しい表情だった。


「これは報告する必要があるな」彼は俺というより自分自身に言い、どこからともなくクリップボードを取り出した。


「報告しなさい」俺が何か言う前にラドゥリエルが答えた。彼女の声は突然鋭く、遊び気がなくなっていた。「早く報告しなさい。そして大きく書きなさい、システムの公式インターフェースが立ち会って、全部見て、確認したって。これは奇形じゃない。これは形成よ。違うけど、完全な」


天使は彼女を見て躊躇い、権威を明らかに認識していたがどう扱っていいか分からないようだった。


「ラドゥリエル様が確認……?」


「ラドゥリエル様は今確認したの」彼女は遮った。「私がどれだけ礼儀正しくいるか気が変わる前に書きなさい」


彼は書いた。手はいつもより明らかに速く、そしてほとんど走るように去っていき、時々振り返りながら、奇妙なものをできるだけ早く見失いたくないかのように。


少しずつ中庭は普通の動きに戻っていった。天使たちは飛行を再開し、会話は俺ではない話題にまた断片化していった。ただ、しばらくは視線がちらちらと通り過ぎるのを感じた。評価し、カタログ化している。


ミカはただ横に立っていて、しばらく何も言わずにいて、やっと小さく言った。


「これって、控えめの逆だったね」


「ラドゥリエルのアイデアだ」


「知ってる。彼女火事が好きそうだもん」


「結果が好きなのよ」彼女は全く気を悪くせず答えた。「そして結果は今、全天界がタリエルが一枚翼を持っているって知ったってこと。つまりもう誰もあなたが存在しないフリはできない。あなたたち二人とも透明化についていつも文句言ってるじゃない。で、誰かが問題を解決したら、それにも文句言うの」


それには良い返事が無かった。


翼を折りたたんだ。変な、新しい、不器用な動きだったけど、体はすぐに学んだようで、白い構造を背中に折りたたみ、どれだけ目立つかを減らした。片方だけが重さを担っているという事実を完全に隠すことはできなかったけど。


その時感じた。


いつものぞわっとする感覚、自分のものではない耳の後ろのくすぐったい感じが、注意を遠い地平線、天界が終わり深淵が始まる方へ引っ張った。


そこからは溶岩の鏡は見えなかった。遠すぎるし、角度も違う。でも、確信を持って感じた。深淵の向こう側で、誰かが今俺が感じたのと同じことを感じたんだと。


白い翼が片側で開くのに引っ張られて、反対側で何か黒いものが開こうとしているような。


「ラドゥリエル」ゆっくり言った。「感じた?」


彼女はすでに同じ方向を見ていて、九つの尾は完全に動かず、金色の古い目は細められていた。


「感じたわ」彼女は言った。「そして反応がどれだけ速かったか、全然気に入らないわね」


肩のピイは足をぎゅっと握り、突然完全に目を覚まし、完全に警戒して、同じ空っぽの地平線を見ていた。


俺はそこに立っていた。一枚だけの、重い、白い、現実の翼で、そして奇妙で温かい確信と共に、とても遠いどこかで何かが俺の存在全体に答えたのだと、まだ理解できない方法で、でも心の底ではもう知っていた、これから全てを変えるのだと。


第17章 終 ― 存在度27.50% ― 一枚の翼、完全なスキャンダル

お読みいただきありがとうございました!

天界のシステム、そしてタリエルに宿る「バグ」の謎が少しずつ見え隠れしてきました。

彼は果たして、この理不尽な世界の天井をどこまで突き破れるのか……。


「続きが気になる!」「タリエル頑張れ!」と思ってくださった方は、ぜひ【ブックマーク追加】や評価(ポイント)での応援をよろしくお願いいたします。

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