王都−20
流石にアドリンがいきなり聞くのは出来ないと、ダイアナを前にマスタに近づいて来た。
「マスタさん、ちょっとお聞きしても良いですか?」
「うん。何?」
(真顔だぞ。真顔を崩すなよ俺!!)
「女性用の胸当ての下着で、胸の大きい人が困っているらしいんですけど、何か良い案無いですかね?」
「ん〜流石に詳しくは無いから何とも。それにどう困っているのかも分からないしね」
(何言わせるんだよも〜。2人共どうなのってメルトさん見るなって。俺は自分の服選んでる振り続けて…これで諦めてくれないかな〜)
「わ、私が聞いた話ですが、大きいと動いた時にズレたり大変なんだそうです」
(声裏返ってますが。メルトさん)
「なるほど。ん〜女性用ですからね〜、ちなみに普通の方はどういう作りで、何の生地を使うんですか?」
「こちらなどですね」
(アドリンさんもノリノリですかそうですか。ふ〜…真顔真顔。今は下着職人のつもりで…)
「これは絹糸ですか?」
「ええと、はい。シルクです」
(翻訳の加減がわからないけど、異世界だし気にしない事にしよう。しかし、刺繍の派手なペラペラマスクみたいな作りだな。これなんて袋に紐の輪付いただけじゃん。)
「素人意見ですけど、大きめな女性の方が家事や仕事なんかで身体動かすと、これじゃ大変そうですね。個人個人で違うと思いますけど、楽な位置とか理想の形なんてのも女性はありそうですよね」
「「「ありますね」」」
(そうなんでしょうね!)
「男ですら擦れて痛い人いるんですから、いい位置で支えて動かない様な造形と構造が必要ですし、生地も肌に良い物で…作らないと…駄目デショウネ…」
「「「?」」」
「ちょっとだけ待っててもらえますか?」
女性陣に背を向け少し離れるマスタ。
(何語らせてんだああああああ!どうすりゃいいんだ!何処に向かってんだ!もうこうなりゃ女性用下着の創造スキルを…いやいやいやいやまてまて。勇者のスキルにあるまじき汚点になる。考えろ〜考えろ〜……お。あれなら何とか!創造神様!お願いします!どうかこの哀れな子羊にお慈悲を〜!んんんん〜〜…………!!
っしゃらあ!キタコレ!先駆者様、ラノベ様ありがとう〜〜!)
スキル サイバーデSHOPを獲得した。
(はあ。精神やばかった)
「メルトさんちょっとこっち来てくれますか?」
「は、はい。何でしょうか?」
メルトが近くに来たので小声で話す。
「預けてある袋から金貨何枚か出して貰えますか?」
「?はい。…どうぞ」
メルトから6枚の金貨を受け取ったマスタは掌に現れた画面の投入口に金貨を入れメルトに説明した。
「たった今新たな能力で向こうの世界の女性用下着がこちらの世界で再現できるようになった」
「そ!………そんなに限定的な能力なのですか?」
「いや……今真剣に困っている人の力になりたいと願った物だから、これから増えるかもしれないしね」
「マスタ様は優しい方ですね…」
(そんなに目を潤ませないで。せめて下着の話じゃない時にしてほしい)
「そこでお願いがあるんですけど」
「何なりと」
「無闇にあげるわけにもいかないだろ?」
「確かに。そうですね」
「そこで2人に着心地なんかの試着要員をお願いして、作りは店の人にも見せる。その代わり試着して良かった物は2人の物だ。どうかな?」
「困っている人の為、私も力になりましょう!」
「お、おお。頼むよ」




