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全身全霊

ライブ開始まで。


まだ。


五時間。


「…………」


なのですが。


「やっぱ混んでるね」


「予想以上です」


私たちは今。


会場の外にできた。


長い。


とても。


長い列の中にいます。


「でも、この時間に来て正解だったね」


「はい」


「限定グッズなくなったら嫌だし」


「それもありますが」


「ん?」


「抽選券もあります」


「…………」


「いろは」


「はい」


「今日、そっち本命になってない?」


「まさか」


「目が本気なんだよなあ」


「小宮さんも、サイン入りグッズは欲しいでしょう?」


「欲しい」


「では」


「でも予算は守る」


「…………」


「いろは?」


「もちろんです」


「今の間なに?」


少しずつ。


列が進む。


そして。


ようやく。


物販の入口が。


見えてきました。


「長かった……」


「まだ終わっておりませんよ」


「買うだけじゃん」


「その後があります」


「…………」


小宮さんが。


私を見る。


「抽選?」


「はい」


「やっぱ今日そっち本命になってない?」


「なっておりません」


ライブが。


本命です。


当然です。


ただ。


サイン入りグッズも。


欲しいだけです。


「いろは、買うもの決まった?」


「はい」


スマホに表示した。


商品一覧を見せる。


「タオル」


「はい」


「アクスタ」


「はい」


「生写真」


「はい」


「…………」


小宮さんの指が。


止まる。


「これ、さっき入ってなかったよね?」


「…………」


「いろは?」


「追加しました」


「なんで?」


「欲しくなりました」


「あと千二百円だったからじゃなくて?」


「…………」


鋭い。


「抽選券、一枚増えるね」


「偶然です」


「へえ」


「偶然です」


二度。


言っておきます。


◇


そして。


購入を終える。


大きくなった袋と。


手元には。


数枚の抽選券。


「…………」


「嬉しそう」


「そう見えますか?」


「見える」


「平常心です」


「じゃあ、その券一枚ちょうだい」


「お断りします」


「即答じゃん」


「これは私のものです」


「平常心どこ行ったの」


「…………」


さて。


ここからです。


抽選会場へ。


向かいます。


「いろは」


「はい」


「顔」


「何でしょう」


「神社でおみくじ引く人より真剣」


「当然です」


「巫女が言っちゃダメなやつ」


◇


抽選会場。


「次の方、どうぞ」


「…………」


私の番です。


「いろは」


「はい」


「緊張してる?」


「しておりません」


「その割に抽選券握りしめてるけど」


「…………」


差し出す。


一枚目。


「残念です」


「…………」


二枚目。


「残念です」


「…………」


三枚目。


「残念です」


「…………」


「いろは」


「はい」


「顔」


「普通です」


「全然普通じゃない」


まだ。


あります。


四枚目。


「残念です」


「…………」


「いろは?」


「…………」


大丈夫です。


想定内です。


こういうものは。


簡単には。


当たりません。


分かっています。


「あと何枚?」


「一枚です」


最後の。


一枚。


「…………」


お願いします。


「祈ってる?」


「祈っておりません」


「本職なのに?」


「こういう時だけ頼るのは、不純です」


「急に巫女に戻った」


「…………」


ですが。


ほんの少しだけ。


お願いします。


抽選券を。


差し出す。


「…………」


スタッフの方が。


確認する。


そして。


「おめでとうございます」


「…………」


え。


「サイン入りタオル、当選です」


「…………」


「いろは」


「…………」


「いろは?」


目の前に。


差し出された。


タオル。


そこに。


間違いなく。


書かれている。


推しの。


サイン。


「…………」


「生きてる?」


「小宮さん」


「うん」


「私」


「うん」


「本日」


「うん」


「ここで帰っても、よろしいでしょうか」


「ライブ、まだ三時間後だから」


「…………」


そうでした。


まだ。


始まってすら。


おりません。


◇


それから。


三時間後。


会場の照明が。


落ちる。


「…………!」


歓声。


光。


音。


一斉に。


会場を包む。


「いろは!」


「はい!」


始まりました。


待ちに待った。


ライブ。


「…………」


ステージの上。


何度も。


画面越しに見ていた人が。


そこにいる。


歌って。


踊って。


笑っている。


「…………」


すごい。


それしか。


出てきません。


妄想なら。


いくらでも。


言葉は出てくるのに。


本物を前にすると。


何も。


出てきません。


◇


ライブも。


中盤。


「いろは!」


「はい?」


小宮さんが。


ステージの端を指差す。


「来るよ!」


「…………!」


こちら側へ。


近づいてくる。


推し。


近い。


思っていたより。


ずっと。


近い。


「タオル!」


「…………!」


そうでした。


私は。


バッグから。


先ほど当たった。


サイン入りのタオルを取り出す。


広げる。


掲げる。


「…………」


気づいて。


いただけるでしょうか。


近づく。


あと少し。


そして。


「…………!」


目が。


合った。


気が。


しました。


「いろは!」


推しが。


こちらを見て。


タオルを。


指差す。


「…………」


次に。


自分の手を動かして。


何かを書くような。


仕草。


「…………!」


サイン。


気づいて。


くださった。


「いろは! 見てる!」


「…………」


分かっております。


ですが。


声が。


出ません。


そして。


最後に。


こちらへ。


笑って。


手を振る。


「…………」


「いろは!?」


「…………」


「手、振って!」


「…………!」


慌てて。


振り返す。


もう。


推しは。


次の場所へ。


向かっていました。


「…………」


「大丈夫?」


「小宮さん」


「うん」


「今のは」


「うん」


「私でしょうか」


「誰がどう見ても、いろはでしょ」


「…………」


そう。


でしょうか。


いえ。


ですが。


もしかすると。


私の後ろの方に。


「いろは」


「はい」


「考察しなくていいから」


「…………」


なぜ。


分かったのでしょう。


◇


終演後。


「…………」


「いろは」


「…………」


「いろは?」


「はい」


「戻ってきた?」


「どちらからでしょう」


「推しの世界から」


「…………」


失礼な。


私は。


ずっと。


こちらにおります。


「とりあえず出よっか」


「はい」


会場を出る。


周りには。


ライブの余韻を残したまま。


楽しそうに話す人たち。


私も。


例外では。


ありません。


「…………」


スマホを開く。


「もう見てる」


「確認です」


「何を?」


「先ほどの」


「ファンサ?」


「はい」


「いろはにだったって」


「ですが」


私の後ろに。


同じ推しの方が。


いた可能性も。


「…………」


検索する。


今日の公演。


推しの名前。


ファンサ。


いくつか。


投稿が表示される。


「…………」


「あった?」


「少々お待ちください」


さらに。


見ていく。


そして。


指が。


止まる。


『サイン入りのタオル見つけて、めっちゃ反応してた』


「…………」


「いろは?」


「小宮さん」


「なに?」


「ありました」


「何が?」


スマホを。


見せる。


「…………」


「これ?」


「はい」


「…………」


「確定した?」


「しました」


「よかったね」


「はい」


間違いなく。


あれは。


私への。


ファンサ。


「…………」


口元が。


緩む。


「いろは」


「はい」


「めっちゃニヤけてる」


「ニヤけておりません」


「じゃあスマホの画面消してみて」


「嫌です」


「ニヤけてんじゃん」


「…………」


「このあと、どうする?」


「そうですね」


小宮さんが。


少し考えて。


「あ」


「はい?」


「佐伯くんのとこ、行かない?」


「…………」


「カフェ」


佐伯さん。


「今日、バイトじゃなかったっけ?」


「確か」


「じゃ、寄ってこ」


「…………」


手元を見る。


サイン入りのタオル。


そして。


スマホには。


先ほど見つけた投稿。


「いろは?」


「はい」


「行く?」


「…………」


「行きましょう」


◇


カラン、と。


扉を開ける。


「いらっしゃいませ」


聞き慣れた。


声。


「…………」


「水瀬さん?」


佐伯さんが。


こちらを見る。


「小宮さんも」


「こんにちは」


「こんにちは」


「今日、ライブでしたっけ?」


「はい」


「どうでした?」


「…………」


「最高でした」


「…………」


あ。


「即答」


小宮さんが。


横で笑う。


「いろは、まだ余韻すごいから」


「小宮さん」


「そうなんですか?」


「はい。もうずっと」


「ずっとではありません」


「ライブ終わってから、ずっとスマホ見てるじゃん」


「確認していただけです」


「何を?」


佐伯さんが。


私を見る。


「…………」


説明するのでしょうか。


これを。


「ファンサ」


小宮さん。


「…………」


「ファンサ?」


「もらったんだよね?」


「…………」


「おそらく」


「さっき確定したって言ってたじゃん」


「小宮さん」


「へえ」


佐伯さんが。


小さく。


そう言った。


「よかったですね」


「はい」


「しかも今日のいろは、気合い入れてきたしね」


「…………」


「小宮さん」


「髪も服も」


「小宮さん」


「朝から結構悩んでたよね?」


「それ以上は」


「推しに会うんだもんね」


「小宮さん」


「はいはい」


「…………」


佐伯さんが。


私を見る。


少し。


長く。


「…………?」


「今日」


「はい?」


「いつもと雰囲気、違いますね」


「…………」


そう。


でしょうか。


「似合ってます」


「…………!」


「ありがとうございます」


突然。


言わないでください。


せっかく。


推しの余韻に。


浸っていたというのに。


心臓が。


別の理由で。


忙しくなりました。


「お好きな席、どうぞ」


「はい」


席につく。


小宮さんが。


向かいから。


私を見る。


「よかったね」


「何がですか」


「似合ってるって」


「…………」


「推しに会うために頑張ったのに」


「小宮さん」


「佐伯くんに褒められて一番照れてる」


「気のせいです」


「へえ」


「…………」


メニューを。


開く。


「何にする?」


「少々お待ちください」


「顔、隠してる?」


「メニューを見ています」


「逆さだけど」


「…………」


静かに。


戻す。


「分かりやすいなあ」


「何がですか」


「別に?」


「…………」


◇


注文を終え。


スマホを。


もう一度。


開く。


「また?」


「違います」


「今度は何?」


「メールです」


「誰に?」


「ラジオへ」


「…………」


小宮さんが。


一度。


瞬きをする。


「今から?」


「はい」


「ライブ終わったばっかりだよ?」


「だからです」


今日の。


この気持ちを。


忘れないうちに。


サイン入りのタオルが。


当たったこと。


それを。


ライブ中に掲げたこと。


気づいて。


くださったこと。


そして。


ファンサを。


いただけたこと。


一つずつ。


文字にしていく。


「…………」


「いろは」


「はい」


「楽しそうだね」


「そうでしょうか」


「うん」


「…………」


否定は。


しません。


「お待たせしました」


「…………!」


佐伯さんが。


飲み物を持って。


こちらへやってくる。


「ありがとうございます」


「何してたんですか?」


「ラジオにメールを」


「ラジオ?」


「今日のライブの感想送ってるんだって」


「小宮さん」


「推しが出てるやつ」


「…………」


佐伯さんが。


私のスマホを見る。


「読まれるといいですね」


「はい」


「来週ですか?」


「いえ」


「収録ですので」


「…………」


「来週とは限りません」


「じゃあ、いつ?」


「分かりません」


「…………」


ですから。


「来週以降」


スマホを。


そっと置く。


「しばらくは」


「聞き逃せません」


「全部聴くんですか?」


「当然です」


「…………」


佐伯さんが。


少しだけ。


笑う。


「本当に好きなんですね」


「はい」


「…………」


即答。


なぜか。


佐伯さんの笑顔が。


少しだけ。


止まりました。


「そういえば」


小宮さんが。


バッグへ。


手を伸ばす。


「これも見せたら?」


「…………」


嫌な。


予感がします。


「ほら」


取り出したのは。


先ほどの。


サイン入りタオル。


「小宮さん」


「これ、今日当たったんだよ」


「え」


佐伯さんが。


タオルを見る。


「サイン?」


「そう。物販の抽選で」


「すごいですね」


「しかも」


「小宮さん」


「これライブ中に掲げたら」


「小宮さん」


「本人が気づいてくれて」


「小宮さん」


「指差してくれたんだよね?」


「…………」


佐伯さんが。


こちらを見る。


「それが、さっきのファンサ?」


「…………」


「はい」


「へえ」


また。


その二文字。


「いろは、固まってたもんね」


「固まっておりません」


「手振るの忘れてたじゃん」


「少しだけです」


「顔、真っ赤だったし」


「小宮さん」


「今日のいろは、すごかったよ」


「何がですか」


「乙女だった」


「小宮さん!」


「…………」


佐伯さんが。


黙る。


「…………?」


どうしたのでしょう。


「佐伯さん?」


「いや」


少しだけ。


間があって。


「楽しめたみたいで、よかったですね」


「はい」


「…………」


笑って。


います。


いつもの。


佐伯さんです。


なのに。


なぜでしょう。


少しだけ。


違うような。


「じゃあ、仕事戻ります」


「はい」


佐伯さんが。


離れていく。


「…………」


その背中を。


見送る。


「いろは」


「はい?」


「気づいてない?」


「何がですか?」


「…………」


小宮さんが。


佐伯さんの背中を見る。


それから。


私を見る。


「いや」


「…………?」


「別に」


また。


それです。


◇


「…………」


仕事へ戻る。


カウンターの中から。


二人の席を見る。


水瀬さんは。


また。


スマホを見ている。


「…………」


さっきまで。


知らなかった。


水瀬さん。


ライブの話になると。


いつもより。


よく喋る。


よく笑う。


サイン入りのタオルを。


大事そうに持って。


ファンサをもらったと。


嬉しそうにして。


ラジオにまで。


メールを送っている。


「…………」


秋祭りの時。


境内に立っていた。


水瀬さんは。


もっと。


凛としていて。


近寄りがたいくらい。


綺麗だった。


「小宮さん、見てください」


「また見つけたの?」


「先ほどのファンサについての投稿が」


「まだ探してたんだ」


「検証です」


「もう確定したんじゃなかった?」


「念のためです」


「…………」


本当に。


同じ人なんだろうか。


「…………」


でも。


こっちの水瀬さんも。


悪くない。


むしろ。


「…………」


楽しそうだな。


そう思う。


思うのに。


「好きなんですね」


さっき。


俺が言った言葉。


『はい』


迷いもなく。


返ってきた。


「…………」


別に。


相手は。


芸能人だ。


俺が。


気にするようなことじゃない。


「…………」


なのに。


なんだろう。


これ。


少しだけ。


面白くない。


「湊」


「はい?」


マスターに呼ばれ。


振り返る。


「これ、三番に」


「はい」


トレーを持つ。


三番。


「…………」


水瀬さんたちの。


隣の席。


「お待たせしました」


料理を置く。


その横から。


聞こえてくる。


「小宮さん」


「なに?」


「こちらも見てください」


「今度は何?」


「先ほどの曲の」


「はいはい」


「この場面です」


「…………」


楽しそうだ。


本当に。


「ねえ、いろは」


「はい?」


「今日ずっとそんな感じだよね」


「そんな感じとは?」


「推し、推し、推し」


「…………」


「朝から気合い入れて」


「小宮さん」


「五時間前から並んで」


「小宮さん」


「サイン当てて」


「小宮さん」


「ファンサもらって」


「小宮さん」


「ラジオにメールまで送って」


「…………」


全部。


今日だけの話なのか。


「充実した一日でした」


「まだ終わってないけどね」


「そうですね」


水瀬さんが。


笑う。


「…………」


そんな顔。


するんだ。


「佐伯さん?」


「え?」


「どうかしました?」


「いや」


見られていた。


「なんでもないです」


「そうですか?」


「はい」


仕事に戻る。


「…………」


さっき。


服を褒めた時。


水瀬さんは。


しばらく。


固まっていた。


今は。


また。


楽しそうに。


スマホを見ている。


「…………」


別に。


俺が褒めた時の方が。


照れていたとか。


「…………」


何を。


比べてるんだ。


俺は。


推しは。


推し。


俺は。


俺。


比べるものじゃない。


分かってる。


「…………」


分かってるのに。


もう一度。


二人の席を見る。


サイン入りのタオルを。


大切そうに。


畳んでいる。


「…………」


やっぱり。


少しだけ。


面白くない。


◇


「ごちそうさまでした」


「ごちそうさま」


店を出る。


外は。


すっかり。


暗くなっていました。


「楽しかったね」


「はい」


「ライブも」


「はい」


「サインも当たったし」


「はい」


「ファンサも」


「はい」


「佐伯くんにも会えたし」


「はい」


「…………」


「…………」


足が。


止まる。


「小宮さん」


「なに?」


「今」


「うん」


「何か一つ」


「うん」


「混ぜませんでしたか?」


「気のせいじゃない?」


「…………」


絶対に。


気のせいでは。


ありません。


「それより」


小宮さんが。


私を見る。


「今日、佐伯くんちょっと変じゃなかった?」


「…………」


やはり。


「小宮さんも、そう思いましたか?」


「うん」


「私も少し」


「へえ」


「なんですか?」


「いや」


「…………?」


小宮さんが。


なぜか。


笑う。


「まあ、いろははそのままでいいんじゃない?」


「どういう意味ですか?」


「そのうち分かるよ」


「…………」


また。


それです。


今日の。


佐伯さん。


笑っていました。


いつも通り。


話していました。


なのに。


どこか。


少しだけ。


違った。


「…………」


何か。


してしまったのでしょうか。


「いろは」


「はい?」


「また考えすぎてる」


「…………」


「今日は楽しかったんでしょ?」


「はい」


「じゃ、今日はそれでいいじゃん」


「…………」


そう。


ですね。


手に持った。


サイン入りのタオルを見る。


今日は。


とても。


楽しかった。


それなのに。


帰り道。


頭に浮かんでいたのは。


推しではなく。


少しだけ。


様子の違った。


佐伯さんでした。


◇


その日の夜。


お風呂を終え。


部屋に戻る。


ベッドの上には。


今日の。


戦利品。


そして。


サイン入りのタオル。


「…………」


楽しかった。


とても。


ですが。


「…………」


スマホを開く。


浮かんだのは。


帰り際の。


佐伯さん。


少しだけ。


いつもと違った。


気がします。


「…………」


気のせい。


でしょうか。


メッセージを開く。


『今日はありがとうございました』


送信。


少しして。


既読。


『いえ、こちらこそ』


「…………」


終わり。


いつもなら。


もう少し。


何か。


あるような。


「…………」


いえ。


考えすぎです。


文字を打つ。


『今日、かなり忙しかったですか?』


これくらいなら。


普通です。


送信。


既読。


「…………」


一分。


二分。


「…………」


スマホを置く。


別に。


すぐに返す必要など。


ありません。


「…………」


もう一度。


見る。


五分。


「…………」


まだ。


返事はありません。


◇


恋愛経験ゼロ。


妄想の中では恋愛無双。


サイン。


ファンサ。


忘れられない。


一日。


でも……。


今。


浮かぶのは。


あなたの事。

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