表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/130

第九十四話 生徒会の日々・前編


 俺は神代レン。普通の高校生――だった。


 だがスキル《神核生成》によって炎の擬神ソレイナを生み出し、俺の日常は大きく変わった。


 その後、生徒会へ所属することになり、自然の擬神ユシル、操りの擬神アヤネ、そして海洋の擬神フリートを召喚した。


 今日もまた、そんな仲間たちと共に過ごしている。


 ――『異能学園高等学校』生徒会室。


 窓から差し込む昼の光が机の上を照らしている。


 静かな室内に、紙をめくる音だけが響いていた。


 生徒会長の天城修也(あまぎ しゅうや)が一枚の資料を見つめながら、ふむ、と小さく呟く。


「ふむ......やはり狙撃班が欲しいな......」


 その言葉に最初に反応したのは朝比奈咲夜(あさひな さくや)だった。


「ん?生徒会長、急にどうしたの?」


 月影詩乃(つきかげ しの)も顔を上げる。


「遠距離攻撃系異能なら、私で十分......」


 だが修也は首を横に振った。


「いや、そうじゃなくて...」


 そこでソレイナが静かに口を開く。


「アサシン型、でしょうか」


 修也は小さく笑った。


「あぁ、その通りだ」


 ユシルが首を傾げる。


「ふゆぅ~?アサシン型~?滅多にいないよ~?」


「ですね」


 アヤネも同意する。


「確かに」


 フリートも頷いた。


 氷室凛(ひむろりん)は腕を組みながら問いかける。


「どうするの?」


 その流れで全員の視線が俺に向いた。


 嫌な予感しかしない。


「まさか、また俺に《神核生成》を使えって言うんじゃないよな」


 すると修也は即答した。


「そうだね、それも良い」


「おい」


 思わず机を叩きそうになる。


 修也は楽しそうに笑った。


「ははは、本気じゃないさ」


「ほんとかよ」


 俺が疑いの目を向けると、ソレイナが静かに説明する。


「ですが、《神核生成》はランダムです。そう簡単に来るとは......あ、」


 言った瞬間。


 部屋の空気が止まった。


 修也がにっこり笑う。


「つまり、擬神のなかにアサシン型はいるんだね」


 ソレイナの肩がぴくりと震えた。


 アヤネが呆れたように見る。


「ソレイナ?」


「......すみません」


 珍しく素直に謝っていた。


 フリートが慌てて間に入る。


「まぁまぁ」


 ユシルはのんびりと笑う。


「別にぃ~バレたところで~ランダムだから~」


「そうだな。それにあれ疲れるし......」


 俺がそう言うと、修也も納得したように頷いた。


「......まぁ、《神核生成》は最終手段と言うことにしておこう」


「まぁ、その方が良いわね......彼、負担にもなるし」


 凛の言葉に詩乃も静かに頷く。


「うん......」


 しかし咲夜だけは不満そうだった。


「えぇ~もっと擬神ちゃん増えた方が楽しそうなのに~ブーブー!」


「仕方ないでしょう」


 凛が即座に返す。


 修也は苦笑した。


「ははは、」


 そんなやり取りの最中。


 アヤネが立ち上がった。


「ソレイナ、そろそろ行きますよ」


 ソレイナは静かに頷く。


 俺は二人を見る。


「ん?どこ行くんだ?」


「いつもの稽古......特訓です」


「はい、」


 最近はこの二人だけで訓練することが増えていた。


 特にアヤネは侵食岩力の応用を研究しているらしい。


 ユシルが手を振る。


「がんばって~」


 フリートも微笑む。


「お気をつけて」


「お前らは行かないのか?」


 するとフリートが少し胸を張った。


「はい、主さん、全員で行ってしまうと、守れないので」


「そゆこと~」


 ユシルも同意する。


「なるほどな......」


 確かにその通りだった。


 誰かが常に近くにいた方が安全だ。


 ソレイナとアヤネは軽く会釈をして生徒会室を出て行った。


 扉が閉まる。


 しばし静寂。


 俺は椅子にもたれながら天井を見上げた。


「それにしても、今日は平和だな」


 凛が書類を書きながら答える。


「いつも平和で良いのよ......」


「だよね~」


 咲夜も同意する。


 詩乃も小さく呟いた。


「......うん............」


 修也は立ち上がると、大量の書類を抱えた。


「......さぁ、俺たちは俺たちの仕事をやろう!今日の書類も山ほどあるぞ!」


 その瞬間。


 全員の顔が少しだけ曇る。


 机の端には高く積み上がった紙の山。


 生徒会の仕事。


 異能者管理。


 校内巡回報告。


 予算申請。


 設備修繕。


 部活動関連。


 見ただけで頭が痛くなる量だった。


「うわぁ......」


 咲夜が露骨に嫌そうな声を出す。


「逃げない」


 詩乃が即座に言った。


「ばれた?」


「ばれる」


 凛も淡々と答える。


 ユシルは書類を一枚持ち上げて眺める。


「むずかしい文字いっぱい~」


「ユシル、それは私がやります」


 フリートが優しく受け取った。


「ありがと~」


 そんな光景を見ながら、俺は小さく笑う。


 少し前まで普通の高校生だった。


 こんな場所で。


 こんな仲間たちと。


 こんな日々を送るなんて想像もしなかった。


 だが不思議と悪くない。


 窓の外では風が吹いている。


 校庭からは運動部の声。


 遠くでは授業のチャイム。


 平和な学園の日常。


 その中心にいる俺たち。


 今日もまた。


 変わらない一日が始まろうとしていた。


 そして誰も気づいていなかった。


 生徒会室の窓の外。


 遥か遠く。


 校舎の屋上に立つ一つの影を。


 風に揺れる黒いコート。


 その人物は静かに生徒会室を見つめていた。


 まるで何かを確かめるように。


 そして。


 ゆっくりと姿を消した。


 平和な日常の裏側で。


 何かが静かに動き始めていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ