表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Student War ──羅刹女──  作者: 天井舞夜
組織・悪党
86/86

第76話

「もしもし、妖恋様」

『は~い。どうだった? 明日実』

「はい。面倒な事に金石柳太郎様の情報ノートは悪党に横盗りされました」

『ふ~ん。やっぱり私達の計画に合わせて来たんだ』

「そのようですね」

『それで?』

「はい。ちょうど高田鏡華と会いましたので悪党の事を教えました」

『グッジョブ! あの憎々しい首悪率いる悪党の相手は面倒だしね』

「はい。だから高田鏡華と悪党が潰し合うように仕向けました」

『わかった。じゃあさっさと戻って来てね。ご褒美上げるから』

「ありがとうございます」

『さて、羅刹女は悪党を潰すかな? それとも悪党に取り込まれるかな?』


****


 さて、早速私は電車に乗って夜山に向かっている。

 そして既に私は悪党こと夜山中学の奴らに囲まれている。とは言っても他人のフリして私を遠くから監視しているだけだが。

 バレバレだって。

 やがて夜山に着き、私は電車を下りて駅を出る。

 相変わらずニュータウンだけあって田舎なのにすごい町並みだ。

 さて、早速と。

 私は携帯で電話をかけた。相手はすぐに電話に出た。


「もしもし」

『あっ! 鏡華さん?! 大変。金石君のノートが盗まれた。どこ?』

「知ってる。今、夜山」

『どういう事?』

「とりあえず伊集院と金石を連れて月見と会ってくれないか。集まったらまた連絡してくれ」

『ちょっと鏡華さ──』


 私は携帯の通話を切り、ポケットにしまう。

 そして夜山中学へ向けて歩き始める。




 ふむ、囲まれているな。

 言葉通り、悪党連中が隠れて息を潜めて襲撃の機会を窺っている。

 聞こえる限り10人はいるな。

 私としてはできるだけ喧嘩は避けたい。理由は無駄な体力を消費したくないからだ。

 何かボソッと聞こえると悪党連中が武器を手に襲いかかって来た。

 私はその数に対応する。この数なら問題はない。

 そもそも私の喧嘩における主な戦法は回避優先行動。理由は自分の体を傷付けたくないからだ。一応、私も女だしな。

 男女混合のその集団を全員返り討ちしたところで携帯に電話がかかって来た。晴恋からだ。


「もしもし」

『鏡華! あなたは一人で何やってるの?!』


 月見だ。


『どうせあなたの事だから、授業中に廊下から物音がしたから首突っ込んだんでしょうけど』

「まあ、大体合ってるな」

『はあ……。とりあえず、私達は電話でサポートするから』

「事情はわかるのか?」

『問題ないよ』

「あ、そう。流石に700人相手するのは私でも無理だぞ」

『普通無理だよ。とにかく私が悪党の心理を考えて、伊集院君が悪党の人達の位置を計算するよ。後、金石君のノートは全部で3冊だよ。私の考えではたぶん相手はそれを一冊ずつバラバラにして持ってるよ。なぜかわかる?』

「まとめて取り返されるリスクを分散するため?」

『違うよ。悪党の狙いは鏡華もだよ』

「私?」

『そうだよ。悪党は総勢約700人、普通じゃ素手で一人相手では無理だよね。プロの格闘家でも無理だよ。だけど鏡華がいるのは町中。つまり──』

「各個撃破だな?」

『その通り。一対少数なら鏡華は絶対負けないよ。あなたの化け物みたいな体力なら700人くらい余裕でしょ?』

「余裕ではないかな」

『でしょうね。そっちに原山君と寺ス先輩達送ったよ。けど鏡華は基本的に別行動だよ』

「はぁ? 何で?」

『原山君達は囮、そっちに数の暴力して、ある程度集中してる間に手薄になったところを鏡華が撃破する』

「いやいや、それはヒドいと思うぞ?」

『何が?』

「友達を犠牲にするのはどうだろうか?」

『どうして? 鏡華は女の子だよ。鏡華を犠牲にするのは駄目だから犠牲の役を彼らになってもらっただけだよ。原山君達にはその事言ってないけどね』

「悪魔だな」

『金石君のノートがあれに奪われたら禄な事にならないからね。だけど私も伊集院君も喧嘩派ではないし、シオン達は言わずもがな。不満だけどここは鏡華に動いてもらうしかないの』

「わかった。じゃあ、原山達にもアドバイスしてあげてくれ。私一人と原山達のグループに分かれて各個撃破するから」

『おーけー。じゃあ鏡華のアドバイス役はシオンが、原山君達のアドバイス役は金石君にしてもらうよ。私と伊集院君は参謀』

「わかった。じゃあ、通話は入れっぱなししてるから」


 私は会話を打ち切り、歩き出す。




 私は角の影に隠れている。

 足音が近づいて来る。相手は一人。


「キャッ!」


 相手が角に差し掛かったところで私は相手の胸ぐらを掴み、角の影に引きずり込んだ。壁に背中から叩き付けた。


「あ、あなたは羅刹──むぐ!」


 引きずり込んだ女子の口を塞ぐ。


「大声出さないでもらおうか。さて、ノートがどこにあるのか教えてもらおう──」


 その時、複数の足音がまっすぐこっちに向かって来ていた。


「いたぞ! 羅刹女だ!」


 夜中の男が手を振って仲間を呼んでいる。


「ちっ」


 私は女子の胸ぐらを掴み男子に投げつける。自分で言うのもあれだが軽い女子とはいえ投げるとか意味わからないな。無駄に馬鹿力だ。

 私は男子がいる方とは逆方向へ走り、さらに奥へと逃げる。正確には別の出入り口に向かって。

 しかし、出入り口には待っていたかのように悪党メンバーがいた。来た道からも大量の足音が聞こえる。

 仕方ないな。突破する!




 私はとあるビルに向かって走っている。

 私は路地裏から逃げるために無理矢理悪党の包囲網を突破した。そのすぐ後に私は金石のノートの一冊がとあるビルにあると聞こえた。

 どうせ手掛かりはないのだからとりあえず行ってみる事にした。

 しばらく走ると目的にビルに到着した。

 そのビルは5階建て、ニュータウンの中では少し古さを感じるがしっかりした印象を受けた。どうやら廃ビルというわけでもなく、一階毎に2つの業者が使ってる仕組みらしく、10の内8が埋まっている。

 いるとしたら空いてる2つのフロアーか……。

 私は階段を上り、まずは3階の空いてるフロアーに入った。

 何もない。

 次は5階だ。

 ドアの中から複数の音が聞こえた。


「羅刹女だろ? 入って来い」


 ドアの向こうから聞こえた。どうやら誘っているらしい。

 私はドアを開けた。

 影に隠れて部屋に入ったところで攻撃というのも考えられたが、聞こえなかったから──まあ、大丈夫だろう。

 私は迷う事なく部屋に足を踏み入れた。

 30人程の男女が部屋内にいた。それ以外何もない。強いて言うなら窓が塞がれて外からの光が入らないようになっている。3階の空き部屋はそんな事なかった。

 そういう事か……。

 部屋の真ん中には見覚えのあるノート──金石の情報ノートを持った男子がいた。


「さっさとそのノート返してもらおうか?」


 男子は私が近づいて行くと大声を上げた。


「やれ!」


 合図とともにドアを閉めると部屋の電気を消した。

 暗闇の中で襲撃しようというわけか?!

 まあ、そんな事私には関係ないが。

 私は真横から振り下ろされるたぶんバットを回避して、呼吸の音が聞こえる場所を殴った。感触的に鼻に入ったっぽい。

 私の位置を正確に把握して攻撃して来るな。どうやって把握してるかわからないな。『悪意』か? まあ、間違いなくこれだな。それにしても本当に馬鹿だなコイツらは。正確に動き過ぎて手に取るように聞こ│(見)える。

 おそらくすべて返り討ちにすると、携帯を取り出し画面の明かりで部屋を照らす。


「うわ~」


 男女生徒が転がっている。

 金石のノートを拾い上げ、部屋から出た。

 とりあえず一冊目回収っと。

 部屋から、化け物、と呻き声が聞こえた。

 失礼な奴らだ。

戦闘(笑)パート。暗闇の中集団相手に闘えるかは不明。まあ、理論上は可能でしょう。理想論ですけどね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ