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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
27/131

27.間が悪い

啖呵を切ってあんなことを言ったところまではいい。

いいのだが…、私にそんなコミュ力があるだろうか。

いや、ない。

てなわけで


「リゼー!ちょっとさ、アレイスさんに聞いてみたいことがあるから明日、授業についてきてくれない?」


そう、最初は誰かに話しかけてもらおうの作戦だ。これは結構強いと思ってる。


「帰ってきて早々に言うのがそれ…?まあいいけど、何を聞きたいの?」


リゼは夜ご飯を食べていた。

この後に練習があるそうだ。ご苦労さま。


ちなみに私がここまで遅くなった理由は、図書館で本…魔王の軌跡を読んでしまったからだ。ついつい、やめられなかったのだ。

反省はしてるけど後悔はしてないね。


「それじゃ、練習行ってくる!」


「「いってらっしゃい」」


まだイソクが帰ってきていなかったから、私はクウと一緒に、リゼを送り出した。





そのすぐ後のこと。


「ねえ、アミ。体のどこかが変だったりしない?大丈夫?」


クウが心配そうに聞いてくる。いきなりどうしたと言うのだろう。


「少し眠いけど…どうかしたの?」


そうやって聞くと、少し居心地の悪いような曖昧な笑みを浮かべて話しだした。


「アミ、実は私はね」

「やっほただいまー!……あれ、なんかいいムードだったり…?お邪魔しましたー」


意味不明な挨拶をし、自分で勝手に理解して去っていこうとしてクウに掴まれたのは、イソクだ。帰ってきたのか。


「おい、事前に根回ししただろ。なんで帰ってきた」


根回し?何を言い出したのか…。

というか


「クウ、それで…何が言いたかったの?」


クウはこちらをちらっと見たが、


「えー、もしかして愛の告白とかですかー!?クウにもついに春が…」


とイソクが言った瞬間に私から目をそらし、イソクを殴った。全力で。


「はぁ……違う。もういい、とりあえず」


なんだったんだ、一体。

少し、空気がぎこちなくなった。


「じゃあ夜ご飯でも食べよ!ね?」


イソクの明るい一言に救われた。




私はお風呂に入る。

この間は、タウも見ないようになんかしてくれてるらしい。


「さぁー、どうしようかなー」


私の間抜けな声がお風呂に響く。

これはもちろん、さっきの告白の話だ。

どうやったら言葉の先を聞けるか。

まあ、考えたって仕方がないし、いっか、まあ。


「アミ、少しいい?」


あ、ジャストタイミングでクウがやってきた。やっぱ話したいことがあったのか。


「さっきはイソクのやつが邪魔しやがったけど、今は大丈夫でしょ。言いたかったのはね、君のスキルが…」


「ふんふんふーn……うわぁー!クウ、どしたの!?ちょ、アミ…だよね!?今お風呂入ってるの!え、どういう状況!?」


あっ、今日はもうタイミングが悪いタイプの日だ。リゼが帰ってきてしまったようだ。


「もぉ……リゼ、とりあえず席を外してくれない?」


「え、やだ。面白そうだし〜何話してたの!?もしかしてそういう…甘々な関係だったり…!?」


リゼまでこれか!

声の感じからしてからかっているのだろうが、どこまで本気で言っているのかわからない。


「断じて違う。しかし、君に聞かせるわけにはいかない、イソクならまだしも…」


なんでだろう。スキル、と言いかけていたことからしても、魔法関係なんだ。

なんでリゼには言えないのか、何を言いたいのか。


「えー、イソクー!ふたりがなんか面白いことしてるー!」


大きな声を出して、リゼがイソクを呼ぶ。

さすがに狭くなってきた脱衣所に入ることはせず、ちらっとこちらをのぞいている。


「あっ、やっぱりふたりって…」


またこれか。


「……もういいや、今日は無理だ。アミ、スキルを信頼しすぎないように。君は、いずれ壁にぶつかる。自分だけの武器を持っていたほうがいい。もしかしたら私も…」


最後に何かを言い残そうとしていたが、途中でやめたようだ。

というか、スキルを信用しすぎるな、って…。そもそも、クウは私がスキルを持ってることを知っていたのか。自分だけの武器…どういう意味だろう。わからない、いろいろと。

でも、大切なことを言っている気がするんだ。


「とりあえずみんな出てってもらってもいい?のぼせてきた…」


そう、少しクラクラするなぁと思ってきたところだった。もう寝よう。疲れた。

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