26.空白を埋める
久しぶりに光がある。まあ、タウは光ってたけどそれは例外として。
「眩しい…」
声も、あり得ないほどかすれている。
お腹も空いている。ギリギリ生きていたという感じなのだろうか。
とりあえず、体を起こす。
窓を見ようと、動いてみる。
その時気づいた。ここは二段ベッドの一階。
そして、リゼたちが驚愕の表情を浮かべている。
「えっ……アミ…生きてた…」
クウが呟く。
というか、死んでると思われてたの!?まあ、そりゃあそうだろうけどさ…。
「リゼ!アミが…アミが…!」
リゼは何も言わない。
というか、口だけは動いているから、声が出ていない。
ふらふらとした足取りで近づいてくる。
そして、私はぎゅっと抱きしめられた。
「アミ………!」
言葉に、ならない…。
こんな少しの時間で、ここまで愛してくれるのか。
「大丈夫…だから…」
苦しいまである。強く抱きしめすぎだ。
「よかった…よかった……!」
と、とりあえず離して…。
「リゼ〜、アミ、ほんとに死んじゃうから離してあげて」
イソクまでもが命の恩人になりそうです。
リゼがやっと離してくれた。
でも、何を置いても
「とりあえず、ご飯が食べたいな」
私は笑顔でそう言った。
食事をしながら説明されたのは、あの後の出来事。
リゼはシンに手紙を送り、返事待ちをしながら授業をクリア。あまった時間はすべてバレーボールに。すごく上手になったらしい。
レイは、消えたらしい。
会いに行ったけどいなくて、そこでアレイスさんに尋ねたところ、わからない、と。
「とりあえず寝な。寝れるかわかんないけど」
クウにそう言われた。そう、実はすごく眠い。
だから、もう今日は寝よう。
朝日だ。眩しい。
「おはよぅ……あ、ごめん!朝食!」
私が朝食の係じゃないか!やらかした…。
「いいのいいの、リゼに料理を教えるついでだから…」
え、リゼが料理を始めたのか…。
それはびっくり。
「そうなんだよ〜、はい、食べていいよ」
リゼがキッチンからスープを持ってくる。
そして、思い出したように話す。
「そういえば、シンから伝言があって。私の式神をね、アミが倒れたって送ったら返信としてね、”たぶん大丈夫だろうからとりあえず僕はダンジョンを攻略しておくよ。卒業式の頃に帰るから、頑張ってね”って言われた。……あいつ何なのよ…ほんと」
正論すぎる。楽観視にもほどがある。
「じゃあ、なおさら授業、頑張らないとね。ごちそうさま」
制服はすでに届けられている。
ちゃんと座学だ。わかってる、さすがリゼ。
「それじゃあ、いってきます」
私は久しぶりの授業に、意気揚々と扉を開けた。
簡潔に言ってしまおう。
授業、普通に寝てました。
言い訳させてほしい。ほんと。
異常に眠かったのよ、抗えないくらい。
『魔力の塊を戻すための副作用、といいますか…少し体力を前借りしたところがあるので、その影響かと…』
とかタウは言ってたけどさ!
……テストはどうしたかって?
すべてタウ任せです。はい。
なのでこれから図書館で勉強会なのです、はい。
少し重い足取りで私は図書館へ向かう。
タウに抵抗しても、どうせ正論で負かされることはわかってるし。
ため息とともに、私は廊下を歩いた。
図書館に入り、席を確保する。
さぁ、勉強の時間だ。
『今日は属性の授業をなさっていたので、そちらを進めていきます』
私の理解が遅く、何回か聞き直したり質問してたせいですっごく長ったらしいので、勝手にダイジェストにしてお送りいたしましょう。
…タウの口調がうつったかも…。
この世界には、7つの属性がある。
火属性、水属性、風属性、土属性、毒属性、光属性、闇属性。
そして、そこからさらに分岐する。
火属性には火魔法、鍛冶魔法など。
水属性には水魔法、氷魔法など。
風属性には風魔法、転移魔法など。
土属性には土魔法、……例が出てこないや。まぁ、土魔法など。
毒属性には毒魔法、毒の解除魔法など。
光属性には光魔法、回復魔法など。
闇属性には闇魔法、契約魔法、呪い、付与魔法など。
………呪いってなんだろ、初めて聞いた。
まあそれはいいや。属性を合わせたりすることは無理、今のところ。同時発動なら頑張ればできる。
属性によって消費魔力は変わってくるし、魔法の規模によっても消費魔力は変わる。
正直考え始めないほうがいい。
ちなみに、魔力は大気に含まれるエネルギーの総称。
そして、属性とは生来自身の体に刻まれている管のようなもの。その管に魔力が流れ、外気の魔力と交わることで魔法が発動されるらしいが、今回はアレイスが言っていなかったから一旦知らなくていいと言っていた。
属性はこれらしかないが、魔法は無限に存在する、だから研究は終わらないらしい。
『アレイス様は随分と話が途中で逸れていらっしゃるので…おそらく、授業など受けなくとも、予習してテストだけ受けに行ったほうが効率的でしょう』
タウはそうやって言ってこの授業を終えた。
『明日、聞いてみるよ。名目は、早く授業を取り終えたいから、とかでいいかな…?』
『それでよろしいかと』
よし、明日聞いてみよう。




