表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「スキル????」  作者: 古来 冷翠
3.前哨戦編
60/111

60.ドラゴン討伐1

目を開くと、一面が木。きちんと森の中だ。


「現在地は…ここっぽいな。よし、成功」


「成功でいいんだね!?」


「ああ、いいと思うよ」


シンのお墨付きをもらえた。よかった。


「で、この場所にいるのはもちろんドラゴンなんですよね…?」


「そうだけど、ドラゴンといっても弱いタイプかなぁってところ。きっと大丈夫だよ」


私の質問には、リゼが答えてくれた。

そしてその後にシンも情報を付け足した。


「ドラゴンの中でも、魔法は使えるけどこれを魔法と呼ぶのは魔法に失礼だよね、ってレベルだと思うよ。ほら、魔力の反応が弱い」


それってどれくらいなんだろう。よくわからないが、この人たちは基準が狂っていそうだから、怖い。


私は、シンについて歩いていった。向かう先は、明らかに魔物の数が少ない、そこだ。

魔力の濃度というか、そのようなものでわかる、とシンは言っていた。ドラゴン一体よりも弱い魔物40体のほうが魔力の総量は多いはずだから、ドラゴンがいるところの魔力の濃度は下がるのだ。

まあ、強いやつは例外だけどね、と追加でシンに言われた。


最初の私は、どうやって探すのかも知らなかった。

魔法はまだまだわからないことがたくさんある。



「ここだ」


ここの木のさらに奥に、ドラゴンがいるらしい。

ふたりは向かおうとするが、私には勇気がない。


「えぇ…心の準備が…」


でも、ひとり取り残されるのも怖いため、ついていくしかなかった。





2分後。近くまで歩いていくと、


「わぁ、いるね…」


はい。ドラゴンいます。

圧もそこまでないし、甘党先生よりは倒せそうな雰囲気を感じるが、それでもドラゴンだ。大きい。


「うーん、今回は様子見も兼ねて私がいくよ。サポートお願い」


リゼが勇敢にも立ち向かってくれるようだ。


黄色の巨体、ドラゴンに向かうは、金髪ヒト。なんか最終局面みたいだけど、これが今日は9回あるらしい。



「よし、最初は…」


エフェクトの色からして毒魔法だろうか。

毒は甘党先生に効いたっけ……と思った瞬間だった。



ドラゴンがひれ伏せた。

…言い方が悪いかな。ドラゴンが倒れたのだ。

つまりは、


「勝ってる…」


ということだ。

思わず呆然としてしまうことも仕方がないだろう。

いや、10秒経ってないからね!?


「まあ、毒の解析に回復。そんなことがこいつにできるわけないよねって話。弱めの毒だったのになぁ」


毒魔法の解除。言うは易しだが、実行するのは難しい。付与された毒の成分を解析して、それの逆の成分である毒を作る。そうすれば回復だ。


「よし、これで一体。次行こー」


リゼの掛け声で、私たちは手をつなぎ、転移した。




次の場所は、街のすぐ横だった。

森と街の中間地点だ。


「この森の中かな。アミが今回倒す?」


こういうのは真ん中が一番いい。なんとなく。


「やる!」


3分ほど歩いて見つかったのは、薄黄色のドラゴン。これもさっきとそんなに気配が変わらない。ということはそこまで強くないだろう。


「ちゃちゃっと終わらせますか〜」


とりあえず氷魔法で氷柱を作り、5本ほど落とす。

これだけでいけるかと思ったが、されどドラゴン。

まだ生きているようだ。


私はクナイを作り出し、木にさして足場とする。そして、ドラゴンに向かって飛んだ。


「いけっ」


クナイに火魔法と風魔法を付与し、ドラゴンの首元を狙って飛ばした。そうすれば通った。


ドラゴンは光となって消えていく。

私たちは転移の準備を始める。


「やっぱ時間かかっちゃうな〜」


ここは反省しないと。


「これから頑張っていこう!」


次の場所に転移する。





海。海だった。目を開けたら、海が広がっていた。

波の音がまさに海だ。入りたくない、絶対に寒い。

奇跡的に岩の上に乗れてよかった。


「じゃあ次は僕がいくよ」


シンは身体強化をして、岩から岩へ飛び移りながらドラゴンの元へ向かった。

身体強化。魔力を体に纏わせて、強化する。攻撃力の上昇や、防御力の上昇。また脚力なども増加させられるし、回復も少し早くなる。


…こんなに知識あるのは、実はタウのおかげだったりする。魔法学院では身体強化について聞かなかった。


「あー、シン行ったね。で…あれなんだろ。火…っぽいなぁ。あ、ドラゴンごと高火力で燃やしてるのか。紫のドラゴンだし、いいね、その作戦。鱗が溶ける温度まで上げてる」


リゼが解説を始めた。私は質問をしていこう。


「それって何度なの?」


「5000℃」


あ、なかなかやばい。

普段より圧倒的に高火力だ。私はいつもなんとなくものすごく魔力を注いでいたが、結界が必須だった理由がよくわかった。人間に耐えられる温度ではない。

というか、炎魔法にかかるレベルだと思う。

そんな魔法を知っているシンはやはり強いのか。


「シンってそんなに戦えたんだ」


「なんでも器用にできるタイプだから」


強すぎだろ。1番嬉しいやつじゃん。


「倒したよ〜」


そんな話をしていたらすぐに帰ってきた。


「早かったね。次行こ!」


スピード感重視なのか、というくらい素早く、リゼ→私→シンの順でもう一周してきた。いろんなところを回ったのかもしれないけれど、ほぼ歩いて移動をしていないから感覚がない。


「じゃあ次は…ここだね」


「はいはーい」


いつも悲惨なことは、油断した頃にやってくる。

ちょっとだけ、油断していた。

だから、事件は起きた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ