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僕は異人です  作者: シノユウ
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海底神殿

ライとネイに引きずられながら結構奥へと楓は進んでいた。


「楓、そろそろ自分で歩いてくれ。」

「ん、わかった。」


ライが腕の限界がきたらしく楓を離す。

楓は立ち上がり自分の足で歩き始めたその時である。


「ライ何か感じるよね?」

「ああ、さっきのオリハルコンもどきと似たようなオーラを感じる。」


オリハルコンもどき。

それは普通ではない大きさまで巨大化してしまい、そして、強力な力を手に入れたやつのことだ。


「魔力の強さはダイヤと同じ...いや、ダイヤより強いか。それって結構やばいな。でもこの星で召喚獣としてはダイヤが一番ということは...理性がないか。」

「楓さん、ダイヤちゃんより強い魔獣がいるんですか?」

「うん。ちょっとやばいかも。一回ダイヤに来てもらうか。」


ダイヤを召喚するための魔力を練り解放する。


「《来たれ全ての魔物の王よ!》」


楓は自分の右手を前に出しながらそう唱える。

右手には魔法陣が現れ、この深海では全くと言っていいほどない光が溢れでてくる。


「お呼びでしょうか、主。」

「うん。ちょっとさこの先にいる魔物について何か知っていることない?」

「この先の魔物...!?」

「どうかしたの?」

「いえ、私が知っているある方の魔力の質とよく似ていまして驚いただけです。」

「その人っていう可能性はないの?」

「いえ、その方は随分と昔に亡くなっております。そして、あの方が理性を失うとかありえないのです。」


驚きを隠せないダイヤに事情を聞きある程度を把握した楓はその魔物がいる場所へと徐々に近づく。

そして、見えたのだ。


「神殿...?」

「聞いたことがありますわ。どこかの海の深くに二千年前に作られた神殿が今も尚形を残し存在していると。」

「ルーンでもあれはおかしくないかい?」

「何がですか?」

「そもそもここは深海だよ?深海は魔素濃度がめちゃくちゃ高い。だから普通の人間が建てた建物は形を保てないはずなんだ。でもあれは形を保てている...。」


魔素濃度が高い所ではそこに馴染んでいた星ができた当初くらいから存在する自然の岩石ならば形は保てる。

しかし、確実にあれは人間の手による建造物である。

それが壊れないはずがないのだ。

普通は分子レベルまで破壊されるのだが、逆に地上にある歴史的遺産の方がボロボロとも言えるほど綺麗な状態で残っている。


「とりあえず僕とダイヤが入ってみるからみんなはここで待ってて。一応ルビーに護衛をつけさせるから。」


そう言ってまたダイヤを呼び出した時のように魔力を練り始める。

そして右手を前に出しそこに魔法陣が浮かぶ。


「《来たれ炎の魔物の王よ!》」


右手の魔法陣からは光が溢れ小さな生き物が召喚された。


「お呼びでしょうか、主。」

「言っていることがダイヤと同じだね。まあ、それはいいや。それよりもルビー呼び出して早々に悪いんだけどさアエル達を守っててくれない?いざとなればライとネイは戦ってくれると思うから。」

「御意。」


楓の頼みに即答してルビーは護衛のために魔力を練り始める。


「ルビーの許可も取れたしダイヤ行くよ。」

「了解です。」

「ルビー任せたよ。」

「しっかりとお守りします。」

「ありがとう。」


ルビーにお礼をいいその場を離れる前に楓は常に出しているライトを二つにわけてひとつは自分達の方へ。

そしてもうひとつはアエル達が待っている場所に止めておいた。

完全に準備が終わったとこで、楓完全にこちらに向かって敵意を出している神殿の中の魔獣に意識を向けて神殿へ入っていった。




中へ入るとそこは普通に見えるほどの明るさがあった。

楓達が中へ入ったことによってその魔力に反応し壁に埋め込まれた沢山の光の魔石が光っているのだ。


「二千年前の神殿のようだけどさ、こんなに光を確保出来ていたんだね。」

「そうですね。あの頃は魔法が急激に発達した時期でしたので。」

「え?ダイヤってもしかしてめちゃくちゃ長生き?」

「ドラゴンの中では普通だと思いますが、人の歳で言いますと、三千五百歳くらいかと思います。」

「すごく年上だ。これからはダイヤさんと呼ぶことにしよう。」

「おやめ下さい主。私とあなたは主従の関係です。そしてあなたが私の主です。」

「わかってるよ。ダイヤ。」

「はい。」


そんなたわいもない話をしていると徐々に魔力の大きさが更に伝わってきた。

神殿で妨害されていたのか外から感じていた強い魔力がより一層強くなる。

そして敵意に徐々に近づいて...。


「な!?す、水竜様...。」

「どうしたのダイヤ?水竜ってもしかしてこの魔獣とダイヤ知り合い?」

「はい。私の前の総竜王です。この方は私なんて歯が立たない程に強く、楓様でも互角に戦えないと思います...。」

「うん。僕もそう思った。魔力がすごいし眼力すごいし今にも襲いかかって来そうだしっ!」


そういった瞬間に水竜の爪が楓の左肩の一部を裂いた。


「痛っ!《ヒール》」


すぐに怪我を治し水竜に向き直る。


「こいつはやばいぞ...!」

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