56.卒業式1
冒険譚は終わり、卒業式に向かう流れとなった。外はもう、黒に染まっている。
私たちは院長室を目指し、歩いていく。
階段を降り、廊下を歩く。
そして院長室にたどり着いた。
そこの扉は開かれていて、人は2列に分かれていた。
片方にはアレイスさんが、片方には甘党先生がいた。
列の後ろには看板を持った人がいた。
卒業生、同伴者とそれぞれ書いてある。
「じゃあ、私たちはこっちか」
招待状を見せた後、私とリゼは卒業生のほうに、イッシュとシンは同伴者のほうに並ぶ。
すれ違い際に、
「気をつけてね」
とシンに言われた。
一体何が起こると言うのだ。
数人が来て並んだことを確認してから、アレイスさんは正面に立った。
「えー、本日はお集まりいただき、感謝します。じゃあ、卒業生のみなさん、頑張ってください」
そう言ってからアレイスさんは、指をパチンっとひとつ鳴らす。
すると、床が抜けた。
……えっ!?
私たち卒業生は全員、落下していく。
たどり着いたのは、地下室のような空間だ。
「そっちに廊下が見えるでしょ?そこを歩いていけば会場に着くよ。でも、卒業式にはとあるものが必要でね……」
とある、もの……?
疑問はすぐに解消される。
アレイスさんは、地下になにか箱を投げ入れた。その下にいた人たちは全力で走り去り、無事生き残る。
「その中に、卒業証書となるブローチが全員分入ってる。いやぁ、毎年紙でもらう人がいないから助かるよ」
あー、そのための確認だったのか。
「そのブローチにはめるための魔石10個を集めてもらいます」
アレイスさんはもう一度指を鳴らす。
すると、廊下への扉が開かれた。
しかしその廊下、スライムで埋め尽くされていた。
「ひとり10個集めてきて。別に人が倒したものでもいいけど。1時間くらいで来れるように頑張ってね〜」
アレイスさんは手をひらひらと振り、地上への道は閉ざされた。
「リゼ、とりあえず行く?」
「いいんじゃない?私がまず集めてもいい?」
戸惑っている他の卒業生の間を、リゼは通り過ぎ、廊下の前に剣を構えて立つ。
「我が名はリゼ・ニトーリア。卒業試験?受けて立つ!」
そう言ってから、瞬く間に剣でスライムを倒し、廊下を通り抜ける。おそらく、100mほどは進んだのではないか。
しかし廊下に終わりは見えない。どこまで続いているのだろう。
『魔王様、今は卒業まで、に含まれますか?』
『あぁ、そうだ。アドバイスはしない』
この冷静度合いからして、知ってたな。
『かしこまりました』
リゼの通った道に落ちている魔石を狙い、人が押し寄せる。私はこの中に入りたくない。だから、少し待とう。
そう思い、見ていたのだが、スライムはまた廊下に湧いていた。
しかし、魔石を狙う彼、彼女らは気づいていない。これは、危ないのかも。
私は光魔法を使った。
できるだけ遠くまで届くように。
廊下は眩い光に包まれる。
すると、スライムは一瞬で浄化された。
そして、魔石はボトボトと音を立てて落ちる。
私は10個それを拾い、みんなが走り去った後の道を歩き出した。
今の光魔法で、廊下の大体の長さはわかった。おそらく500mほど。1時間もあれば、間違いなく着くだろう。ということは、私はゆっくり歩いていけばいい。
豪華な装飾がされている、石製の扉だ。
開けてみると、レッドカーペットの敷かれた階段がある。一段一段登った先には、また同じ扉があった。奥からはざわめきが聞こえてくる。
扉を開ける。
するとそこは、とてもとても広いホールだった。天井にはいくつものシャンデリア。床はふかふか。たくさんの長机が並んでいて、そこには食べ物が置いてあった。
少し奥を見ると、丸い席がいくつもあった。そしてそこには人がたくさん座っている。反対側を見ると、ステージがある。アレイスさんと甘党先生は、そこに立っていた。
私は丸い席のゾーンへと向かう。そしてリゼをなんとかして見つけ出し、座った。
「遅かったね」
「人混みは嫌なの」
私がそうリゼに返したところで、卒業式は始まった。
「卒業生の皆様、お疲れ様でした。みなさん魔石は得られたようで。それでは卒業式を開催いたします。まずは食事としましょう。お好きなだけお取りください。約30分後に、卒業証書の授与を開始します」
卒業生も同伴者も、我先にと食事を取りに行く。人混みが嫌いな私は、もちろん様子見だ。
「アミは後でいいの?」
リゼに聞かれるが、行く気はない。
「うん」
「でも、料理が多すぎて並んでないよ」
そう言われて見てみれば、たしかに人はバラついている。
「じゃあ行く」
驚くほどのスピードで前言撤回をし、私は食事を取りに向かう。
外国の料理や、和食や洋食と呼ばれる異世界の料理がたくさん並んでいる。おいしそうだ。さすが魔法学院。
私は好きなものを取り終え、席に帰る。
その頃にはすでに、たくさんの人が席に帰っていた。
私は軽く毒見をしてから食事を始める。
タウが信用できない状態である以上、自分でやらなければ。
スライムが湧いてきたら光魔法を使う。それをひたすら繰り返しつつ歩いていく。
すると、ひとつの扉が見えてきた。かなり




