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異世界に召喚依頼の適当言う者   作者: 超究明蝶助
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王都−13

「さて、風呂に入るかな」

ダイアナの出て行った通路側の扉に付いている閂を掛けてから、浴室へと向かい顔だけをを覗かせて浴室内を見た。

「意外に広いな」

3mX4mの広さはあり、奥の3割が浴槽。真ん中3割程が洗い場、手前側は衝立で仕切られ脱衣場になっていた。

早速服を脱ぎ衝立にかけ、代わりに掛けてあった大きい布を持って洗い場に向かうと、両側の壁から台の様な出っ張りが突き出ていてその上に桶と布が2枚ずつ置いてあった。

(どっちかを使えば良いのはわかるけど、2枚の布は何に使うんだ?)

少し悩んだマスタだったが、直ぐに思い付き

(出っ張りに座る時に敷く用と体を洗う用か。なら、今持ってるのは拭く為のものだったか。濡らさなくて良かった)

大きい布を衝立に戻し、桶で汲んだお湯に布を浸し体を洗い、それから浴槽に身を沈めた。

「ふぁ〜……浅い…」

30センチ位しか無い浴槽だったので寝そべる様に浸かるマスタだった。



翌朝は目覚めも良く早起きしたので、もう一度風呂に入り、サッパリした気分でマスタは窓を開けて外の景色を眺めていた。

部屋は2階なのだが1階の天井が高いからなのか、日本の建物よりも位置が高く景色も良く見えた。

近くの城壁の向こう側には赤茶色の瓦の様な屋根が建ち並び、いつかテレビで見た外国の風景が過った。

(同じ色で統一されていると綺麗だな)

下に視線を向ければ水を入れた桶を抱えて歩く侍女服の女の子が、遠くでは見回りをしている衛兵らしき姿も見えた。

(騎士ほどガッチリ着込んでるわけじゃ無いか。重くてガチャガチャ煩いし戦時中でも無いからかな?)

召喚の間で見た騎士に比べて軽装に見える装備に思いを巡らせていると、

「コン・コン・コン…お目覚めでしょうか?」

ノックの音に閂を思い出して扉に向かいながら返事をした。

「少し待ってください…どうぞ」

「おはようございます」

「おはようございます」

朝の挨拶を返しながら、翻訳されていないこの国での朝の挨拶はなんと発音するんだろうかと思うも、他の言葉も全てそうだなと気付くと、それ以上は深くは気にしない事にした。

「お召し替えをいくつかご用意致しましたので。気に入った物があればお使い下さい」

(あれ。相談するつもりでいたんだけど、手間が省けたな)

侍女長のメルトとダイアナの2人がそれぞれのもつ籠に入れた沢山の服を持って来ていた。

籠をソファの側におき、取り出してもらった中から選び

「じゃ、コレをお借りします」

と言ったのだが

「予備の服ですので差し上げる様にと言付かっています」

と、メルトに返された。

「それは助かりますね」

と言いつつ帰る素振りのない2人なので、

「奥で着替えて来ます」

と言ってる間に、2人が部屋の端に飾られていた縦長の板に模様の描かれた物を持ってきて広げだした。

(ああ。屏風というか衝立なのか。金属を磨いた姿見も付いているとはね〜)

「こちらをお使い下さい。袖などの寸法も合わせますので」

「そうですね。お願いします」

服を着てみたが、少しの調整で済んだ。

「着てみて分かったんだけど結構良い服なんじゃ?これ」

「「いえ。そこそこです」」

「そ、そうですか」

(ハモる練習でもしてたんじゃ?息ぴったり過ぎでしょ)

2人は残りの服を片付けて「後ほど朝食をお持ち致します」と言って出て行った。

浴槽のお湯の排水の仕方を聞くのを忘れたと追いかけようか迷い、朝食の時に聞けば良いかと考え直しソファの背もたれに上着を掛け、腰掛けた。

その時足元のスニーカーが目に入り、聞くことが増えたので忘れないようにしようと、着替えた服とはアンバランスになってしまったスニーカーを見つめて強く思うのだった。


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