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神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

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第九十三話 紅蓮の継承


夜空を覆っていた黒翼の群れは消え去った。


だが、その場に残された空気は重い。


異形たちの亡骸がゆっくりと黒い粒子へ変わり、風の中へ溶けていく。


旧訓練場。


レンは刀を地面へ突き立て、大きく息を吐いた。


右腕に刻まれた紅蓮の紋様はまだ微かに光っている。


その隣ではソレイナが静かにレンを見つめていた。


「主様、お疲れ様です」


「いや……まだ全然だ」


レンは拳を握る。


先ほどの戦い。


確かに以前より強くなった。


だが最後に現れた巨大な黒翼。


あれは明らかに今までの敵とは違う存在だった。


「ソレイナ」


「はい」


「俺は……あれに勝てるのか?」


一瞬だけ沈黙が落ちる。


だがソレイナは迷わなかった。


「今は無理です」


「はっきり言うな……」


「ですが」


炎の擬神は優しく微笑んだ。


「主様は必ず届きます」


レンは目を見開く。


「なぜそう言い切れる?」


「私が信じているからです」


真っ直ぐな言葉だった。


迷いがない。


ユシルも隣へやってくる。


「だいじょ〜ぶ〜」


フリートも元気よく手を上げる。


「主さんならできます!」


アヤネも静かに頷く。


「主様は日々成長しています」


レンは少しだけ笑った。


「お前らな」


その時だった。


訓練場の入口から足音が響く。


振り返ると天城修也たちが立っていた。


朝比奈咲夜が真っ先に駆け寄ってくる。


「すごかったよ!」


「見てたのか?」


「途中からね!」


月影詩乃も静かに頷く。


「炎……かなり制御できるようになった」


氷室凛は腕を組んだ。


「少しは見直したわ」


「少しかよ」


「十分でしょ」


修也は笑みを浮かべる。


「だがまだ先は長い」


「わかってる」


「ならいい」


生徒会長は夜空を見上げた。


そこにはもう黒翼の姿はない。


しかし。


修也の表情はわずかに険しかった。


「……どうした?」


レンの問いに修也は答える。


「嫌な予感がしている」


全員の空気が変わった。


「嫌な予感?」


「ああ」


修也はゆっくり続ける。


「ここ最近、異能犯罪も異形出現も増えている」


「確かに」


凛が頷く。


「偶然とは思えないわね」


詩乃も静かに口を開く。


「誰かが裏で動いている可能性」


咲夜が眉をひそめた。


「トランセンド・ラボ?」


「それもあるだろう」


修也は否定しない。


だが。


それだけではない。


そんな雰囲気があった。


その時。


レンの右腕が僅かに熱を帯びた。


「っ?」


突然の熱。


ソレイナが反応する。


「主様?」


「いや……今」


右腕の紋様が光る。


一瞬だけ。


まるで何かを感じ取ったように。


アヤネが周囲を見渡す。


「何かいますか?」


フリートも警戒する。


ユシルは風を感じ取るように目を閉じた。


だが何もない。


異常なし。


しかし。


レンだけは感じていた。


遠く。


遥か遠く。


何かがこちらを見ている。


そんな感覚を。


「気のせいか……?」


だが胸騒ぎは消えなかった。


その頃。


どこかの地下施設。


巨大なモニターが並ぶ薄暗い空間。


黒いコートの男が椅子へ座っていた。


その背後には複数の研究員。


モニターにはレンの戦闘映像が映っている。


炎。


刀。


紅蓮の紋様。


全てが記録されていた。


「確認しました」


研究員が報告する。


「神核生成保持者。神代レン」


男は映像を見つめる。


「成長速度は?」


「予測値を上回っています」


「なるほど」


男は小さく笑った。


「面白い」


研究員が続ける。


「このままでは計画に支障が」


「問題ない」


男は即答した。


「むしろ好都合だ」


モニターに映るレン。


その右腕の紋様。


男はゆっくり立ち上がる。


「神核生成」


その声は静かだった。


だが底知れない執念を感じさせた。


「やはり本物か」


研究員が尋ねる。


「執行官ネメシス様」


男――ネメシスは振り返る。


「準備を進めろ」


「例の計画をですか?」


「ああ」


ネメシスは微笑む。


冷たい笑みだった。


「もうすぐ始まる」


モニターの中でレンが仲間たちと笑っている。


その光景を見つめながら。


ネメシスは静かに告げた。


「擬神計画第二段階を」


その瞳に宿るのは狂気。


そして確信。


「神代レン」


「君は必ず我々の前へ来る」


地下施設に不気味な笑い声が響いた。


そして同じ頃。


現実とは異なる静かな空間。


水面だけが広がる世界。


そこにはいつものように神代レンの姿が映っていた。


氷のようなフードの少女が微笑む。


「始まりましたね」


黄色いフードの少女が頷く。


「ん」


紫フードの少女も静かに目を閉じる。


「運命が動き始めています」


黄土色のフードの少女が笑った。


「もうすぐかしらねぇ」


木陰の影。


岩陰の影。


全員が同じ方向を見ていた。


映るのは神代レン。


氷の少女が静かに告げる。


「主様」


「その時が近づいています」


揺れる水面。


その中心で。


まだ何も知らない少年の姿だけが映り続けていた。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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