王都−09
「は、はい」
好奇心と不安が混在した顔でダイアナが返事をした。
鱒太に視線が戻ったところで話を始める。
「さて。どこから話そうかな?」
話を向けるとドベデス王が聞いてきた。
「マスター殿の喋り方と声音が先程と随分変わられた様子なのだが?」
ナガール宰相とサロンドも小さく頷いていた。
「ああ。さっき迄のは演技もあるしな。あの時はあれくらいじゃ無いと駄目だったろう?普段はそうじゃ無いさ。立場と場所での違いなんて皆んなあるだろう?」
それを聞いた3人はいくらか緊張の解れた顔になった。
「それと今後はただ マスタ でいい。理由については色々あるけど、本当の名は伏せておくと理解してくれ」
「…わかった。では召喚の話から頼む」
ドベデス王の口調も柔らかくなりサロンドに目線で書き記す事を指示しながらマスタに向き直った。
「………っとまあ要するにしっかりとした内容と意味を後世に伝えてくれと頼まれた訳だ。別に使うなという事じゃなく今回のように安易に使ったり、ましてや送られて来た者を良い様に扱き使う事の無いようにということだな」
「へ、陛下?!使者様にそのような事を?!」
話が進む毎に顔を青くしていたダイアナだったが、使者に対する扱いの話を聞いた時、つい言葉がもれてしまっていた。
3人共が俯き申し訳なさそうにした姿を見て、声が出ていた事に気が付いたようだった。
「も、申し訳ありません!」
慌てて頭を下げたダイアナにドベデス王は手で制し
「いや。当然の反応だ。先程マスタ殿にも怒られたところだしな」
と、自嘲気味に笑って言った。
「受け取ったと言うか言い方は曖昧になるが、こっちの世界に来る時に貰った?授かった?知識が多少あるんだが、それによれば過去の時はしっかりと丁寧な対応されてるんだけどな」
「そ、それは…本当に申し訳ない!」
ドベデス王と共に頭を下げる3人。
(ダイアナさんまで下げる必要は無いんだけどな。そういうのを自然としちゃう所も好感度高いしいいね)
「まあ。色々と諭されたり、唆されたりって事もあった様だけど、断る事も躱す事も選択肢はあったのに、決めて行動に移した結果が今回の事態だからね」
「そ、その…そこまで分かっていると言う事は、や、やはりその、創造神様が全て見ておられたと…」
「そうだろうね。というか、今後もそう思って行動してもらいたいね」
「心に刻んでおきます!」
真っ先にダイアナが返事をし、驚いてから3人も続いた。
「「「もちろんです」」」と。




