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第16章:霊体 ― 天使でも幽霊でもない

いつも応援ありがとうございます!白石ソラです。

3日間ただの綺麗な羽根だったあの銀縁が、背中の激痛と共に刃に…!触れた埃の存在記録ごと否定する羽根って何!?

翼は定着失敗、でも代わりに霊体が一気に完成して存在度2.40%→25.00%へ!初めての本当の痛みの叫び回です。Xもやってます→ @Sora_no_TENKAI

羽根は三日間、何も起こさなかった。


ずっと持ち歩いていた。ローブの内側に、あの説明のつかない止まった時計の隣に挟んで。時々取り出して、見て、銀色の縁に触れてみても、何も起きなかった。ただ、普通にしては綺麗すぎて、ただの飾りにしては静かすぎる羽根だった。


ラドゥリエルはそのことについて話さなくなっていた。それ自体がもう十分おかしかった。何にでもコメントする彼女が、何にでも変な一言を残す彼女が、俺がポケットから羽根を取り出すたびに黙り込み、あの古い金色の目でじっと見つめるだけになった。まるで、沸騰するかもしれない鍋を見張っているみたいに。


ピイのほうは、羽根を縄張りの脅威だと判断したらしく、俺が箱の近くに置きっぱなしにするたびに、その上で丸くなって寝るようになった。


三日目の夜、背中の痛みで目が覚めた。


幽霊は背中の痛みなんて感じるべきじゃない。幽霊には、二週間前まで背中すらまともになかった。でもそこにあった。肩甲骨のあいだ、自分でもちゃんと形成されているとは知らなかった場所に、深い疼き。使われたことのない筋肉が、急に「今働く時だ」と決めたみたいに。


「ラドゥリエル」

声を詰まらせながら呼んだ。


彼女は遠くにいたとは思えないほど早く現れた。たぶん、夜の間ずっと俺のそばを離れていなかったんだろう。


「あなたの背中」

もう近づきながら言った。九本の尻尾が、見たことのない逆立ち方をしていた。「何かが生まれようとしてる」


「何が生まれるんだ」


「分かってるでしょ」


分かっていた。もちろん分かっていた。すべての始まりの頃、鏡の破片でちらりと自分の翼を見たあの日から——白くて、歪んで、ありえない一枚の翼——いつかこうなると分かっていた。ただ、これほど痛むとは思わなかった。


痛みが強くなった。皮膚の下で、まだ固体であることを覚えている途中の体の下で、何かが伸びようとしている圧力を感じた。骨が、まだ居場所を決めていない筋肉を突き破ろうとしているみたいに。


「羽根を握って」

ラドゥリエルが、急に、鋭く、切迫した声で言った。「今。強く握って」


理由は聞かなかった。ポケットから羽根を取り出して、手に握りしめた。指が羽根を包み込んだ瞬間、背中の痛みの質が変わった——軽くなったわけじゃない。方向を持った痛みになった。まるで体全体が、やっとその力をどこか一箇所に集めることを決めたみたいに。


羽根が手の中で熱くなった。炎の熱じゃない。記憶の熱だった。それが何なのかを知るより先に、誰かにとって大切だったものを握っているときに感じる、あの種の熱。


そして、それは変わった。


半秒間——たった半秒——羽根であることをやめて、刃になった。細くて、白くて、長い。金属の輝きは一切なく、本物の鋼というより、空中に描かれた光の線に近かった。


そして、その近くに浮いていた小さな埃の粒——何でもない、本当に何の意味もない、倉庫の空気に漂う雲の埃——が、消えた。


落ちたんじゃない。崩れたんじゃない。消えた。まるで、文の途中で忘れてしまった単語が消えるように。最初からそこになかったみたいに。


ラドゥリエルが息を呑んだ。光のキツネがそんな音を出すのを、今まで聞いたことがなかった。九本の尻尾が一斉に硬直した。彫刻みたいに動かなくなった。


「今のは何だ」

聞いた。声は、もう刃ではなくなって、また無害な白い羽根に戻った手の中のそれと同じくらい震えていた。


「今のは……」

彼女は言葉を止めた。出会ってから初めて、彼女が本当に文の終わらせ方を知らないように見えた瞬間だった。「あれは埃を切ったんじゃない。埃が存在したことを、否定したの」


「否定?」


「記録を消した。物じゃなくて、記録を。システムのどこかで、今、あの埃の粒がこの倉庫で漂っていたという証拠は、もう一切存在しない」


羽根を離すべきだった。でも代わりに、もっと強く握りしめた。背中の痛みはまだそこにあって、まだ大きくなっていて、どういうわけか分かっていたから——理由は分からないまま分かっていた——今離したら、握っているより痛むということが。


「タリエル」

ラドゥリエルが、いつもの回りくどい哲学的な話し方とは全く違う切迫感で言った。「あなたの翼が生まれようとしてる。でも、あなたの体はまだそれを支えられない。痛みと羽根、両方を同時に抱えなきゃいけない」


「体が支えられないって、どういうことだ」


「翼は飾りじゃない。実体のある重さに変わるだけの、固まった記憶なの。あなたの体はまだ、その重さを支えるほど自分自身を覚えていない。今生まれたら、支えがないまま——」


彼女は言い終わらなかった。言う必要がなかった。


感じたから。


何かが裂けた——皮膚じゃない、正確には。もっと深い層、「俺だったもの」と「まだ何になるか決めていないもの」を隔てていた層が。そして一瞬、ほんの一瞬、視界の端に、白い形が背中から芽吹くのが見えた。羽根が一枚、また一枚、形になろうとして、震えて、存在しない構造にしがみつこうとしていた。


そして、崩れた。


物理的に物が落ちるようには崩れなかった。煙が、途中で行き場がないと気づいて消えるみたいに、ほどけた。痛みが爆発した。目の奥が真っ白になる一秒。叫んだ——本物の叫びだった、死後初めての、本物の痛みの叫び——そして手の中の羽根が、倉庫全体を照らすほど強く光った。


叫び声で目を覚ましたピイが駆け寄ってきて、丸い体で俺の脚にぶつかり、自分にできる唯一のやり方で助けようとした。


そして、始まったのと同じくらい早く、終わった。


痛みが消えた。ゆっくりとじゃない。一瞬で、光が消えるみたいに。


倉庫の床に膝をついたまま、手の中にはまだ羽根があった。もう光らない、ただの羽根に戻って。背中は別の種類の痛みを抱えていた——もう生まれる痛みじゃなく、挑んで失敗した者の痛み。


「翼は、定着しなかった」

確認する必要もなく言った。


「うん」

ラドゥリエルが小さく認めた。「でも——」


彼女が文を終わらせなかったのは、その瞬間、光が始まったからだった。


今度は羽根からじゃなかった。俺自身から来た。胸の中心から外へ、喉を上って、腕を下り、脚を通って広がる金色の光。あの努力全部が、あの痛み全部が、あの失敗した挑戦全部が、どこかへ行かなきゃいけなくて、残った唯一の場所が、純粋な存在度だったみたいに。


【残留存在 → 新段階】

【霊体:形成完了】

【存在度:2.40% → 25.00%】


二十五パーセント。


飛躍じゃなかった。殴られたみたいだった。


倉庫の床を、初めて本当の意味で感じた。体の重さ全部が、下の固い雲を押している。一ミリも沈まずに。空気を感じた——息をしないはずの俺が、端から端まで存在する肌に触れる空気を感じた。透明さが上書きすることのない肌に。


顔の前に手を上げた。


固体だった。不透明だった。手のひらに生命線があり、小さな傷跡まであった。今まで気づかなかった、本物の肌がなければ傷跡もできないから。


ラドゥリエルは安堵と驚きの入り混じった表情でこちらを見ていた。九本の尻尾が、一本ずつゆっくり落ち着いていく。


「あなたの体は、翼と一緒には存在できないから、代わりに一気に全部存在することを選んだのね」

彼女は言った。「……エレガントね。あなたのような存在の仕方がいつもそうであるように、ひどい形でエレガント」


倉庫の壁に立てかけてあった古い鏡の破片——魔法の欠片じゃなく、誰かが何十年も前に捨てた、ただの普通のガラス——のところへ行って、自分を見た。


何かを確かめるためじゃなかった。ただ、見る必要があったから。


見つめ返してくる顔は、ようやくはっきりしていた。明るい色とも銀色ともつかない髪が、自由に垂れていた。どちら側にも決めきらない顔立ち。はっきりこうでもなく、はっきりああでもなく、ただ自分のもので、丸ごとそこにあって、半分が空中に消えていくこともない。ようやく自分のものだと分かる目。


それを見て英雄だとは感じなかった。ポーズも取らなかった。顎を上げることも、感心するような筋肉の線を探すこともしなかった。ただそこに立って、三週間前には雲に影すら作れないほど存在が薄かった誰かが、今は眉をひそめると表情皺ができるほど存在していることを、見つめていた。


「これが俺なんだ」

小さく言った。誰にというより、自分自身に向けて。


「これがあなたよ」

ラドゥリエルが認めた。「丸ごと。システムがしつこく聞いてくる質問の半分はまだ決めていないけど。でも、丸ごと」


ピイが腕を伝って上ってきた。今度は本物の重さのある、本物の腕を。頭の上じゃなく肩に落ち着いた。まるで、この体の新しい地形に合わせて、自分も位置を調整し直さなきゃいけないみたいに。


もう片方の手にある羽根を見た。静かだった。白かった。待っていた。


「また挑戦するんだろうな」

言った。「翼が」


「するでしょうね」

ラドゥリエルが言った。「でも次は、あなたの体がその重さに耐えられる。今日はただ、挑戦できるだけの存在があると、体が学ぶ必要があっただけ」


羽根をポケットに戻した。今度はもっと丁寧に、ほとんど敬意を持って。


外では、いつもの丸窓の向こうで、夜が、何か大きなことが起きた後にしかない、あの重たい静けさをまとっていた。そこへは行かなかった。今回は。倉庫の床に座ったまま、肩にピイを乗せ、隣にラドゥリエルがいて、体全体が良い意味で痛んでいた。初めて本物の痛みを感じられるほど存在した者の、あの痛み方で。


存在度二十五パーセント。丸ごとの体。切るかわりに否定する羽根。


そして、まだちゃんと生まれ方を決めていない翼が、それでも次はきっと、また挑戦するはずだった。


第16章 終 - 存在度25.00% - 霊体完成


お読みいただきありがとうございました!

天界のシステム、そしてタリエルに宿る「バグ」の謎が少しずつ見え隠れしてきました。

彼は果たして、この理不尽な世界の天井をどこまで突き破れるのか……。


「続きが気になる!」「タリエル頑張れ!」と思ってくださった方は、ぜひ【ブックマーク追加】や評価(ポイント)での応援をよろしくお願いいたします。

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