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「スキル????」  作者: 古来 冷翠
2.魔法学院編
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12.反王政派

「私と今の王…スイウはあんまりいい仲じゃなくてね。1回、私が間違えて王城に向けて魔法を撃ってしまって…」


おぉぅ、なかなかやばい話が来そうだ。


「だってさ、せっかくのお手本を見せる機会だったんだよ。かっこよくやりたいじゃん?……言い訳だけど。まあ、その後からスイウのことをいろいろ知ってくんだけど…。あの人さ、魔王激推しなのよ」


えっ…そうだったのか。話が合いそうだ。


「昔のここの院長が間接的に魔王を育てたようなものなんだからさ、もうほんとによくないと思うんだけど。私はあれのことが嫌いなんだ。あんな人殺しのどこがいいと言うのか」


『ふーん、へぇー。言っちゃうかぁ、それ』


あっ、やばい。タウさんがだいぶ怒っていらっしゃる。

そんなことはつゆ知らず、話は続く。


「てなわけで、私は反王政派と言えるわけだ。ここからが本題」


私は、一度姿勢を正す。何が来るのだろう。


「君たちは、スキル持ちだ。噂で聞いたところだと、今は王のほうから依頼をもらっている。あってる?」


リゼのほうをちらっと見ると、頷いていた。


「うん。じゃあ、君たちは今王政派となるわけだ。私が筆頭にいるのだから、魔法学院はどっちかと言うと反王政派だ。ギルドの依頼を受けるのも禁止だし。これが何を意味するか、わかる?」


政治的なゴタゴタがあるということかな。


「多分わかってそう。じゃあ続けよう。私的には、君たちに入ってもらいたい。これから伸びるよ、君たちは。依頼を受けたからって、王政派と言い切れないし。君たちが、この話を聞いてどう思ったか。それが大事なんだ。どうする?」


「少し、時間をください」


リゼが答えた。


「えっ、私はいいと思うんだけど」


私は思わず、リゼを見る。


「まあ、悪くないけど…ギルドと繋がれないのが厳しいかな」


「でも、少しの期間だし、大丈夫じゃない?」


金銭面の話だろうか。だとしたら別に…。


「…うーん、そうだね………大丈夫な気がしてきた。よし、わかりました。私たちも大丈夫です」


すると、アレイスは微笑んで、指を鳴らした。


「お呼びですか」


現れたのは、レンさん。実は暇だったのか?この人。


「寮を案内してあげて。部屋はあそこで。授業の説明も。あと、足らないと思うことはいろいろ言っておいて」


「かしこまりました」


レンさんは頭を垂れた。


「じゃあ、行こうか。君たち。名前は…」


「そういえば聞いてなかったね」


アレイスも、そういえばというように思い出す。

たしかに聞かれてなかった。

よく入学を決めたよね。この人。


「私はリゼ。こっちは…」


「アミです。よろしくお願いします」


すんなり挨拶できた。よかった。


「僕は、レン。よろしく」


レンさんは、扉を開けた。


「案内するよ」



レンさんの後ろについて、私たちは校舎内を歩く。

怖いほどに人がいない。


「人、いないんですね〜」


リゼも同じことを言っている。


「そうだね、今は授業中だし。最初のテストで受かってる人は、もうほぼいないからね」


なるほど。


「最初のテストってなんですか?」


私は思わず聞いた。

すると、レンさんはにこやかに答えた。


「ここの授業は、テストの結果で決まるんだ。1日の中で、授業、練習、テストという感じで時間割がある。ただ、最初の授業は例外で、テストを1回受けるんだ。まぁ、授業は基本繰り返し行われているから、テストに受からなかったらもう1回チャレンジ。まあ、その時以外も先生に頼めばできなくはないけど」


理解。でも、私にできるかな…?それ。


「着いたよ。ここが寮がある棟」


レンさんが立ち止まったのは、大きな白色の扉のある、廊下の突き当たり。


「ここからが別棟になっててね、ほら、渡り廊下」


扉の先にあったのは、落ち着いた赤色のカーペットの敷かれた廊下。白の壁で、窓がたくさんついている。外を見てみると、きれいな庭があって、そこで風魔法を使っている生徒が数人いた。


しばらく歩くと窓はなくなり、廊下は突き当たりとなった。しかし、そこには魔法陣があった。


「4階の部屋をご所望だから…4階の魔石を入れる」


近くにあった石板のようなものに、持っていた魔石をはめた。すると、魔法陣は淡く光り出した。


「はい、ここに乗って」


怪しいことは怪しいが、まあ大丈夫だろう。

魔法陣に乗ると、目の前が白くなった。


「大丈夫?着いたから、歩くよ」


次に目を開くと、あまり変わらぬ景色があった。


『転移したな。おそらく4階に来たのだろう』


なるほど。階段代わりと言ったところか。


「この先の…どこだっけなぁ…あっ、そうそう。ここ」


かなり歩いたと思うところで、レンさんは立ち止まる。


「408号室ね。4人部屋だけど、よかった?」


408と書かれた木のプレートがかかった部屋だ。

というか、他の人もいるということが重要すぎる。


「問題ないですけど…」


どんな人だろう。

見た感じ、女子も男子も同じ棟だ。

男子と同部屋…気まずくなりそうで嫌だ。


「うん、それじゃあ、入るよ」


扉を開くと、玄関がある。

靴箱と、左右ひとつずつに扉。正面にも扉がある。

廊下は木でできていた。


「ここで靴脱いで。欲しかったらスリッパも使っていいよ」


私はとりあえずスリッパを履いた。

いらなくなってから考えよう。


「左側がお風呂とお手洗い、右側が収納だよ」


扉をそれぞれ開きながら言った。思ったより広い。


「そして、正面が部屋」


開けられた部屋は、広かった。

床は藍色の絨毯、二段ベットが2つ、机が4つ、その奥にはリビングのような、長机とソファーのある空間がある。そして、更に奥にキッチンがある。


「まあ、困ったらいろいろ買い足してね。そろそろ授業が終わるから、2人も帰ってくるはず…」


そう言ったところで、声が聞こえてくる。


「ただいまー」


「あれ?靴あるよ、クウ」


「たしかに。3人分…?」

ルームメイトが、帰ってきたようだ。

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