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異世界に召喚依頼の適当言う者   作者: 超究明蝶助
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王都−08

「コン・コン・・」

「失礼致します。お茶をお持ちしました。」

開いたままの扉にノックし、侍女服というのが相応しい服を着た女の子がお茶のセットと菓子を乗せたワゴンを押して入って来た。

侍女しかいない事に気付きサロンドが聞いた。

「ナガール宰相はどうしました?」

侍女は慣れた手つきでお茶を淹れる準備の手を止めて

「直ぐに来られると思いますが、やはり陛下にも同席してもらうべきと呟きながら走って行かれましたので、言伝としては申し付けられませんでした。」

と返答しお茶の準備を再開した。

(それは言っても良い事なのかな?まあいっか。)

「やはりその方が宜しいかと。私も思います。」

サロンドが鱒太に向き直りそう言った。

「勿論構いませんよ。お茶を頂いて待ちましょう」

(召喚の間で立ち上がってくれてたら一緒にこられたんだけどな)

あの場の雰囲気を変える為、その場を離れる事を優先した鱒太は、この部屋に向かっている途中で言ってあげれば良かったと思うのだった。

「そういえば侍女さんの名前は?私はマスター・キセキと言います。」

「失礼致しました。ダイアナ・イワノフと申します」

「イワノフって確かさっきの?侯爵さんだっけ」

先程身代わりをと申し出た人物を思い浮かべた。

「はい。バルデン・イワノフ侯爵はお祖父様です。私はお祖父様の長男の次女にあたります」

言われて見れば化粧も最小限とはいえ、金髪、翠目の整った顔立ちと佇まいは貴族然と見えた。

(侯爵の孫とか金髪ツインドリルってのは思い込みか)

と、そんな事も思いつつ。

「あのイワノフ侯爵さんは良い人だね」

その言葉にダイアナは満面の笑みでお辞儀をした。

「ありがとうございます。厳しいけれどとても優しい人なんです」

しかしサロンドは意外そうな顔をして

「…そうなんですね」

とだけ言っていた。

(普段は仕事の顔だろうしな。人前で笑う事も少ないのかもな)

「でも何故わざわざ侍女の仕事をしているんですか?」

(家計がきついって事は無さそうだけど)

気になった鱒太は質問していた。

「手習いです。行儀作法等学ぶ事は沢山ありますので」

「なるほどね〜」

素直に感心する鱒太が頷いた時、再びノックの音がした。

「コン・コン・コン」

ゆっくり3回鳴った。

「お待たせ致しました。陛下もお連れしましたが、ご同席しても宜しかったでしょうか?」

「ええ。勿論構いませんよ」

「では失礼致します」

と言って、ナガール宰相が入り横に避けた。

(さっきはノック2回だったような。今の3回と何か違いってあるのかな?)

そんな事を考えているうちにナガール宰相に続きドベデス王も入ってきた。

「失礼する」

先ずドベデス王が対面に行きナガール宰相が後ろに控えようとした為、手で促しドベデス王の隣に座ってもらった。

サロンドもドベデス王達が来て立ち上がっていたので全員座るように促し、ダイアナが淹れてくれたお茶が置かれるのを待って一呼吸する。

王と宰相の2人を正面から見て

「少しは落ち着いたかな?」

と聞いてみる。

「ある程度は…」

「はい。…少しは」

さすがに宰相は疲れ切った様子なので、立ち上がり伸ばした手を宰相の肩に置き回復スキルをかける。

「ひ!…おおっ…ありがとうございます」

「さっきは後回しにしたからな。さて、それじゃあ…」

と言ったところで

「無詠唱?!」

と聞こえたので、全員が壁際に控えるダイアナを見た。

「あ。彼女は下がらせますので。ダイアナ嬢…」

と宰相が言うのを鱒太が止めて

「ん〜。彼女はいてもらいましょう。力を見せておいて事情を隠すと余計な噂で詮索されますし。先程少し話してみて性格も問題なさそうだし、お茶のお代わりも欲しいですしね。‥ただし他言無用な部分もありますから、そこは気を付けてくださいね?」

と鱒太はダイアナを見て言うのだった。



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