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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
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57.卒業式2

しばらく食べた後、式が始まる。


ウェイトレスさんであろう係員の人が、ワイングラスを持ってきた。ワイングラスのくせに、中はジュースだ。アルコール分はなかった。


「グラスは回りましたね?では、乾杯!」


皆がグラスを合わせる音がホール中に響き渡る。リンゴジュースだった、美味しい。


その後、卒業証書授与、とプログラムが読まれ、アレイスさんが動き出す。


「卒業生は、ブローチと魔石を持って前へ」


仕方がない、行くとしよう。

私たちはステージの上にある長机に、見本のようにブローチ、そしてその周りに魔石と招待状を置く。

卒業生約60名のものが並んでいる。

その様子を見届けてから、卒業生たちは自分の席に戻る。


「それでは、始めます」


アレイスさんは、複雑な魔法陣を展開する。

私たちが座学で学んだ2重の魔法陣どころではない。おそらく5重、6重はある。それほど、属性を組み合わせたり、魔導具の発動を促したりと、魔力の使い方が複雑になっているのだ。


『火、風、鍛冶、氷、光、闇……ほとんど飾りだな』


タウには魔法陣が読めたようだ。あんな一瞬しか出てこなかったのに。


魔法陣が消えた後、ブローチは光と闇に包まれる。そして、火、氷、風がさらにその周りを舞い踊った。ブローチに直接作用しているのは鍛冶魔法だけということか。


……いや、招待状の魔法もおそらく展開されているだろうけれども。きっと、書いた名前をブローチに印字するため……。


考えている間に、魔法は終わっていたようだ。


「では、名前を読み上げます。ひとりずつ前へ」


アレイスさんはひとりずつ名前を呼んでいく。たぶん授業を終えた順だろう。だから私は、厳粛な式だとかいうことをすべて放り出してご飯を食べていた。さすがに途中で取りに行くことはできないため、先ほど取った分だけだ。美味しい。


「アミ・フィミノア」


あっ、呼ばれた。いつの間にかリゼも呼ばれていたのか。

私はステージに歩いていく。

そしてステージ上で、アレイスさんと向き合う。


「おめでとう」


そう言ってブローチを手渡された。

金色の縁は丸く、魔石10個がバランス良く埋まっている。丸の中には金色の7つの線が入り組んでいる。属性を表現しているのだろうか。一番上にある線に、名前が彫られていた。そして縁の下には、鎖が2本まとめられてついていた。これは好きに使っても良いのだろう、というかこのままだとだいぶ……ビジュがよくない。うん。

私は礼をして、ステージから降りる。

そして、机に戻り料理を食べ……ようと思ったのだが。

私が最後だったようで、式の終わりを宣言し始めた。


「これにて、卒業式を閉会します。会場はあと30分は開けておきますので、その間にお帰りになってください」


アレイスさんはステージから降りて、ご飯を取り去って行った。


私たちは、各々好きなように帰ることにした。ご飯の量も違うし、帰る場所も違うし。


リゼは早めに帰っていき、シンは最後まで食べると宣言してどこかに行ってしまった。イッシュはリゼについて帰った。私は自分の取ったご飯を食べ終えてから帰ることにした。


『ねー、この後どうしよう』


『……もう卒業したし、いいか。そうだな……今日はとりあえず学院で泊まろう。明日はシンたちと合流でいいと思う』


なるほど。ならそうしよう。


帰り際、廊下を歩きながら、アレイスさんを見かけた。

いろんな先生たちも見かけた。

こういうところで感動するのだろうか。

私には理解できなかったから、伝わりにくいだろうけれど。

最後に、私に話しかけてくれた彼女が見えた気がした。





「あ、アミも帰ってきた!もうリゼもいるよ!お祝いしよう!」


部屋を開けた瞬間、待ちわびたような顔をしたイソクがやってきた。


部屋の中は飾り付けられ、机には料理が並んでいる。食べ切れるかな……いや、少なめに食べたし大丈夫でしょ、たぶん。


「アミ、おいで」


クウに招かれ、席に座る。リゼはすでに座っていた。


「イッシュさんは?」


「帰った」


帰ったのか。まあ、それは置いておこう。


「じゃあ、アミとリゼの卒業を祝って!」


私たちはジュースを手に取る。


「「「「乾杯!」」」」


グラスを合わせ、一気に飲んだ。

その後、長い長いパーティーが始まるのだった。

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