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異世界に召喚依頼の適当言う者   作者: 超究明蝶助
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王都−58

「ではやはり1回の買い取り金額は銀貨3枚にしては如何でしょうか?」

「危険もあり、子供達の人数で頭割りにする事を想定すると、もう少し支払っても良いかと」

「徐々に遠い場所への往復になりますし、1つの場所で一度きりだと考えると…」

暫く意見を聞く姿勢でいた王妃が、ここで纏める発言をした。

「スラムの地図は王家で買い取る事にする。金額は銀貨5枚分を銅貨で支払う。地図だけでなく周辺の情報料も含めてならこの位は良いでしょう。往復距離や危険もあればある程度で切り上げて、専門とする者に引き継いでも良いでしょう。とりあえずの収入源にするのが目的ですから」

王妃が言い終わって周りの人達に視線を向けると全員が、次々に頷き肯定していった。

マスタが立て替えて支払うつもりでいたのだが、準備はしっかりしてあったらしく銅貨50枚が地図と引き換えに渡された。

(用意がいいというより有能な人達だって事なんだな)

「お〜い。今日の仕事の報酬だぞ」

「「「「おおおお〜」」」」

「やった〜」

子供達がはしゃぎながらマスタの持っている皮袋に集まってくる。

「よし、順番に並んで報酬をもらったら、メルトとダイアナから首掛けの皮袋も受け取るんだぞ」

「「は〜い」」

マスタの横に来たメルトとダイアナの手には色違いの首掛け出来る皮袋が幾つもあった。

自然と幼い子を優先して並ぶ子供達に、順番に銅貨を渡して行き、もらった子が横にいるメルトとダイアナの持っている皮袋を楽しそうに選んでは首から下げてもらい、その中に銅貨を大事そうに入れていた。

「アタシこの色がいい」

「じゃあ掛けてあげるから…はい。銅貨はちゃんとこの中に入れて落とさないようにね」

「は〜い」

「私はこの色がいいな」

「はいどうぞ。掛けてあげるわね」

「ありがとう」

お金を手に入れた事と、自分だけの持ち物が増えたと子供達は見せ合って喜んでいた。

マスタは振り返り後ろに座る2人に向かい銅貨を差し出した。

「受け取ってくれ」

「あの…俺たちはまだ何も…」

ネッカとシャーリは戸惑った表情で互いに顔を見合わせていた。

「先行投資…って言っても分けた後の端数だけどな。残りはこれから子供達の面倒を見てもらう為に別のもので渡すから」

そう言ってマスタは2人の肩に手を置き 回復スキル を発動した。

「あ…アタシには旦那が…」

「お…俺にはそっちの気は…」

(んな訳あるかい!2人ともわざとなのか?)



「2人共、マスタ様の神技の恩恵を実感していますか?回復をも超越した奇跡に、しっかりとお礼の言葉をなさって下さいね」

メルトのツッコミで気が付いたらしい獣人夫婦は、冒険者時代に負った怪我の場所を確認し出した。

「ア…アタシの…腕が…動いて……」

「…足の怪我…跡も痛みも無くなってる!」

「これが使者様のお力なんですね…グズッ…ありがどうございばずっ…ズズッ」

「奇跡のお力を…わたひ…たちにい…っありがとうございますっ…」

感極まった2人が跪いて泣き出してしまった。

「ま、まあこれも先行投資の内だから。気負わずによろしく頼むよ」

「「はい」」

跪いたまま顔だけ上げて答える2人に戸惑うマスタを見かねて、メルトが2人を立たせてくれた。

「マスタ様はあまり騒がれたり崇められたりを好まれませんから、その言葉と今後の行動で気持ちを示せば良いと思いますよ」

メルトの言葉でマスタを見る2人に頷きで返すと、深く頭を下げ涙を拭った2人が顔を上げた時には、メルトがかつて見た冒険者時代の自信に満ちた眼差しが戻った気がした。



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